2014年6月20日金曜日

コロンビア・政策金利(現在3.75%)

 日本時間明日にコロンビア中銀は政策金利を発表する見込みである。Bloomberg調査では予測回答者28名中26名が25bpの利上げを予想。1名は金利据え置き、1名は50bpの利上げをそれぞれ見込んでいる。昨日発表された第1四半期のコロンビアGDPは前年比6.4%増と市場予想(同5.2%増)を大きく上回り、前期分も同4.9%増から同5.3%増に上方修正された。COP高は依然としてコロンビア当局の懸念事項だが、成長率の加速でCOP高が問題視されなくなってきている。

メキシコ・小売売上高(2014年4月)と中銀会合議事録(6月6日開催分)

 本日午後10時に4月のメキシコ小売売上高が発表される。市場予想では前年比1.3%減と前月から一転前年割れとなる見込みである。また本日は午後11時にメキシコ中銀が会合議事録(6月6日開催分)を公表する。同会合でメキシコ中銀は市場予想に反し政策金利を50bp引き下げ3.00%とし、追加利下げは当面ないとの姿勢を示した。今回公表される議事録では利下げに至った議論が注目される。

ポーランド・中銀会合議事録(6月3日開催分)

 本日午後9時にポーランド中銀は会合議事録(6月3日開催分)を公表する。足元ではポーランド中銀による利下げ再開観測が強まっており、今回公表される議事録は利下げの可能性を考察するうえで重要と思われる。ポーランド景気の回復基調は続いているが、ポーランド中銀のベルカ総裁と同国内務相との会話の暴露で金融政策の先行き不透明感が強まっている。

台湾・輸出受注(2014年5月)

 本日午後5時に5月の台湾・輸出受注が発表される。市場予想では前年比7.2%増と前月(同8.9%増)から鈍化するが、比較的高い伸びが見込まれている。台湾の輸出環境は緩やかではあるが改善傾向で推移している。仮に輸出受注の改善傾向が続けば、年後半の台湾輸出の拡大期待が盛り上がるだろう。ただ次回中銀会合でも台湾中銀は政策金利を1.875%で据え置くと思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月19日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。EMEA通貨が下落する一方、中南米通貨は比較的底堅い動きとなった。

 COPは対ドルで0.4%の上昇。第1四半期のコロンビアGDPは前年比6.4%増と市場予想を大きく上回り、前期も上方修正。同国カルデナス財務相はコロンビア景気の最悪期は終わったと発言。また同国当局はCOP高を抑制する手段を複数所持しているとし、為替市場での不均衡の是正策を模索しているとも述べた。

 RUBは対ドルで0.5%の上昇。5月のロシアPPIは前年比+8.9%と市場予想を上回り、2012年9月以来の高い伸び。ウクライナのポロシェンコ大統領は、政府軍が東部で実施している軍事作戦を一時停止し、親ロシア派の武装勢力に武装解除を呼びかける和平案を発表。しかし一部メディアはウクライナ東部での政府軍と親ロ派武装勢力との間の戦闘は依然として続いていると報道。NATOのラスムセン事務総長はロシアがウクライナとの国境付近に再び少なくとも数千人の部隊を増派していると述べた。米国のルー財務長官はウクライナ情勢がエスカレートした場合、米国はロシアに対する的を絞った追加措置を講ずる用意があると発言した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月19日)

 6月19日のロンドン市場はドルが軟調な推移。ドル円は101円台後半で上値の重い動き。ユーロドルは1.36ドル台前半での推移となった。日経平均先物は小幅マイナス圏での推移となったが、ドイツ株は寄り付きに大きく上げて始まった後も底堅く推移。ただ米債利回りは上値が抑えられたままでドルの重石となった。

 ポンドは上昇基調で推移。ポンドドルは東京市場終盤に1.70ドルを上抜け。ロンドン市場では1.70ドル台前半でじり高の推移となった。5月の英小売売上高は前年比3.9%増と市場予想を下回り、自動車を除くコア売上高も同4.7%増と市場予想を小幅下振れ。両指標とも前月分は下方修正された。ただ、その後発表された6月の英CBI製造業受注指数は+11と市場予想を大きく上回り6カ月ぶりの高水準を記録。英景気の拡大期待を強めた。

 ドルスイスは0.89台後半から0.89台前半に下落。スイス中銀は市場予想通り政策金利を0.00~0.25%に据え置き、1ユーロ=1.20スイスフランの上限策を維持。同中銀は声明で「必要なら無制限に外貨を購入し、一段の措置を講じる用意がある」とした。同中銀のジョルダン総裁は為替レートを守るためにマイナス金利を利用する可能性を排除しなかったが、当面は上限設定が適切なツールと述べた。また同中銀は2014年のインフレ見通しを0.0%から0.1%に小幅上昇修正した。

 NOKはノルウェー中銀の政策金利見通しの引き下げを受けて大きく下落。EUR/NOKは8.17ちょうど近辺から8.31ちょうど近辺に急上昇した。ノルウェー中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明で「分析からは主要政策金利はこれまでの予想より長期間、低水準にとどまることを示している。2015年末までは現在と同水準にとどまり、その後段階的に上昇する」との見方を示した。ただ同中銀のオルセン総裁は「国内経済見通しが一段と弱まれば利下げも視野に入る」と指摘。今回の会合では金利据え置き以外の検討はなかったが、ECBとスウェーデン中銀の利下げが中銀見通しを策定するうえで大きな要因だったとし、金利の先行きを注視した場合、25%かそれ以上の利下げの確率があるとの判断に至るだろうと発言した。

 NY市場ではドル買い戻しの動き。ドル円は101円台後半から102円ちょうど近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.36ドル台前半から1.36ドルちょうど近辺に下落した。米新規失業保険申請件数は31.2万件とほぼ市場予想通りの結果。ただ失業保険継続受給者数は256.1万件と市場予想を下回り、2007年10月以来の最低水準に低下した。その後発表された6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は+17.8と市場予想に反し前月から上昇。米雇用な
らびに景気が堅調に推移していることが示され、米債利回りは取引中盤から上昇基調で推移。ドル買いの動きも強まった。

 米債利回りは小幅上昇したものの、昨日の米FOMCを受けて米国での事実上のゼロ金利政策の継続観測が強まった様子。本日は米国で主だった経済指標の発表もないことからドル買いの動きが強まるとも考えにくい。本日東京市場でのドル円は様子見姿勢が強まると予想される。一方、ユーロはECBの追加緩和期待の後退を背景に下値は堅い動きとなる見込み。アジア通貨はドル円と同様に様子見姿勢が強まると思われる。

2014年6月19日木曜日

コロンビア・GDP(2014年第1四半期)

 本日午後11時に第1四半期のコロンビアGDPが発表される。市場予想では前年比5.2%増と前期(同4.9%増)から加速する見込みである。4月の同国小売売上高が前年比7.2%増と市場予想(同5.7%増)を上回ったように、第2四半期もコロンビア景気は堅調な推移を続けている模様である。

フィリピン・政策金利(現在3.50%)

 本日午後5時にフィリピン中銀は政策金利を発表する。Bloomberg調査によると、予測回答者18名中5名が25bpの利上げを見込み、残り13名は政策金利が3.50%で据え置かれると予想している。

 5月のフィリピンCPIは前年比+4.5%と市場予想(同+4.2%)を上回ったが、依然として目標レンジ(3~5%)の範囲内にある。第1四半期のフィリピンGDPは前年比5.7%増と2011年第4四半期以来の低成長となったこともあり、フィリピン中銀は政策金利を3.50%で据え置き、様子見姿勢を続けると思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月18日)

 新興国通貨は対ドルで上昇。FOMCを受けて新興国通貨を買い戻す動きが強まった。

 BRLは対ドルで1.5%の上昇。6月第2週のブラジルFIPE消費者物価は前月比+0.16%と市場予想を下振れ。6月のブラジルIGP-M(2次速報値)は同-0.64%と市場予想を上回る落ち込みとなった。ただ一方で6月の同国IPCAは前年比+6.41%と市場予想を上回った。

 ZARは対ドルで1.7%の上昇。5月の南アフリカCPIは前年比+6.6%と市場予想を上回り、2009年7月以来の高い伸び。ただ同月同国のコアCPIは同+5.5%と市場予想に反し前月と変わらずだった。同時に発表された第1四半期の同国経常収支はGDP比4.5%の赤字
と市場予想に反し前期より赤字のGDP比が縮小。ZARは南アフリカの対外収支の改善を受けて上昇基調で推移し、米FOMCを受けて上げ幅を広げた。

 PLNは同0.8%の上昇。5月のポーランド鉱工業生産販売は前年比4.4%増と市場予想を下回り、前月からも鈍化。同時に発表された同月同国のPPIは同-1.0%と市場予想を上回る落ち込みとなり、ポーランド中銀による追加利下げ観測を強める内容となった。

 RUBも同0.8%の上昇。5月のロシア鉱工業生産は前年比+2.8%と市場予想を上回り、前月から加速。6月16日の週のロシアCPIは一日平均+0.019%と3週連続で鈍化した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月18日)

 6月18日のロンドン市場はBOE議事録を受けてポンドが下落。ポンドドルは1.69ドル台後半から1.69ドル台前半に下落した。BOEは金融政策委員会(MPC)議事録(6月4、5日開催分)を公表。政策金利と資産購入枠の現状維持を9対0の全会一致で決定したことが判明。MPCは英経済の成長ペースは維持される可能性があり、スラック(たるみ)は従来予想より速く解消されるだろうと指摘。この観点から、金融市場の一部で示唆される年内の利上げ確率が比較的低い状況はいささか驚きだと付け加えられた。前回に引き続き金融政策の現状維持が全会一致だったことでBOEの早期利上げ期待がやや後退。ポンドを下押ししたが、ロンドン市場後半にBOEウィール委員は利上げが始まっても金融政策は景気に対して刺激であり、BOEは市場予想より早く利上げする必要がある可能性があると発言。BOEの利上げ開始以降は強いとの思惑が再び強まった。

 ユーロドルは1.35ドル台半ば近辺から1.35ドル台後半に上昇基調で推移。4月のユーロ圏建設支出は前年比8.0%増と2007年3月以来の高い伸びとなり、前月分も上方修正。ユーロ買い戻しの動きを後押しした。

 ドル円は102円台前半で小動き。ドイツ株、日経平均先物はともに底堅く推移。ただ米FOMCの結果発表を控えドル円は様子見姿勢が強かった。

 NY市場は米FOMCを受けてドルが小幅下落した。第1四半期の米経常収支は1112億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回り、前期分も赤字額が上方修正され、ドルは軟調な推移。ドル円は102円台前半で上値の重い動き。一方、ユーロドルは1.35ドル台後半で下値を切り上げる推移となった。取引中盤に入りドルを小幅買い戻す動きもみられたが、米FOMCを控えドル円、ユーロドルともに動意に欠ける展開が続いた。

 FOMCは資産購入額を7月から現行の月額450億ドルから350億ドルに減額することを全会一致で決定。声明は米経済活動について、前回(4月末の)FOMC以降の米景気指標を踏まえ、「ここ数カ月間で再び上向いた」と指摘。緩やかな景気回復と雇用改善が続くとの見通しを維持した。同日改定された中期経済見通しで2014年の米GDP成長率は2.1~2.3%と、3月時点予測(2.8~3.0%)から下方修正。ただ2015、16両年の成長率見通しは据え置かれた。FRBイエレン議長は会見で今回の成長率下方修正は、異例の寒波による年初の急激な落ち込みによるものと説明。資産購入額の縮小は慎重なペースで継続される公算。失業率予想の中心は前回より下がったが高止まりしていると指摘。住宅市場の回復鈍化は信用度の低い借り手による融資獲得の困難さが一因とし、賃金・給与の伸びは極めて抑制されていると述べた。また、声明で示された「当面の期間(considerable period)」を定義する機械的な数式(formula)はないと言明し、利上げ再開の時期について「実際の米経済の進展次第だ」と述べ、明言を避けた。ただ、出口戦略については、「今年後半にFOMCが原則をまとめたい」とし、保有債券を担保にしたリバース・レポなど様々な市場調節手段を検討中だと述べたが「政策パッケージは決まっていない」と強調した。

 FOMCならびにFRBイエレン議長の会見が終わると、米債利回りは低下基調で推移。ドルも上値が重くなり、ドル円は102円割れ。ユーロドルは1.35ドル台後半とこの日の高値圏を維持した。

 ポンドドルはFOMCを受けて一時1.70ドルちょうど近辺に上昇。引けにかけて1.69ドル台後半に小幅下落したが下値は堅かった。次期BOE理事に指名されているフォーブス氏は、英景気は回復を始めていると述べ、BOEが緩やかに景気刺激策を後退させているのは合
理的と思われると発言。BOEによる資産購入が長期にわたりすぎるリスクが生じている可能性があるとも述べ、今後3年間でのBOEのチャレンジは現在の景気回復を損なわずに金融政策の正常化のプロセスを続けることだろうと発言した。

 米FOMCを受けてS&P500は過去最高値を更新。一方で米債利回りは低下し、市場のリスク選好姿勢が強まる展開となった。日本株も上げて始まる可能性が高いものの、米債利回りの低下がドルの重石になると思われ、本日東京市場でのドル円は方向感に欠ける展開が予想される。一方、ユーロはEONIAの低下一服と欧州債買いの動きを背景に底堅い動きが予想され、アジア通貨は対ドルで買い優勢となる見込み。

2014年6月18日水曜日

ポーランド・鉱工業生産(2014年5月)

 本日午後9時に5月のポーランド鉱工業生産が発表される。市場予想では前年比+5.9%と前月(同+5.4%)から加速し、昨年12月以来の高い伸びとなる見込みである。ポーランド景気の回復基調は続いているが、ポーランド中銀のベルカ総裁と同国内務相との会話の暴露で同中銀が利下げを検討し始めているとの見方が強まっている。20日には同中銀会合の議事録(6月3日開催分)が公表される。

ブラジル・IPCA(2014年6月)

 本日午後9時に6月のブラジルIPCAが発表される。市場予想では前年比+6.35%と前月(同+6.31%)並みの伸びが見込まれている。ブラジルの消費段階の物価は卸売り段階の物価が低下していることから近いうちに鈍化するだろう。このためブラジル中銀は当面、政策金利を11.00%で据え置くことができる。

 日本時間本日早朝に開催されたサッカー・ワールドカップのブラジル対メキシコは0-0の引き分け。ともに1勝1分けで勝ち点4となった。

南アフリカ・CPI(2014年5月)、経常収支(2014年第1四半期)、小売売上高(2014年4月)

 本日午後5時に5月の南アフリカCPIと第1四半期経常収支が発表される。CPIは前年比+6.5%と前月(同+6.1%)から加速する見込み。経常収支はGDP比6.0%の赤字と前期(同5.1%の赤字)からGDP比が上昇する見込みである。なお、本日は午後8時に4月の同国小売売上高も発表される。こちらは前年比1.7%増と前月(同1.0%増)から加速する見込みだが、伸びは低いままである。

 先週末、S&Pは南アフリカ格付けを従来の「BBB」から「BBB-」に1段階引き下げ、見通しを「安定的」とした。同社は格下げの理由として、さえない内需や外需に加え、鉱山ストの長期化で第2四半期の成長が阻害される可能性が高いためと説明した。高インフレ、低成長、社会不安、経常赤字の拡大といった南アフリカの弱いファンダメンタルズはZARの重石となり続けるだろう。

タイ・政策金利(現在2.00%)

 本日午後4時半にタイ中銀は政策金利を発表する。Bloomberg調査では予測回答者22名のうち3名が25bpの利下げを予想しているが、残り全員は政策金利が2.00%で据え置かれるとみている。タイ景気は低迷を続けているほか、タイ軍によるクーデターで先行き不透明感が強まっていることが利下げ予想の背景にある。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月17日)

 新興国通貨は対ドルで下落。欧米株は上昇したものの、米債利回りの上昇が嫌気され、新興国通貨は前日に引き続き軟調な動きとなった。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。この日はサッカー・ワールドカップでブラジルがメキシコと対戦するためBRL取引は午前のみの短縮取引となった。ブラジル対メキシコ戦の結果は日本時間午前6時前には判明する予定。前半はスコアレスで、前半終了間際にブラジル
のラミレスにイエローカードが出た。6月8~15日のブラジル貿易収支は8.37億ドルの黒字と黒字基調を維持。景気低迷を背景とした輸入の伸び悩みが目立った。

 COPは同0.7%の下落。4月のコロンビア小売売上高は前年比7.2%増と市場予想を上回ったが前月からは減速。同月同国の鉱工業生産は同-2.2%と市場予想を小幅下回り、5カ月ぶりの前年割れとなった。

 RUBは対ドルで0.5%の下落。第1四半期のロシアGDPは前年比0.9%増と市場予想通り速報値から変わらず。ロシア中銀は市中銀行の流動性不足に対応するため2兆RUBを追加拠出する意向を表明。またRUB相場への介入規模を1億ドル縮小したことも発表した。ドイツ
のシュタインマイヤー外相は、ウクライナをめぐる状況が悪化する中、来週のEU首脳会議で対ロシア追加制裁問題について話し合う可能性があると述べた。ウクライナ東部でロシアの天然ガスを欧州に送るパイプラインの一つが爆発・炎上。ウクライナ内務省はテロの可能性もあるとみて捜査を始めた。ロシアの天然ガス独占企業ガスプロムは欧州へのガス供給に影響はないと説明した。

 PLNは同0.3%の下落。5月のポーランド平均総賃金は前年比4.8%増と市場予想を上回り、前月から加速。一方、同月同国の雇用者数は同0.7%増と市場予想を下回り、伸び悩む格好となった。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月17日)

 6月17日のロンドン市場はドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は102円ちょうど近辺、ユーロドルは1.35ドル台後半でそれぞれ推移した。ドイツ株、日経平均先物はともに取引序盤に小幅上昇したが、その後は上値の重い動き。米債利回りは小動きに終始するなど、市場の慎重な姿勢は続いた。6月のドイツZEW景況感指数は29.8と市場予想を下回り、6カ月連続の低下となったが、現状指数は67.7と8カ月連続で上昇したこともあって市場の反応は限定的だった。

 ポンドは底堅い動き。ポンドドルは5月の英CPIを受けて1.69ドル台後半から1.69ドル台前半に急落したが、その後は買い戻しの動きが続き、引けにかけては1.69ドル台後半と英CPI発表前の水準に反発した。5月の英CPIは前年比+1.5%と市場予想を下回り、2009年10月以来の低い伸び。ただハト派で知られるBOEマイルズ委員が一部メディアとのインタビューで残り11カ月の自らの任期中に利上げに賛成することを示唆。BOEが来年第1四半期に利上げするとの見方が大きく後退することはなく、ポンドは底堅い動きとなった。

 NY市場は5月の米CPIを受けてドルが上昇したが、その後は小動きが続いた。5月の米CPIは前年比+2.1%と市場予想を上回り、2012年10月以来の高い伸びを記録。同月同国のコアCPIは同+2.0%と昨年2月以来の2%台となるなど、米国のインフレ圧力の強まりを
示唆する内容となった。米CPIを受けて米債利回りが上昇し、ドル円は102円ちょうど近辺から102円台前半に上昇。しかし米CPIと同時に発表された5月の米住宅着工件数は前月比6.5%減、同月同国の住宅建設許可件数は同6.4%減といずれも市場予想を上回る落ち込
みとなり、前月分も下方修正。米債利回りは取引中盤以降も底堅く推移したが、ドル買いの動きが強まることもなく、ドル円は取引中盤以降も102円台前半での小動きを続けた。

 ユーロドルは米CPIを受けて1.35ドル台後半から1.35ドル台前半に下落。ただ、ドル円と同様に取引中盤以降は1.35ドル台前半での小動きとなった。ECB追加緩和観測の後退を背景にユーロは比較的底堅い動きとなった。

 欧米株は上昇し、米債利回りも持ち直し。ただ日本時間明日未明の米FOMC発表を控え市場は動きが取りにくい様子。本日東京市場では、ドル、ユーロともに様子見姿勢が強まりそうだ。アジア通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなる見込み。

2014年6月17日火曜日

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月16日)

 新興国通貨は対ドルで売り優勢の動きが継続。米債利回りが小幅反発したほか、IMFが米成長率見通しを下方修正。市場のリスク回避姿勢を背景に新興国通貨は軟調な動きとなった。

 BRLは対ドルで0.4%の下落。6月前半のブラジルIPC-Sは前月比+0.36%と市場予想や前月を下回る伸び。ブラジル中銀の週次サーベイでもIPCA、IGP-DIの両見通しが下方修正。ブラジルのインフレ圧力の後退観測が強まった。

 COPは同0.4%の下落。コロンビアの大統領選・決選投票では現職のサントス氏が得票率約51%で再選。右派でウリベ前大統領が支持したスルアガ元財務相の45%を上回った。新たな任期は8月に始まり、期間は4年。サントス氏はボゴタ市内で勝利宣言し「国の方向を決める重要な選挙だった。平和への時だ。長い対立を終わらせる時だ」と、左翼ゲリラとの和平交渉推進を強調した。

 CLPは対ドルで0.2%の上昇。チリ中銀は金融政策レポートを公表。今年のインフレ見通しは3月時点の3.0%から4.0%に上方修正された一方、GDP見通しは従来の3.0~4.0%から2.5~3.5%に下方修正された。

 RUBは対ドルで0.7%の下落。ロシア中銀は主要政策金利(1週間物入札レポレート)を市場予想通り7.50%で据え置き。同中銀は声明で、金融政策の景気への効果は時間とともに表れることを考えると、インフレ率が2014年に目標とする5%まで鈍化する可能性は低いとし、景気減速は主に人口動態上の傾向や高水準の生産設備稼働率などの構造的問題を要因としているため、インフレへの抑制効果はほとんどないとした。また同中銀はインフレ率が目標を上回るリスクは短期だけでなく中期的にも大きいとし、中期インフレ目標の達成が脅かされるのならば、中銀は引き続き主要金利を引き上げるとした。

 TRYは同1.1%の下落。トルコ中銀のバシュチュ総裁は同国インフレは6月から鈍化し始め、経常赤字の改善は続くと発言。利下げが続けられる可能性があるとし、小刻みな利下げとして25bp、50bp、75bpの利下げが実施されるだろうとした。一方、同中銀は必要であれば利上げに踏み切るとし、これまでのTRY安がトルコのインフレを3%pt押し上げたとの認識を示した。

 PLNは同0.4%の下落。ポーランド現地メディアは14日、同国中銀のベルカ総裁が同国内務相とのレストランでの会話で、仮に同国財務相が解任されれば政府を支援する意向を示したとする会話テープを暴露。中央銀行の独立性を阻害したとして同総裁を解任すべきとの意見が出ていたが、同国タスク首相はベルカ総裁は辞任する必要がないと言明した。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月16日)

 6月16日のロンドン市場はドルの上値が重い動きとなった。ドル円は取引序盤に102円ちょうど近辺まで上昇した後は、101円台後半にじり安の動き。一方、ユーロドルは1.35ドル台前半でじり高の推移となった。ドイツ株は小幅マイナス圏での推移。日経平均先物は取引序盤こそ小幅高だったが、後半にはやはりマイナス圏に下落。米債利回りは小動きでの推移となった。この日のロンドン市場では注目を集める経済指標の発表もなく、市場の慎重な姿勢は強いまま。総じてみれば動意に欠ける展開といえた。

 NY市場でもドルの上値は重く推移。ドル円は101円台後半での揉み合いが続いたが、ユーロドルは1.35ドル台前半から1.35ドル台後半に上昇した。6月のNY連銀製造業景況指数は19.28と市場予想や前月を上回る好結果。その後発表された5月の米鉱工業生産も前月比+0.6%と市場予想を上回り、前月分も上方修正され、6月の米NAHB住宅市場指数は49と市場予想を上回り5カ月ぶりの高水準を記録した。ただ4月の対米証券投資では海外投資家による米中長期債が242億ドルの売り越しと市場予想に反し4カ月ぶりの売り越し。米経済指標の結果がマチマチだったこともあって、米債利回りの上昇も限定的。ドルはロンドン市場に引き続き上値の重い動きとなった。

 一部メディアはECB当局者二人が明かしたとして、ECBが今後数カ月、新たな景気刺激パッケージは打ち出さない公算だと報道。ユーロの買い戻しを後押しした。

 IMFは今年の米成長率見通しを4月時点の2.8%から2.0%に下方修正。第1四半期のマイナス成長が反映された。さらにIMFは米国の完全雇用の回復は2017年末まで見込めないとし、FRBが事実上のゼロ金利を維持することが可能になるとの見通しを示した。

 FRBは先週の米上院での承認を受けてフィッシャー氏を副議長とし、ブレイナード前財務次官、パウエル氏の両名をFRB理事とした。

 米経済指標は引き続き同国景気の拡大基調を示しているが、IMFの米成長率見通しの下方修正で、市場のリスク選好姿勢は後退したまま。イラク情勢に改善の兆しも見えず、19日未明にはFOMCの結果発表を控えていることもあって、市場は慎重な姿勢を続けている。本日東京市場でもドル円は方向感に欠ける動きとなりそうだ。一方、ユーロはECB追加緩和期待の後退を背景に底堅い動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで軟調な推移が予想される。

2014年6月16日月曜日

23日の中銀会合では金利据え置きと思われるイスラエル

 イスラエル中銀は23日、政策金利を発表する。Bloomberg調査によると予測回答者12名中6名が25bpの利下げ(政策金利は0.50%)を見込み、残り6名は金利据え置き(同0.75%)を見込んでいる。なお筆者は、今回の会合での利下げは見送られると予想している。

 イスラエルのインフレ圧力は弱いままである。本日未明に発表された5月のイスラエルCPIは前年比+1.0%と市場予想(同+1.1%)を下回り、前月と同じ伸び。変動が大きいフルーツ、野菜、家賃を除いたコアCPIは同+0.5%と5カ月連続で1%を割り込んでいる。

 一方、ILSは堅調な推移を続けている。イスラエル中銀のフラッグ総裁は5月20日、ILSの目標水準を設定することは投機筋を呼び寄せる可能性があると発言。イスラエル当局がILS高を懸念しているとの見方から、USD/ILSは3.45台前半から3.48台前半へとILS安方向に上昇。翌21日には3月末以来となる3.49台後半まで上昇した。ただ、その後のILSは買い戻し基調での推移。先週末(13日)は一時3.45を割り込み、フラッグ総裁の発言前の水準に戻した。

 イスラエル経済は典型的な輸出主導型であり、輸出動向が景気に大きな影響を及ぼす。イスラエルの輸出は前年比3.8%増と増勢を維持しているが、昨年10月から今年2月にかけての二桁増からは鈍化。全輸出から船舶、航空機、ダイヤモンドを除いたコア輸出は同3.5%減と2カ月連続の前年割れ。イスラエルの主な輸出先である欧米景気は堅調に推移しており、定着したILS高が輸出を抑制している可能性が高い。

 今週改定される第1四半期のイスラエルGDPは前年比年率2.3%増と速報値(同2.1%増)から小幅上方修正される見込みだが、前期(同2.9%増)からは減速。4月、5月の輸出の落ち込みを考慮すると、第2四半期の成長率がさらに減速する可能性もある。

 23日の会合での利下げを見込む声があるのは、インフレ圧力の弱さならびに景気減速の恐れを考慮しためだろう。ただ、両者の根源ともいえるILS高は、金利高によるものとは考えにくく、イスラエルの格付けの高さや黒字基調である経常収支、低いインフレなどによるものと思われ、25bpの利下げをしたところでILS高が大きく解消されることは考えにくい。

 むしろイスラエル中銀は、いずれくるであろうインフレの高まりに注意を払いつつあるように思える。4月の同国失業率は5.6%と2012年の統計開始以来の最低水準。4月28日の会合議事録では金利据え置きは賛成5反対1での決定で、反対は利上げを主張していたことが判明している。イスラエル経済はインフレの弱さと景気への懸念の両点を懸念すべき状況にあるとはいえ、2月に実施した25bpの利下げの影響を見極めたいとの見方もあり、今回会合での利下げは市場関係者が見込むほど確度の高いものではないように思われる。

ロンドン・NY市場の新興国通貨(2014年6月13日)

 新興国通貨は対ドルで売り優勢の動き。米債利回りが底堅く推移したことが新興国通貨の下押し圧力を強めた。

 BRLは対ドルで0.3%の上昇。4月のブラジル経済活動指数は前月比+0.12%と市場予想を上回り、前月分も同-0.11%から+0.05%に上方修正。ブラジル景気の回復期待が強まった。なお、サッカー・ワールドカップでブラジルがクロアチアと対戦し3-1で勝利。ブラジルチームは前半にオウンゴールで失点したが、その後はネイマールが決めて同点。後半71分にネイマールがPKを決めて勝ち越し、終了間際にはオスカルがミドルシュートを決めた。

 CLPは対ドルで0.4%の下落。チリ中銀は市場予想通り政策金利を4.00%に据え置き。同中銀は声明で前回会合と同様にインフレ動向に注視しながらも追加利下げの可能性を検討する可能性があるとした。

 COPも対ドルで0.4%の下落。第1四半期のコロンビア土木工事支出は前年比25.4%増と2010年6月以来の高い伸び。5月の同国消費者信頼感は23.2と市場予想を上回り、3カ月連続で上昇した。

 PENは対ドルでで小幅上昇。ペルー中銀も市場予想通り政策金利を4.00%で据え置き。同中銀は声明で金利据え置きは同国CPIが目標レンジに回帰するとの見通しに基づくものと説明。供給要因からのインフレ圧力は中度程度であり、必要に応じて追加緩和に進む準備はできたと言明。利下げ実施の可能性を示唆した。

 PLNは対ドルで0.2%の下落。4月のポーランド経常収支は10.28億ユーロの黒字と市場予想を上回り、2000年の統計開始以来最大の黒字を記録。貿易黒字の拡大が経常収支の改善に寄与した。一方、5月の同国CPIは前年比+0.2%と市場予想に反し前月から鈍化し、昨年6月と同様に過去最低水準を記録。ポーランド中銀による利上げ開始期待を後退させる内容となった。

 ZARは対ドルで変わらず。フィッチは南アフリカ格付け「BBB」見通しを「ネガティブ」に引き下げ。同社は同国のさえない成長見通しや公的債務の拡大が格付けの圧迫要因と指摘した。S&Pは同国格付けを従来の「BBB」から「BBB-」に1段階引き下げ、見通しを「安定的」に。同社は格下げの理由として、さえない内需や外需に加え、鉱山ストの長期化で第2四半期の成長が阻害される可能性が高いためと説明した。

 ILSは対ドルで小幅上昇。5月のイスラエルCPIは前年比+1.0%と市場予想に反し前月と変わらず。イスラエルのインフレ圧力の弱さが改めて示された。

ロンドン・NY市場の主要国通貨(2014年6月13日)

 6月13日のロンドン市場はユーロが下落。ユーロドルは1.35ドル台後半から1.35ドル台前半に下落した。ドイツ株が下落し、EONIAは過去最低を更新。4月のユーロ圏貿易収支が157億ユーロの黒字と市場予想を下振れしたこともユーロの下押し材料となった。

 ドル円は取引前半に102円ちょうど近辺から101円台後半に下落したが、中盤以降は持ち直し、引けにかけては再び102円ちょうど近辺での推移。金融政策決定会合後の会見で、日銀・黒田総裁は追加緩和期待を高める材料を示さず。イラクでの政府と武装勢力との衝突激化との報道もあり、ドル円は円買い優勢となったが、日経平均先物、米国株先物はともに下げ渋り。ドル円は下値の堅い展開となった。

 NY市場ではドル、ユーロともに方向感に欠ける動き。ドル円は102円ちょうど近辺、ユーロドルは1.35ドル台前半での推移が続いた。5月の米PPIは前年比+2.0%と市場予想に反し前月から鈍化。コア指数は同+2.0%と前月より加速したが、前月比では-0.1%と総じて弱く、米利上げ期待を後退させる内容といえた。ただ米債利回りはPPI発表後に上昇。ドルは底固い動きとなったが、その後発表された6月のミシガン大消費者信頼感は81.2と市場予想に反し前月から低下。米債利回りは一転して上昇幅を縮める動きとなり、ドルは上値の重い動きとなった。

 ポンドは方向感に欠ける動きとなり、ポンドドルは1.69ドル台後半での推移が続いた。S&Pは英国格付け「AAA」の見通しを従来の「ネガティブ」から「安定的」に引き上げ。同社は見通し変更の理由として、英国経済が力強く広範にわたって回復しているとの認識、そして政府の財政再建が一段と進んでいる状況を反映している、と説明した。

 米オバマ大統領はイラク情勢について空爆の可能性を引き続き排除しなかったものの、米地上部隊のイラクへの派遣は考えていないと言明。ただイラクでの政府軍とイスラム武装勢力との間の衝突は続いたまま。ウクライナ東部での事実上の内戦も継続。ウクライナ東部のルガンスクで親ロ派武装勢力は同国軍輸送機を撃墜。一部メディアによると搭乗の49名全員が死亡した。イラク、ウクライナ両国に対する市場の関心は今のところさほど強くないものの、市場のリスク選好姿勢を抑制しているのも事実。また米景気の拡大基調は確認されているものの、米債利回りの上値は抑えられたまま。本日東京市場でのドル円は引き続き様子見姿勢が続くと思われる。一方、ユーロはEONIAの低下がじわじわと効いている状況。ただ一方でECB追加緩和期待を背景に欧州債買いの動きも継続。ユーロは下値が堅いものの上値も抑えられやすく、方向感に欠ける展開となりそうだ。アジア通貨は本日アジア各国で主だった経済指標の発表予定が少なく様子見姿勢が続く見込み。