2015年2月23日月曜日

為替と賃金次第だが利下げ見送りの可能性が高まってきたメキシコ

 昨年第4四半期のメキシコGDPは前年比2.6%増と市場予想通りの伸びとなり、3期連続の加速となった。業種別にみると、建設業が同5.9%増、製造業が同4.6%増と成長率をけん引。一方で、教育や医療は1%を下回る伸び。政府も同1.9%増と前期から減速するなど、非製造業の弱さが目立った。

 メキシコでは製造業と非製造業の乖離が目立っている。IMEF指数を見ても、1月は製造業が50.9とかろうじて50を上回る一方、非製造業は49.15と2カ月連続で50割れとなり、2009年6月以来の低水準を記録した。

 製造業が底堅い動きを示す背景の一つに外需の立ち上がりがある。昨年12月の鉱工業生産は前年比+3.0%と9カ月ぶりの伸び。輸出が同6.4%増と加速しており、内需の不振をカバーしたと思われる。一方、非製造業は名目賃金の伸び悩みが重石となっている。

 こうしたことから筆者は、インフレ鈍化が強まれば、メキシコ中銀が内需刺激を目的に利下げする可能性もあるとみていた。しかし、MXNの下落が製造業だけでなく非製造業もサポートする可能性が出てきた。

 昨年12月の海外労働者送金は前年比18.8%増と市場予想を大きく上回る伸び。送金件数が同11.6%増と急増したほか、平均送金額も同6.4%増と2011年9月以来の高い伸びとなった。昨年12月はMXN安が進んだ月。MXN安メリットを享受しようと、海外労働者が送金を増やした可能性がある。今年のMXNは、対ドルで14.4~15.2と昨年第1四半期の水準から10%程度下落したまま。今後も海外労働者送金は、MXNが大きく買い戻されることでもない限り、堅調な伸びが続くと思われる。

 メキシコ政府による緊縮財政路線も当面は強まることはなさそうだ。メキシコ政府は1月30日、原油安を理由に2015年予算の歳出を2.6%(GDP比0.7%)削減する緊縮策を発表。ただメキシコ政府に対する国民の不信感は強まっており、ペニャニエト大統領の支持率は40%台にまで低下。今年7月にはメキシコ総選挙を控えていることもあり、与党PRIは総選挙終了まで追加緊縮策を見送る意向を示しているとの報道が増えている。

 名目賃金は4%台前半で伸び悩んでいるが、CPIは原油安を受けて3%ちょうど近辺まで鈍化。1月の実質賃金は前年比1.1%増と2013年8月以来の伸びに加速した。このためか、1月のANTAD既存店売上高は前年比5.5%増と急増した。

 MXNの水準が変わらず、名目賃金が4%台を維持できるようであれば、筆者の見立てとは異なり、たとえインフレが鈍化したとしてもメキシコ中銀は利下げを見送り続けると考えるのが自然だろう。ただ、予想外のインフレ加速でもない限り、一部で指摘されている利上げは、MXNの買い戻しを促しかねず、今年はないと考えるのが合理的と思われる。

 

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