2015年3月9日月曜日

景気低迷でも家計債務の増加で利下げが難しい韓国

 韓国中銀は12日、政策金利を発表する。Bloomberg調査によると、予測回答者16名中15名は金利据え置きを予想。25bpの利下げを見込むのはたった1名である。筆者も大方の予想と同じで韓国中銀は政策金利を2.00%で据え置くとみている。

 韓国の景気指標をみれば、韓国中銀が利下げに踏み切るのも不思議ではない。1月の韓国鉱工業生産は前年比+1.80%と市場予想や前月を上回ったが、前年同月が-4.3%もの落ち込みを記録しただけに反動の域を出ず。前月比では-3.7%と昨年11月~12月の上げを帳消しにした。輸出が1月、2月と2カ月連続の前年割れとなるなど、昨年後半に韓国景気を下支えした外需は、ここにきて軟調な動きとなっている。一方、内需は1月のディスカウントストア売上高が前年比18.3%減と大幅減。前年同月が大きく伸びた(前年比18.6%増)影響があったとはいえ、同月の百貨店売上高も同11.0%減と大きく落ち込んだことも考えると、韓国内需も低迷が続いているとみていいだろう。

 物価面でもディスインフレが続いている。2月の韓国CPIは前年比+0.5%と市場予想や前月を下回り、1999年7月以来の低水準。コアCPIも同+2.3%と小幅ながら前月から鈍化。韓国の実質金利を高止まりさせ、韓国景気を下押ししているとの指摘もある。

 ただ韓国中銀が懸念を続けている家計の債務残高は依然として拡大基調にある。昨年末の韓国家計の債務残高は前年比6.6%増の1089兆ウォンと過去最高を更新した。昨年7月に韓国政府は住宅ローンの貸出上限規制を全国・全金融機関で統一。これまで上限が低かった銀行にとっては上限引き上げの結果となった。

 また韓国中銀は昨年8月と10月に政策金利をそれぞれ25bp引き下げ。この結果、韓国の銀行住宅ローンは急拡大し、今年1月は前年比12.0%増と2007年3月以来のペースに加速した。

 韓国ではディスインフレということもあって金利は低下気味。住宅価格も昨年より上昇基調で推移しており、韓国家計の債務拡大は問題視されていない。しかし、家計債務残高が現在のペースで拡大を続ければ、金利上昇や住宅価格の下落を機に問題が一気に表面化することになる。米国景気の拡大やドル高基調が続く以上、韓国中銀は家計の債務残高を注視した金融政策運営を続けると思われる。

 

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