2015年3月2日月曜日

安め誘導が視野に入る中国・人民元(CNY)

 中国人民銀行は2月28日、貸出基準金利を5.35%、1年物預金基準金利は2.50%にそれぞれ25bp引き下げると発表した。利下げは昨年11月に続き2度目。2月4日には預金準備率を50bp引き下げ19.50%とした上での利下げであり、中国の金融緩和姿勢が強まっていると判断される。
        
 これまで金融緩和に慎重な姿勢を続けてきた中国が、一転して金融緩和姿勢に転じたのは、中国景気の減速が長期化の様相を強めているからだろう。1月の中国輸出は前年比3.3%減と市場予想に反し10カ月ぶりの前年割れ。中国旧正月の影響が出た可能性を考慮しても弱い結果だ。本日発表された2月のHSBC製造業PMI(改定値)は50.7と市場予想を上回り、3カ月ぶりの50越えとなったが、昨日発表された同月同国製造業PMIは49.9と前月(49.8)からほぼ変わらず。内訳をみると、雇用は47.8と2013年2月以来の低水準。新規輸出受注は48.5と5カ月連続の50割れとなっている。

 ただ今回の利下げで中国景気が早期に持ち直すとの見方は強まっていない。中国景気の先行き期待と連動が強いとされる豪ドルは、週明けこそ買い先行となったが一時的で、日本時間朝方は一転して下落基調が続いた。中国の内需動向に反応すると考えられる原油先物価格も本日は目立った反応を示していない。

 2度の利下げが実施されたとしても、過剰設備問題に苦しむ中国企業が設備投資を積み増すとは考えにくく、不動産市況も持ち直すとは期待しにくい。一方で中国の賃金上昇は続いており、中国の輸出競争力は低下している。個人消費が設備投資や輸出の両者の落ち込みをカバーし、中国景気全体をけん引するにはしばらく時間がかかるとの見方が大勢だろう。    

 中国では今月5日から15日まで年に1度の全国人民代表大会(全人代)が開催されるが、今年の経済成長率目標が7%と明示されるか、それとも7%前後と幅を持たせるのかも注目される。仮に7%と明示されれば、目標を死守すべく、中国当局(習近平体制)がこれまでの姿勢を一転させ、景気対策を積極化させるとの期待も盛り上がりやすくなる。この場合、中国当局は、財政支出を拡大させるとともに金融緩和路線を強化するのだろう。預金準備率の引き下げや利下げは今後も続くと予想される。     

 これまであまり注目されなかった元安誘導策の強化も(当然)視野に入れるべきだろう。本日のUSD/CNYは6.27台と2012年10月半ば以来の元安水準に達した。中国の賃金上昇が輸出競争力を阻害しているのであれば、元安誘導は輸出をサポートする即効性のある施策でもある。USD/CNYの次の節目は6.30、6.35、6.40となる。





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