2015年4月17日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年4月16日)

 4月16日のロンドン市場はドルが下落。ドル円は119円台前半から119円ちょうど近辺に下落基調での推移となった。ロンドン市場に入り米債利回りは低下基調での推移。欧州株、日経平均先物も取引後半に入り下げ幅を広げるなど、市場のリスク選好姿勢も後退。ドル円は東京市場での上げ幅を縮める展開となった。

 ユーロドルは取引前半に1.06ドル台後半から1.06ドル台前半に下落したものの、中盤には下げ止まり、後半は1.07ドル台前半まで上昇基調での推移。一部メディアはギリシャ当局者が今月の交渉の中で、同国の資金が底を突きIMFへの支払いができない可能性があると債権者側に述べたと報道。IMFにも融資返済の先延ばしを非公式に申し入れたが、IMFから拒否されたとも報じられた。前日にS&Pがギリシャ債格付けを「CCC+」に格下げしたこともあり、ギリシャのデフォルト・ユーロ圏離脱懸念は強まる展開。ドイツ債利回りが低下したこともあって、ユーロは取引前半に売り優勢となったが、その後のドル売りの流れは対ユーロにも波及し、ユーロドルは東京市場の高値水準を回復した。


 NY市場はドルが対欧州通貨中心に売り優勢の展開となった。3月の米住宅着工件数は92.6万戸と市場予想を下振れ。同時に発表された同月同国の住宅建設許可件数は前月比5.7%減と市場予想を上回る減少幅となり、米住宅市場の回復の遅れが示された。米新規失業保険申請件数は29.4万件と市場予想や前週を上振れた。ただ、米経済指標が弱かった割には米債利回りの反応は限定的。ドル円は取引序盤に達した119円台前半から119円ちょうど近辺に小幅下落したが下値は堅い動きとなった。その後発表された4月のフィラデルフィア連銀製造業指数は7.5と市場予想や前月を小幅上振れ。米債利回りが上昇基調に転じたこともあって、ドル円は取引中盤には119円台半ば近辺と、この日の高値圏まで上昇した。一方、ユーロドルは、米住宅着工件数を受けて一時1.07ドル台半ば近辺に小幅上昇。フィラデルフィア連銀製造業指数の発表後は1.07ドルちょうど近辺に下落した。

 しかし取引後半に入ると、上昇した米債利回りは再び低下基調での推移。ドル円は一転して下落基調での推移となり、取引終盤には118円台後半と、この日の安値圏まで下落。ただ引けにかけては米債利回りが下げ止まったことで119円ちょうど近辺まで反発した。

 一方、ユーロドルは1.08ドルちょうど近辺まで上昇。終盤には上値が重くなり、1.07ドル台後半で下落基調での推移となった。ギリシャ財務省がは第1四半期の同国中央政府の基礎的財政収支が17.4億ユーロの黒字となったと発表。しかし、IMFのラガルド専務理事はギリシャの返済遅延を認めいないと発言。欧州委員会の報道官はギリシャと債権団との間の協議の進展に満足していないと発言。24日のユーロ圏財務相会合までに両社が合意に向けた作業を強化する必要があるとの認識を示した。

 クリーブランド連銀のメスター総裁は講演で、第1四半期に減速した米景気は第2四半期以降、力強さを増し、年率3%成長が予想されると発言。今後数カ月の米経済指標が米景気の減速が一時的なものだったか否かを判断するのに役立つとし、減速が一時的との見方が確認されれば、比較的早い利上げが心地良いと述べた。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、ロンドンでの講演で、利上げ開始に十分な自信を持つためには経済指標の改善が必要と発言。弱さが目立つ最近の統計の数値が回復するのを待つ必要があるとの認識を示した。アトランタ連邦準備銀行のロックハート総裁は6月の利上げを選択肢から外さないと述べたものの、利上げは少し早いよりも少しばかり遅い方が望ましいと発言した。

 米ベージュブックの公表もあって各米地区連銀総裁は様々な発言をしたが、総じてみれば、米利上げ開始時期は年後半に先送りされる可能性を示唆する内容。米住宅着工件数からも示されたように悪天候後の米景気の回復ペースは緩慢なまま。米債利回りの上値は抑えられたままで、ドル買いの動きは強まりにくい。本日東京市場でもドル円は上値の抑えられる展開が予想される。一方、ユーロはドルの上値が重いこともあって、一見堅調に見えるが、24日のユーロ圏財務相会合までにギリシャと債権団が合意に達するとの期待は後退を続けており、ギリシャのデフォルト・ユーロ圏離脱懸念が強まる状況。ギリシャ情勢の先行き懸念が強まることで、ユーロは大きく売られる可能性を秘めている。アジア通貨は原油先物価格の上昇が重石となるものの、対ドルでは底堅い動きとなりそうだ。

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