2015年7月10日金曜日

景気を確認するための経済指標(3)

雇用

 景気の良し悪しを判断する基準の一つに雇用があります。雇用とは「雇って用いる」の言葉通り、会社が人を雇って労働してもらうことです。雇用が良い、ということは、会社で働く人が多い、という意味になります。

 雇用の良し悪しは、人々の気持ち(マインド)に影響します。働く人が増えれば、社会に活気が生まれ、より多くの買い物(消費)をすることに前向きになります。逆に自分や周りの人々がリストラされ失業の身となれば、将来に備えて、買い物(消費)を手控える気持ちが強まるでしょう。

 結果として、雇用の良し悪しは景気にも大きな影響を与えます。雇用が良くなることは、消費者の気持ちが前向きになるだけでなく、会社から給料をもらう人が多いことを意味しますので、消費が増えることになります。消費が増えれば、企業の売り上げや利益が増え、企業はより多くの人を雇ったり、設備により多くのお金を使うようになると期待されます。

 雇用に関する経済指標はたくさんありますが、代表的なものは、失業率と雇用者数の二つです。失業率とは、働くことができ、かつ働く意思のある人(労働力人口)に対する失業者(職のない人)の割合です。失業率が高ければ高いほど、職のない人の割合が高いことを意味しますので、雇用は悪いと判断されます。逆に失業率が低ければ低いほど、職のない人の割合は低く、雇用は良いと判断されます。

 雇用者数とは、その名の通り、雇用されている人の数、つまり会社で働いている人の数です。雇用者数では、○○万人と水準でみるのではなく、前月や前年から、どの程度増えたか、もしくは減ったかが注目されます。雇用者数が増えていれば、雇用は良いと判断され、逆に雇用者数が減っていれば、雇用は悪いと考えます。

 失業率が市場予想よりも下がったり、雇用者数が市場予想を上回るペースで増えるなど、国全体の雇用が良いと判断されれば、その国の景気は良いといえますので、その国の通貨は上がりやすくなります。逆に雇用が悪いと判断された国の通貨は下がりやすくなります。

 米国や欧州での雇用に関する経済指標は、為替市場で大きく注目されます。米国や欧州では経済全体に占める消費の割合が高く、消費動向が景気全体に大きな影響を与えるからです。なかでも米国の雇用情勢を示す「雇用統計」は、為替だけでなく、株式や債券といった様々な金融市場で大きく注目されます。雇用統計の結果が発表された後、為替レートがドルを中心に大きく動くことは珍しくありません。

●失業率が市場予想よりも下がった(上がった)国の通貨=上がりやすい(下がりやすい)
●雇用者数の伸びが市場予想を上回った(下回った)国の通貨=上がりやすい(下がりやすい)

0 件のコメント:

コメントを投稿