2015年7月23日木曜日

思ったほど下値余地は大きくないニュージーランド・ドル

 ニュージーランド中銀(NZ中銀)は本日(7月23日)、政策金利を25bp引き下げ3.00%にすると発表した。25bpの利下げは、前回(6月)会合に続き2会合連続で市場予想通り。同中銀は声明で、ニュージーランドの成長率見通を年率2.5%程度と、前回会合で示した3%程度から下方修正。要因として、カンタベリーの震災復興需要のピークアウトと、世界の乳製品価格の急落を指摘した。

 インフレについては、以前のニュージーランド・ドル(NZドル)高と原油価格の大幅下落を理由に、足元では中銀目標レンジ(1~3%)の下限を下回っていると指摘。今後はNZドル安の進展と、原油安効果の剥落を理由に、2016年初めには目標レンジの中央(2%)近辺に戻るとの見方を示したが、NZドル安による物価押し上げ効果が、どの程度かを見定める必要があるとの認識も示した。

 NZドルは今年5月から下落基調で推移。NZドル/ドルは5月初めの0.76ドルちょうど近辺から、今月(7月)中旬には0.65ドルちょうど近辺まで下落。今週に入り0.66ドル台に反発したが上値は抑えられている。

 NZ中銀は本日の声明で、NZドル安が輸出や輸入品と競合する国内産業をサポートするとの考えを示したが、輸出価格が軟化していることから、NZドルはさらに下落する必要があるとも指摘。声明文の最後には、追加緩和の可能性が高いと思われる(further easing seems likely)の文言も記された。

 本日の声明文を素直に読めば、NZ中銀は次回(9月)会合でも利下げを続けると考えるのが順当だろう。ただ筆者は、追加利下げを背景としたNZドル売りの動きが、足元からさらに強まるわけではなく、NZドルの下値余地はさほど大きくないとみている。

 NZドル/ドルは0.66ドル台と2010年6月以来の低水準。しかし上述したように、NZドル/ドルは、心理的な節目である0.65ちょうど近辺で反発。仮に0.65を割り込んだとしても、次の節目は、0.64ちょうど近辺(2009年3月の安値から2011年8月の高値の61.8%戻し水準)となり、下値余地は大きくない。

 ニュージーランドの政策金利は3.00%まで引き下げられたものの、それでもG10各国や韓国、台湾など一部新興国に比べて高い。ムーディーズがAaaを付与するなど、ニュージーランド債は格付け水準も高い。仮に今後NZドルが一段安となれば、相対的に高い金利収入を求める先進国投資家を中心に、ニュージーランド債買いの動きが強まる展開も考えられる。

 NZドルがさらに下がれば、NZ中銀は追加利下げを見送る可能性も高まる。上述したようにNZ中銀は、NZドル安の物価に与える影響を注視する意向を示しており、原油価格の動向次第とはいえ、NZドルが一段安となれば、もともとタカ派姿勢の強いNZ中銀が様子見姿勢を強めることは自然と言える。

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