2015年7月6日月曜日

ギリシャ国民投票は財政緊縮「反対」が多数 為替市場はユーロ売り、円買い、ドル買いの反応

 EUが求める財政緊縮策の受け入れについて賛否を問うギリシャ国民投票は、日本時間6日午前1時に投票を締め切り。ギリシャ内務省によると、日本時間6日午前2時40分時点(開票率21%)の段階で、財政緊縮策に反対する回答が60.4%と賛成(39.58%)を上回った。日本時間午前4時15分時点(開票率58.3%)での同内務省による発表でも反対票が61.29%、賛成票が38.71%と、反対票が6割を超え、ギリシャの国民投票は反対多数となる見込みが強まった。

 為替市場は、ギリシャ国民投票の結果を受けてユーロ安、円高、ドル高の反応。以下は、先週末(左の値)と日本時間午前5時15分ころ(右の値)の、各通貨ペアの水準。

ユーロドル:1.11ドルちょうど近辺、1.10ドルちょうど近辺
ドル円:122円80銭台、122円ちょうど近辺
ユーロ円:136円30銭台、134円30銭台
ポンドドル:1.558ドル台、1.555ドル台
豪ドル/ドル:0.751ドル台、0.745ドル台(←2009年5月以来の安値)

 本日東京市場でも市場のリスク回避姿勢が強まる展開となる見込み。アジア通貨は対ドルで売り優勢が見込まれる。

 ギリシャ国民投票を受け、チプラス政権はEUに対し、債権団が提示した財政緊縮策を改めて反対したうえで、EFSFの枠組みを利用した第3次支援プログラムを要請する見込み。しかしEUは従来の緊縮策を求める意向を示しており、協議は難航する見通し。
 ギリシャ市中銀行の破たんリスクも高まる。ECBはELAの上限を据え置いたまま。ギリシャ中銀は改めてECBにELAの上限引き上げを求める見込みだが、ECBはギリシャ市中銀行の信用リスクの悪化を理由に上限引き上げを拒むと予想される。時間の経過とともにギリシャ市中銀行の資金繰りが行き詰る可能性は高い。一部では今週半ばにはギリシャ市中銀行の資金が枯渇するとの見方も示されている。

 今週水曜日(8日)にギリシャ政府は6カ月物短期債入札を実施する。これまでギリシャ債入札ではギリシャ市中銀行が主要の買い手として応札していた。しかし銀行再度も資金繰りの行き詰まっているだけに入札が未達となる可能性は十分にある。

 ギリシャの7月の債務返済スケジュールは以下の通りだが、いずれも支払遅延(事実上のデフォルト)となり、外部から資金アクセスは時間とともに難しくなる。ギリシャ政府はIOU(借用証書)を発行し、事実上の二重通貨制に移行する可能性も高まるだろう。

7月
10日:短期証券、20億ユーロ
13日:IMF、4.5億ユーロ
14日:サムライ債、120億円
17日:短期証券、10億ユーロ
20日:ECB、36.2億ユーロ
20日:欧州投資銀行、2500万ユーロ

 (事実上の)二重通貨制の導入は、ユーロ使用ルール違反でもあるが、多くが指摘するようにユーロにいったん加盟した国をユーロから強制的に排除する仕組みは存在しない。またギリシャ政府も国民もギリシャがユーロ圏から離脱することも望んでいない。市場ではギリシャのユーロ圏離脱シナリオを指摘する声が増えるだろうが、現実にはギリシャが(少なくとも今年くらいまで)ユーロ圏に留まるとみて問題ないように思われる。

0 件のコメント:

コメントを投稿