2015年7月12日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月10日)

 7月10日のロンドン市場はユーロ買い・円売りの動きが続いた。ユーロドルは取引前半こそ1.11ドル台前半で方向感に欠ける動きが続いたが、中盤には1.11ドル台後半に上昇。取引終盤には1.12ドルちょうど近辺まで一段高となった。フランスのオランド大統領はギリシャ政府が提出した新提案は真剣なものであり信頼できるとコメント。一部メディアはドイツ政府当局者がギリシャの債務減免は受け入れられないと発言したと報道したが、ギリシャ債務協議での合意成立期待を背景にユーロは買い優勢の展開が続いた。

 ドル円は122円ちょうど近辺から122円台半ば近辺に上昇。ギリシャ債務協議での合意成立期待を背景に欧州株は大きく上昇してスタート。日経平均先物や米債利回りは底堅い動き。ドル円の上昇をサポートした。

 ポンドも上昇基調で推移。ポンドドルは1.54ドルちょうど近辺から1.55ドル台前半と3営業日ぶりの高値に達した。5月の英建設支出は前年比1.3%増と市場予想を下振れたが、同時に発表された同月同国の貿易収支は3.93億ポンドの赤字と赤字額が市場予想を大きく下回り、2013年6月以来の低水準に縮小。ポンド買いの動きを強めた。

 NY市場ではユーロ買いの動きが一服する一方で円売りの動きは続いた。取引前半のユーロドルは1.12ドルちょうど近辺から1.11ドル台後半に下落。早ければ週末にもギリシャ債務協議の合意が成立するとの見方があったものの、EU当局者はギリシャ支援プログラムに関する交渉開始をめぐりドイツやオランダなど6カ国の議会承認が必要であると発言。一部メディアはECBが直ちにギリシャ市中銀行向けELAの上限を引き上げない可能性があると報道。ギリシャ議会での新しい改革案の承認も控えていることもあり、ギリシャ合意成立期待を背景としたユーロ買いの動きはやや後退した。

 ドル円は取引前半に122円台後半に上昇。NY市場に入り米債利回りは上昇基調を強め、米国株は大きく上昇してスタート。5月の米卸売在庫は前月比0.8%増と市場予想を上振れ。第2四半期の米GDP成長率をサポートするとの見方も加わり、ドル円の上昇基調は維持された。

 取引中盤以降はユーロが上値の重い動き。ドル円は高止まったまま動意に欠ける動きとなった。ユーロドルは取引中盤に1.11ドル台前半に下落。ただ後半は同水準で下げ止まり、終盤には1.11ドル台半ば近辺に反発した。一部メディアはギリシャ銀行筋の話として、仮にギリシャ支援協議で合意が成立したとしてもギリシャ市中銀行には100~140億ユーロの資本増強が必要と報道。ギリシャ議会での新改革案の承認を控えていることもあり、ユーロは様子見姿勢が強まった。

 ギリシャ議会は日本時間11日午前、チプラス政権がEUなど債権者側に示した120億ユーロ規模の財政改革案を賛成多数で承認。一部メディアによると、承認賛成が251、反対32、棄権・欠席が17だった。国民投票で緊縮反対を訴えた与党・急進左派連合の一部から強い反発が出て、審議が長時間にわたったが、最大野党の中道右派・新民主主義党など野党の大半はユーロ圏残留を最優先すべきだとして賛成に回った。

 ドル円は122円台後半とこの日の高値水準でもみ合い。FRBイエレン議長は講演で年後半のいずれかの時点で利上げ開始が適切となり得ると発言。利上げ時期については、予想もしない展開により、利上げ開始が遅れるあるいは早まる場合もあり得るとも述べた。

 カナダドルはカナダ雇用統計後に売りが先行する場面もあったが、中盤以降は買い戻しの動きが続いた。6月のカナダ雇用者数は6.4千人減と市場予想ほど減少しなかったが2カ月ぶりの減少。失業率は6.8%と市場予想に反し前月から変わらなかったが、労働参加率は65.8%と前月から低下した。カナダ雇用統計発表後、ドルカナダは1.27ちょうど近辺から1.26台後半に下落。しかし、その後、原油先物価格が下落すると、ドルカナダは1.27台半ば近辺まで上昇。取引中盤は1.27台前半で方向感に欠ける動きとなったが、後半に入るとカナダドルを買い戻す動きが優勢となり、ドルカナダは1.26台後半に下落した。

 13日の週に米国では6月の小売売上高、鉱工業生産、住宅着工件数と第2四半期の米成長率を示唆する指標が相次いで発表されるほか、7月のNY連銀製造業景気指数も発表される。ギリシャ問題でやや影が薄くなったが、米景気の拡大ペースが利上げ開始期待に大きな影響を与えると思われ、上記指標の結果次第で、9月の利上げ開始期待が大きく変わる可能性もある。また17日に発表される7月のミシガン大消費者信頼感(速報値)でインフレ期待が加速する場合、早期の利上げ開始観測が強まるだろう。

 ギリシャ支援協議については、ギリシャ議会が新提案を承認したことで、合意成立期待が高まっているが、日本時間11日夜に開かれた緊急のユーロ圏財務相会合では、協議が難航した様子。本日(12日)のEU首脳会議では債務減免額の規模なども含め支援の是非が判断されるが、市場の期待通りに合理成立となるかは正直わからない。なお来週(13日の週)にECBは定例理事会を開催する(16日)。12日のEU首脳会議の結果次第の面もあるが、ギリシャ市中銀行向けのELAをどのように扱うが注目される。

 日本では日銀が15日に金融政策決定会合の結果を公表する。金融政策は現状維持の見込み。一部メディアは、2015年度の成長率見通しを下方修正する可能性を報じている。決定会合の結果発表後の会見で、日銀・黒田総裁は、市場に材料を与えるような言動を慎むと思われるが、仮に成長率見通しが下方修正される一方で、インフレ目標達成時期が2016年度前半で据え置かれた場合、両者の整合性に関する同総裁の発言が注目されるかもしれない。

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