2015年7月10日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月9日)

 7月9日のロンドン市場はユーロが軟調な動きとなった。ユーロドルは取引前半に1.11ドルちょうど近辺から1.10ドル台前半に下落した。ドイツ連銀のバイトマン総裁はギリシャ市中銀行向けELAの上限は新たな支援プログラムが合意に至るまで拡大すべきではないと発言。一部イタリア紙はECBのドラギ総裁がギリシャ危機の解決は本当に難しいと述べたと報道。エストニア中銀のハンソン総裁はギリシャがユーロから離脱した場合、ECBは様々な非伝統的措置を活用する用意があると発言。ユーロ圏当局者からギリシャに関する後ろ向きな発言が続いたことでユーロは売りが先行した。

 しかし取引中盤のユーロドルは1.10ドル台前半でのもみ合い。取引終盤に1.10ドル台半ばに小幅反発したが、小幅な値動きは変わらなかった。EUのトゥスク大統領はギリシャのチプラス首相と電話会談をし、ギリシャは現実的な計画を提出するよう要請。一部メディアはギリシャ株式市場と債券電子取引の停止を7月13日まで延長すると報じたが、この日に提出する意向が示されたギリシャによる新しい提案の内容を見極めたいとの思惑からユーロは様子見姿勢が強まった。

 ドル円は121円台前半でもみ合い。取引終盤に121円台半ば近辺に小幅上昇したが、大きな動きには至らなかった。欧州株は緩やかながら上昇基調で推移したが、米債利回り、日経平均先物は動意に欠ける動き。ドル円は様子見姿勢が続いた。

 ポンドは上値の重い動き。ポンドドルは1.54ドルちょうど近辺から1.53ドル台後半にじり安の動きとなった。BOEは市場予想通り政策金利を0.50%、資産買入枠を3750億ポンドでそれぞれ据え置いた。

 NY市場でもユーロは軟調な動きが続いた。取引前半のユーロドルは1.10ドル台半ばを挟んでの上下動。取引中盤に差し掛かるころ、ドイツのショイブレ財務相がギリシャ債の債務減免の可能性は低いとの認識を表明。ギリシャ債務協議の合意成立が遠のいたとの見方から、ユーロは売り優勢の動きとなり、ユーロドルは取引後半に入る頃に1.10ドル割れの水準まで下落。ただ取引終盤には1.10ドル台前半に反発。ギリシャはEUによる金融支援再開の前提となる財政再建策をEU側に提出した。

 ドル円は動意に欠ける展開が続いた。米新規失業保険申請件数は29.7万件と市場予想を大きく上回り、今年2月第4週以来の高水準。これを受けてドル円は121円台前半に小幅下落した。その後、IMFのブランシャール・チーフエコノミストは、米経済のファンダメンタルズは他先進国よりも力強いと指摘。一段とドル高もありえるとの見解を示した。またカンザスシティのジョージ総裁は、利上げを正当化する指標を待ち続ければ落とし穴に陥りかねず、今すぐに控えめな行動を取ることが賢明と発言。シカゴ連銀のエバンス総裁は初回利上げを急ぐ理由はなく、中国とギリシャの先行き不透明感は強いことから慎重な対応が望ましいとの認識を示したが、米債利回りは緩やかながら上昇基調での推移を継続。一方で米国株は上昇幅を縮める動きとなり、ドル円は121円台前半で方向感に欠ける動きを続けた。

 一部日系紙は、日銀が7月14、15日の金融政策決定会合で2015年度のGDP成長率見通しを下方修正する可能性があると報道。ただ同年度の物価見通しは現在の0.8%大きく変わらない見通しと報じた。

 カナダドルは取引前半に買われたものの、中盤には売り戻し。その後は方向感に欠ける動きとなった。6月のカナダ住宅着工件数は20.3万戸と市場予想を上振れ。5月の同国新築住宅価格指数も前月比+0.2%と市場予想を上回った。これを受けてドルカナダは1.27ちょうど近辺から1.26台後半に下落。しかし原油先物価格が伸び悩むとカナダドル買いの動きは後退。ドルカナダは取引中盤には1.27台前半まで上昇。その後は同水準での推移が続いたが、取引終盤には1.27ちょうど近辺に下落した。

 9日にギリシャ政府から提案されるとされていた新たな改革案をギリギリのタイミングで提出。しかし、12日のEU臨時首脳会議での協議が難航するとの見方が強まりつつある状況。本日東京市場でのユーロは次第に上値が重くなる展開となりそうだ。一方、ドル円は市場のリスク回避姿勢の後退もあって下値の堅い動きとなる見込み。アジア通貨は米債利回りの上昇が嫌気されると予想される。

0 件のコメント:

コメントを投稿