2015年8月10日月曜日

結局、今後も原油価格次第のコロンビア・ペソ(COP)

 コロンビア・ペソ(COP)の下落が続いている。COPは対ドルで先週、一時2970台と、2003年3月に記録した過去最安値(2980ちょうど)に迫る動き。COPの年初来パフォーマンス(対ドル)は、先週末時点で19.1%と、新興国通貨の中ではブラジル・レアル(BRL)の24.2%に次ぐ2番目に大幅な落ち込みとなっている。

 COP下落の背景は原油価格の下落である。NY原油先物価格は、一時60ドル台を回復したが、イランの経済制裁解除に伴う供給増加懸念を背景に7月からは下落基調で推移。先週末は43ドル台と3月中旬に記録した年初来安値に近付いた。

 原油はコロンビアの輸出の5割近く(2013年で47%)を占め、財政収支にも大きな影響を与えている。コロンビアの輸出(ドル建て)は昨年10月以来、前年割れが続いており、6月は前年比31.5%減と大きく落ち込んだ。コロンビア中央政府の財政収支(12カ月累計値)は、6月に204.7億ドルの赤字と2カ月連続で赤字が縮小したものの、昨年(2014年)の赤字額(198.5億ドル)を上回ったままである。

 コロンビアの第1四半期GDPは前年比2.8%増と2期連続で減速し、2012年第3四半期以来の低い伸び。4、5月の小売売上高や鉱工業生産は、第1四半期から減速感を強めており、第2四半期のGDP成長率がさらに鈍化する可能性を示唆している。

 一方、コロンビアのインフレは加速が一服している。6月のコロンビアCPIは前年比+4.46%と3カ月連続で4.4%台。4月に記録した同+4.64%からは(小幅だが)鈍化している。COP安は続いているものの、原油価格も下落し、景気は減速。コロンビア中銀が指摘するように、コロンビアのインフレはCOP安が進んだものの、今後は景気減速を主因に鈍化傾向を強めることも期待できる。

 インフレの加速懸念が後退したことから、コロンビア債は他新興国債に比べ下値の高い動きとなっている。コロンビア10年債利回りは、先週末時点で7.358%と、年初から25.8bp程度の上昇。他新興国10年債利回りの年初から先週末までの上昇幅を見ると、ブラジルが147.6bp、トルコが161.0bp、ペルーが137.0bp、インドネシアが64.8bp、とそれぞれ上昇しており、COPが大きく下落していることも踏まえると、コロンビア債の下値の堅さが目立つ。

 これまでCOP安を歓迎してきたコロンビア当局者からも、COPのさらなる下落を警戒する声が出てきた。コロンビア中銀の8月1日の金融政策決定会合では、政策金利が4.50%で据え置かれたものの、一部メンバーからは利上げが提案された。また同中銀のウリベ総裁は、COP安がコロンビアの輸出をサポートするとしたものの、同国のインフレ期待を悪化させる可能性があると明言。同国のカルデナス財務相は、先週もCOP安がインフレ目標の脅威にはならないと発言しているものの、中銀サイドからCOP安を警戒する声が出始めていることは、これまでにはない変化と言える。

 インフレが落ち着きを見せつつある中、中銀がCOP安によるインフレリスクを警戒していることから考えると、過去最安値に近付いたCOPが徐々に下げ止まるとみるのが自然のように思える。しかし原油価格が、さらに下落すれば、原油安による悪影響を相殺すべくCOPも連れ安になる展開も捨て切れない。結局のところ、COPの今後は原油価格次第と言えそうだ。

 USD/COPの上値の目途は、過去最安値水準である2980近辺と心理的節目である3000ちょうど近辺。6月末のCOPの名目実効レートは85.1だが、仮に過去最安値である66.7(2003年10月)まで下落するとし、その下落率を機械的に用いると、USD/COPは3317程度まで上昇することになる。

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