2015年8月2日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年7月31日)

 7月31日のロンドン市場はユーロが底堅く推移した。ユーロドルは取引序盤に1.09ドル台半ばから1.09ドル台前半に小幅下落したが、その後はじり高の動きに転じ、取引後半は1.09ドル台後半での推移。ユーロポンドは0.70台前半から0.70台半ば近辺に上昇した。7月のユーロ圏CPIは前年比+0.2%と市場予想通りの結果となったが、コアCPIは同+1.0%と市場予想や前月を上回り、昨年4月以来の高い伸び。欧州委員会報道官はIMFがアテネでの支援協議に完全に参加していると発言。一部英紙が報じたIMFの支援拒否姿勢を否定し、ユーロ買いの動きをサポートした。

 一方、ドル円は124円台前半での小動き。欧州株や日経平均先物は前日終値水準でもみ合い。米債利回りは取引後半に小幅上昇したが上値は抑えられ、ドル買いの動きが強まることはなかった。一部米系メディアは日銀や政府の関係者の話として、日銀は依然として緩やかな円安は日本経済にプラスになると考えていると報道。黒田総裁が国会で証言した実質実効為替レートについては、同総裁は円相場の下限を示す意図がなかったとも報じられた。

 NY市場は米経済指標を受けてドルが下落。しかし、取引中盤以降は買い戻し優勢の展開となった。取引序盤に発表された第2四半期の米雇用コスト指数は前期比0.2%増と市場予想を大きく下回り、1996年第4四半期の統計開始以来最低の伸びを記録。米賃金の伸びが弱いとの見方からドルは売りが先行し、ドル円は124円台前半から123円台半ばに急落。一方、ユーロドルは1.09ドル台後半から1.11ドルちょうどを上抜けした。

 しかし取引中盤に差し掛かる頃に発表された7月のシカゴ購買部協会景気指数が54.7と市場予想を大きく上回り、6カ月ぶりの高水準を記録すると、ドル売りの動きは一服。その後、発表された7月のミシガン大消費者信頼感(確報値)は93.1と市場予想や速報値を下回ったが、1年後の期待インフレは2.8%と前月から変わらず5~10年後の期待インフレは2.8%と前月から小幅加速。取引中盤にはドル円は124円手前に反発する一方、ユーロドルは1.10ドル台半ば近辺に反落した。

 取引後半はドルが底堅く推移。ドル円は124円手前でのもみ合い。ユーロドルは1.09ドル台後半と米雇用コスト指数が発表される前の水準に下落した。セントルイス連銀のブラード総裁は一部メディアとのインタビューで、米経済は9月の利上げに向けて良好に推移しており、第2四半期の米GDPは9月の利上げ開始シナリオを後押しすると発言した。

 カナダドルは軟調な展開となった。5月のカナダGDPは前年比0.5%増と市場予想を下回り、2009年12月以来の低い伸び。同時に発表された米雇用コスト指数が弱かったことから、ドルカナダは1.30台半ばから1.29台半ばに下落したものの、その後のドルカナダは、原油先物価格の下落に合わせる形で上昇基調で推移。取引終盤には1.31手前と、この日の高値を更新した。

 TPP交渉の閣僚会合は、日米など12カ国全体の大筋合意を見送り閉幕。乳製品や自動車市場の開放をめぐる意見の隔たりが埋まらず、他の分野の進展にもかかわらず妥結に至らなかった。

来週(8月3日の週)、米国ではISM製造業景況指数(7月)、ADP雇用統計(7月)、貿易収支(6月)、新規失業保険申請件数、雇用統計(6月)と重要指標が相次いで発表される。市場予想によると、米雇用環境の改善が続く一方で、米景気は底堅く推移する見込み。7月のFOMCで米経済の現状判断が上方修正されたこともあって、9月の利上げ開始観測が強まる展開が期待される。ただ貿易赤字が市場予想を上回れば、ドル高の弊害も意識されやすくなり、ドルの上値が抑えられる可能性に注意が必要だ。

ユーロ圏では製造業PMI(確報値)が発表されるものの、市場の注目を集める経済指標が少なく、やや材料難。欧米の金融政策の方向性の違いが意識されやすくなり、ユーロ売りの動きが強まる展開も想定される。

日本では7日に日銀・金融政策決定会合の結果が発表される。金融政策は現状維持の見込み。日銀・黒田総裁は年度後半のインフレ加速に自信を示しているが、原油先物価格は1バレル50ドル割れ。失業率も若干ではあるが上昇したこともあって、来年度前半とされた2%物価目標の達成を疑問視する声も強まっている。このためか、一部からは、日銀が目標とする物価指標を現在のコアCPIから別のもの(たとえば生鮮食料品とエネルギーを除くCPI)に変えるとの見方も示されている。決定会合の声明発表後に開催される会見で、黒田総裁が、このような見方に対し、どのような考えを示すかに注目。回答内容によっては、追加緩和観測が大きく変化する(強まる場合もあれば、弱まる場合もある)ことになるだろう。

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