2015年8月30日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月28日)

 8月28日のロンドン市場はドルの上値が重い展開となった。ドル円は取引前半に121円ちょうど近辺から120円台後半に下落。中盤以降は同水準で方向感に欠ける動きとなった。欧州株や日経平均先物は取引序盤に下げた後、方向感に欠ける動き。米債利回りも長期ゾーンで株安に反応する形で低下。原油先物価格も低下するなど、市場のリスク回避姿勢がやや強まる格好となり、ドル円の重石となった。

 ユーロドルは取引前半にドル売りの反応となり、1.12ドル台後半から1.13ドルちょうど近辺に上昇。ただ中盤には再び1.12ドル台後半に反落。後半は1.12ドル台後半を維持したものの上値は重い動きとなった。8月のドイツ・ザクセン州CPIが前月比-0.1%と再びマイナスとなり、8月のスペインCPIは同-0.4%と4カ月ぶりの大幅な落ち込みとなるなど、ユーロ圏のインフレ圧力は再び軟化へ。8月のユーロ圏景況感は104.2と市場予想や前月を上回ったものの、ユーロ買いの動きは強まらず。ユーロは軟調な動きが続いた。

 ポンドは下落基調で推移。ポンドドルは1.54ドル台前半から取引中盤には1.53ドル台後半に下落。後半にはいったん1.54ドルちょうど近辺に反発したが、終盤は再び1.53ドル台後半での推移となった。第2四半期の英GDP(改定値)は前年比2.6%増と市場予想や速報値と変わらず。外需が強かったことから指標発表後にポンドは買い優勢となる場面もあったが、長くは続かず。BOEによる利上げ期待もやや後退した様子で、ポンドは軟調な推移となった。

 NY市場はドル買い優勢の展開となった。取引前半はドル、ユーロともに小動きとなり、ドル円は120円台後半、ユーロドルは1.12ドル台後半で、それぞれもみ合い。8月のドイツCPIは前年比+0.2%と市場予想に反し、前月と変わらない伸び。7月の米個人支出は前月比0.3%増と市場予想を小幅下回ったとなったが、市場の反応はいずれも限定的だった。

 しかし、カンザスシティ連銀主催のシンポジウム(以下、ジャクソンホール)でセントルイス連銀のブラード総裁が、市場の変動は9月のFOMCまでに収まるだろうと指摘。米経済の底堅さを理由に早期の利上げに前向きの姿勢を示すと、ドルは買い優勢の展開に。その後、同じジャクソンホールでミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁が、今は動く理由はないと述べ、市場の乱高下や米インフレの低さを根拠に早期の利上げに慎重な姿勢を示す一方、クリーブランド連銀のメスター総裁が9月の利上げは可能との見解を示したことで、ドル買いの動きは継続。8月のミシガン大消費者信頼感(改定値)は91.9と3カ月ぶりの低水準となったが、取引中盤に入るまでに、ドル円は121円ちょうど近辺に上昇する一方、ユーロドルは1.12ドル台前半に下落した。

 取引中盤に入りFRBフィッシャー副議長はジャクソンホールでの講演で、9月の利上げを判断するのはまだ早いとしながらも、2%のインフレ回帰にはかなり強い自信があると発言。年内の利上げ開始に強い意欲を示したことで、ドル買いの動きが強まる展開に。ドル円は121円台半ば近辺に上昇する一方、ユーロドルは1.11ドル台後半に下落した。

 後半に入り米債利回りが伸び悩むと、ドル円は121円台前半に反落する一方、ユーロドルは1.12ドル台前半に反発。しかし、終盤にかけて米債利回りが持ち直すと、ドル円は121円台前半から引けにかけて121円台後半に上昇。ユーロドルは1.11ドル台後半でのもみ合いとなった。

 先週は世界的な金融市場の混乱でドル円が一時116円台前半まで急落するなど荒い値動き。アベノミクス相場で大きく割り込むことがなかった200日移動平均水準も大きく下回り、ドル円の上昇トレンドが終了するとの見方も浮上したが、金融市場の落ち着きとともにドル円も浮上。結局、週末には200日移動平均水準を上回って終わった。来週のドル円は、前週に引き続き金融市場の動向の影響を受け、ボラティリティが再び大きくなる恐れもあるが、基本的には米利上げ観測を背景にドル円は上昇基調での推移を予想する。

 来週(8月31日からの週)、米国ではISM製造業景況指数(8月)、ADP雇用統計(8月)、貿易収支(7月)、新規失業保険申請件数、雇用統計(8月)と重要指標が相次いで発表される。市場予想によると、米国景気、雇用ともに堅調に推移する見込み。株式など金融市場が再び混乱することがなければ、米経済指標の好結果を通じ、9月の利上げ開始観測が強まるだろう。

 ユーロ圏では9月3日にECB理事会が開催される。金融政策は現状維持の見込み。原油価格の下落でいったんは持ち直したユーロ圏のインフレ圧力が再び低下する恐れがあり、ECBドラギ総裁が資産買い入れプログラムの規模拡大について言及する可能性がある。

 またドイツでは7月の小売売上高、8月の失業者数、製造業PMI(確報値)といった景気関連の重要指標が発表される。ドイツ景気の拡大ペースの鈍化も目立ち始めており、ECBの追加緩和観測にも影響を及ぼしそうだ。

 日本では週明け(8月31日)に7月の鉱工業生産が発表される。7月の実質消費支出は小幅ながら前年割れ。鉱工業生産も弱い結果となれば日本景気の先行き懸念も強まり、日銀による追加緩和観測も生じやすくなる。7月の現金給与総額で先送りされた夏のボーナスの支給状況も確認したい。

東京地方では気温が低下し、秋の様相が強まってきました。体調管理がやや難しくなりますが、よい週末をお過ごしください。

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