2015年8月6日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年8月5日)

 8月5日のロンドン市場はドル、ユーロともに様子見姿勢が強く、膠着感の強い展開となった。ドル円は124円台半ば手前での小動き。欧州株、日経平均先物はともに買い優勢の動き。米債利回りも上昇基調で推移したが、ドル円はこの日の夜に発表される米ADP雇用統計の結果を見極めたいとの思惑が強かった。

 ユーロは1.08ドル台後半でもみ合い。7月のドイツ、ユーロ圏の量非製造業PMI(確報値)はともに速報値から小幅上方修正されたが市場の反応は限定的。6月のユーロ圏小売売上高は前年比1.2%増と市場予想を下回ったが、こちらも市場の反応は限定的だった。

 ポンドは取引前半を中心に上昇基調で推移した。ポンドドルは取引序盤に1.55ドル台後半から1.56ドルちょうど近辺に上昇。7月の英非製造業PMIが57.4と市場予想を下振れると、ポンドドルは1.55ドル台後半に小幅反落したが、取引終盤には再び1.56ドルちょうど近辺に反発した。

 NY市場は円が下落した。FRBパウエル理事は一部米メディアとのインタビューで、利上げの時期は近づいているが、9月の利上げ開始の決断はまだできていないと発言。9月のFOMCの前に発表される経済指標の結果を見極めることが必要で、利上げ開始時期よりも利上げのペースの方がより重要との認識を示した。同理事のインタビュー内容が伝わると、米債利回りは低下し、ドル円は124円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.09ドルちょうど近辺に上昇。7月の米ADP雇用統計が18.5万人増と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸びとなると、ドル円は124円ちょうど近辺に下落し、ユーロドルは1.09ドル台前半に上昇した。その後発表された6月の米貿易収支は438.4億ドルの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが、前月分は赤字額が下方修正。これを受けてドル売りの動きは一服し、ドル円は124円台前半に反発する一方、ユーロドルは1.09ドルちょうど近辺に反落した。

 一部メディアはECBがギリシャ市中銀行向けELAの上限を据え置くことを決定したと報じたが、市場の反応は限定的だった。

 その後発表された7月の米ISM非製造業景況指数は60.3と市場予想を大きく上回り、2005年8月以来の高水準。内訳をみると雇用、新規受注といった主要項目の改善が目立った。同指標の好結果を受けてドル買いが先行。ドル円は125円ちょうど近辺と6月8日以来の高水準に上昇。ユーロドルは1.08ドル台半ば近辺に下落した。しかし、その後は米債利回りの上値が重くなったことでドル買いの動きはやや後退。ドル円は124円台後半に下落したが、米国株の上昇もあって下値は堅い動き。一方、ユーロドルは取引後半に1.09ドルちょうど近辺に上昇し、引けまで同水準でのもみ合いとなった。

 カナダドルは上値が抑えられる動きとなった。6月のカナダ国際商品貿易は4.8億ドルの赤字と赤字額が市場予想を大きく下回り、昨年11月以来の低水準。これを受けてドルカナダは1.31台後半から1.31台前半に下落した。しかし、NY市場取引中盤に入ると、原油先物価格は下落。ドル買いの動きもあって、ドルカナダは取引中盤に1.31台後半とカナダ国際商品貿易が発表される前の水準に上昇。その後は同水準でのもみ合いとなった。

 FRBパウエル理事の発言や米ADP雇用統計を受けて9月の利上げ開始期待がやや後退したようだが、ISM非製造業景況指数の大幅改善で、9月の利上げ開始観測が再び強まる展開。ば植える理事が述べたように利上げ開始時期は今後発表される米経済指標次第なのだろうが、市場の見方は徐々に9月利上げ開始に傾いているような印象を感ずる。本日東京市場でのドル円は、今夜発表される新規失業保険申請件数などを控え様子見姿勢が強まるものの、下値の堅い動きが予想される。一方、ユーロは欧米金融政策の方向感の違いを背景に対ドルで軟調に推移する見込み。アジア通貨も対ドルで軟調な推移となりそうだ。

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