2015年8月24日月曜日

新興国通貨売りの流れに飲み込まれそうなポーランド・ズロチ(PLN)

 堅調に推移してきたポーランド景気に減速の兆しがみられるようになってきた。第2四半期GDPは前年比3.3%増と前期から鈍化。需要項目別データは公表されていないものの、個人消費と設備投資は前期から減速したと思われる。

 減速の兆しは7月の経済指標でも確認できる。7月の鉱工業生産販売は前月比1.3%減と2カ月ぶりの減少。同指標は3月に前月比13.4%増と急増したが、その後は伸び悩みの様相を強めている。同月の建設売上高は前月比0.1%減と2カ月連続のマイナス。小売売上高は同2.1%増と2カ月連続で加速したが、市場予想を大きく下回っている。

 これまで実質所得を押し上げてきた小幅なディスインフレも、これからは解消する見込みである。7月のCPIは前年比-0.7%と市場予想に反し5カ月連続で落ち込み幅が縮小。今後は原油安による物価押し下げ効果が剥落するため、CPIはプラス圏に浮上すると思われる。

 5月に実施されたポーランド大統領選では、決選投票の結果、最大野党「法と正義」のドゥダ氏が勝利。最近の支持率調査によると、法と正義が30%台半ばと、与党「市民プラットフォーム」(20%台前半)をリードしており、10月に予定されている総選挙でも法と正義が勝利するとの見方が強まっている。

 法と正義は、市民プラットフォームに比べ大衆迎合(いわゆるポピュリスト)姿勢が強く、ドイツを中心としたEUに対し懐疑的。総選挙でも法と正義が勝利すれば、市民プラットフォームが進めてきた財政改善や親EU姿勢が一転する可能性が高くなる。

 PLNは8月に入り対ドルで上昇基調での推移。新興国通貨売りの流れが強まった本日(8月24日)でもPLNは上昇。対ドルでは一時3.68台と6月23日以来のPLN高水準を記録した。しかし足元のように、市場のリスク回避姿勢に大きな変わりがなく、ポーランドの景気や政局に対する先行き不透明感が強まれば、PLNの売り圧力が強まると考えるのが自然だろう。

 USD/PLNの上(PLN安方向)の節目は、年初の高値(3.968近辺)から安値(3.522近辺)の50%戻し水準である3.745台と61.8%戻し水準である3.798台近辺と思われる。


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