2015年9月10日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2015年9月9日)

 9月9日のロンドン市場は、ドルが底堅く推移した。ドル円は120円台半ばを挟んでの上下動。東京市場で上昇した米債利回りは上昇一服。しかし日本株の大幅上昇を受けて欧州株も大きく上昇するなど市場のリスク回避姿勢は後退したまま。ドル円は底堅い展開となった。

 ユーロドルは取引前半にユーロ買いが優勢となり1.11ドル台後半から1.12ドルちょうど近辺に上昇。欧州株の上昇を背景にユーロ買いの動きが強まった。7月のギリシャ鉱工業生産は前年比-1.6%と大幅低下の市場予想に反し前月からマイナス幅が大きく縮小。8月のギリシャCPIも前年比-1.5%と市場予想を上回るペースでマイナス幅が縮小したことで、ユーロ圏景気の先行き期待が高まった。ただ取引中盤以降のユーロドルは一転してドル買い優勢の展開。ユーロドルは下落基調が続き、引けにかけては1.11ドル台前半と、この日の安値を更新した。

 ポンドは英経済指標を受けて下落した。7月の英鉱工業生産は前年比+0.8%と市場予想を下振れ。同時に発表された7月の英貿易収支は33.7億ポンドの赤字と市場予想を上回る赤字額となった。両指標の結果を受けてポンドは売りが先行。ポンドドルは1.54ドルちょうど近辺から1.53ドル台半ば近辺に下落。その後いったんは1.53ドル台後半に反発する場面もみられたが、取引終盤には再び1.53ドル台半ば近辺に下落した。

 NY市場は取引後半にドルの上値が重くなる展開となった。取引前半は米国株が上げて始まったこともあってドルが底堅く推移。ドル円は121円ちょうど近辺に上昇する一方、ユーロドルは1.11ドル台前半でのもみ合いとなった。7月の米求人件数は575.3万件と市場予想を大きく上回り、前月から大きく増加。米雇用環境の好調ぶりが示されたが、米債利回りは反応薄。一方、米国株は米利上げ開始懸念を背景に上げ幅を縮める動きとなり、取引中盤は前日終値水準でのもみ合いとなった。後半に入り、米国株がマイナス圏に入り、下げ幅を広げると、米債利回りも低下。ドル円は下落基調での推移となり、引けにかけては120円台半ば近辺に下落。一方、ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺と、この日の高値圏に上昇した。

 カナダドルは上に往って来いの展開となった。8月のカナダ住宅着工件数は21.7万戸と市場予想を上回り、2012年9月以来の高水準を記録。その後発表された7月のカナダ住宅建設許可件数は前月比0.6%減と市場予想に反しほぼ前月並み。前月分も上方修正されたため、強い結果となった。その後、カナダ中銀は市場予想通り政策金利を0.50%に据え置き。同中銀は声明でカナダドル安が商品価格下落の影響を一部吸収していると指摘。全体の輸出状況が引き続き不透明となる中、為替相場に敏感な輸出動向が勢いを取り戻しつつあることが、最新の指標で確認できるとの見方も示した。また過去の金融政策の刺激効果がカナダ経済に徐々に浸透していると指摘。追加利下げに否定的な姿勢を示した。これを受けてドルカナダは1.32台前半から1.31台後半に急落。しかしNY市場取引中盤に入り原油先物価格が下落すると、カナダドルは売り戻しの動き。ドルカナダは1.32台前半に反発し、終盤には1.32台半ば近辺まで上昇した。

 昨日は日本株が暴騰したことで市場のリスク回避姿勢が一変。欧州株も堅調な推移となった。しかし株価上昇に伴い米利上げ開始観測が浮上するのは避けられないところ。結局、米国株は下げて終わるなど、金融市場の不安定性は変わっていない。中国当局による財政出動がどの程度の効果を持つのか見定めにくいこともあって、市場は素直にドル買いに動きにくい。本日東京市場でのドル円は引き続き中国株の値動きに神経質な動きを示す展開が予想される。一方、ユーロはユーロ圏景気の先行き期待から下値の堅い動きとなる見込み。アジア通貨は米国株の下げを受けて対ドルで軟調な推移となりそうだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿