2016年4月4日月曜日

早期の利下げは考えにくいポーランド

 ポーランド景気は堅調に推移している。3月の同国マークイット製造業PMIは53.8と、市場予想を上回り、8カ月ぶりの高水準。2月の同国・実質小売売上高は前年比6.2%増と高い伸び。昨年第4四半期GDPは前年比3.9%増と4年ぶりの高い伸びに加速。ポーランド中銀のインフレ・経済レポートによると、今年の成長率見通しは昨年11月時点の3.3%から今年3月に3.8%へ上方修正された。

 一方でポーランドのディスインフレは続いている。3月のポーランドCPIは前年比-0.9%と21カ月連続の前年割れ。同レポートによる今年のインフレ見通しは、昨年11月時点で+1.1%だったが、今年3月には-0.4%に下方修正された。

 ただポーランドのインフレ期待は、2014年6月以降、概ね前年比+0.2%で低位安定。上述のインフレ見通しをみると、インフレは今年下期から緩やかながら低下率が縮小すると予想されている。同中銀はインフレが持ち直す理由として、内需が消費中心に底堅く、雇用・所得環境が拡大基調を維持する見込みである点が指摘されている。

 ポーランド中銀のベルカ総裁は、3月11日の金融政策決定会合後の会見冒頭で、年内の利下げの可能性を排除しないと明言。しかし、足元のディスインフレがポーランド景気を抑制しているわけではないとし、利下げで融資コストが低下するとは思えないと発言するなど、総じて見れば利下げに消極的な姿勢を示した。

 その後発表された会合議事録を見ても、ECBの追加緩和の影響がポーランド経済に及ぶ可能性が指摘されているものの、雇用・所得環境の拡大を背景に内需が堅調に推移するとの見方が提示。新政府による家計向け支援プログラムの開始が景気を下支えする可能性についても指摘されているなど、早期の利下げの必要性を指摘する声は見られなかった。普通に考えればポーランド中銀が利下げに急いでいるとは思えず、4月6日の会合でも市場予想通り政策金利は1.50%で据え置かれると思われる。

 ポーランド中銀のベルカ現総裁は、今年6月に任期を向かえる。一部報道によれば、新政権は、ベルカ総裁の後任をハト派の人物にするとされているが、仮にハト派の総裁が誕生したとしても、景気が堅調に推移している以上、早期に利下げに動くとは考えにくい。景気が軟化し、インフレが見通しとは裏腹にデフレ色を強めるまで、ポーランド中銀は利下げに動かないだろう。

 2月以降、ポーランド・ズロチ(PLN)が上昇基調で推移している。2月1日から先週末(4月1日)までの対ユーロ・パフォーマンス(新興国)を見ると、PLNは4.1%の上昇と、BRL(7.1%の上昇)、RUB(6.3%の上昇)に次ぐ高い上昇率を記録している。

 EUR/PLNは足元で4.24台と昨年末以来のPLN高水準で推移している。4.20を割り込めば、次の節目は昨年7月以来の4.10ちょうど近辺。その次は昨年4月末以来の4.00ちょうど近辺となる。



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