2016年4月5日火曜日

トレンド系の手法:移動平均線

 為替レートの値動きは、いつも滑らかなわけではなく、細かくみるとジグザグした不規則な動きをしていることがほとんどです。このジグザグした不規則な動きは、為替レートのトレンドと関係ないことが多いのですが、トレンドの判断を迷わせることもあります。そこで市場関係者は、為替の値動きによって生じる細かいジグザグの動きを取り除き、トレンドを判断しやすくする方法として、移動平均線と呼ばれる線をチャートに描きます。

 移動平均線とは、過去の一定期間の値動きを平均化した値を結び合わせた線のことです。移動平均線は、仕組みが単純なこともあって、トレンドを判断する際の基本的な方法として知られています。

 たとえばドル円が以下のような値動きをしたとします。

1月1日 100円
1月2日 101円
1月3日 102円
1月4日 103円
1月5日 104円

 ここで平均期間を3日とした3日移動平均線を作成するとします。すると、移動平均線は以下のようになります。

     ドル円レート 3日移動平均
1月1日 100円
1月2日 101円
1月3日 102円   101円(=(100円+101円+102円)÷3)
1月4日 103円   102円(=(101円+102円+103円)÷3)
1月5日 104円   103円(=(102円+103円+104円)÷3)

 こうして求めた3日移動平均を結ぶことで、3日移動平均線が完成します。

 移動平均線は上を向いているときは、為替レートが上昇トレンドにあると判断されます。とくに直近の為替レートが移動平均線よりも上の位置にある時は、上昇トレンドが強いと考えられます。反対に移動平均線が下を向いていたり、為替レートが移動平均線よりも下の位置にある時は、下降トレンドにあるといえます。

 移動平均線は、トレンドを示すとともに、移動平均で使われる平均期間に取引されたレートの平均値を示しています。このため移動平均線は、市場関係者が意識する水準となり、為替レートが移動平均線に近付く形で上昇したときは、移動平均線上の水準がレジスタンスになりやすく、反対に為替レートが移動平均線に近付く形で加工した時は、移動平均線上の水準がサポートになりやすいと言われています。

 移動平均線でよく使われる平均期間は、5日、8日、10日、20日、21日、25日、50日、90日、200日です。5日や8日といった短い期間の移動平均線は短期のトレンドを、20~50日といった中期の移動平均線では中期のトレンドを、50日以上の長期の移動平均線では長期のトレンドを確認する時に、それぞれ使われます。

 ただ、移動平均線で使う平均期間は、あくまでも目安で、どの期間を取るのかは自分の取引スタイルによって変わります。たとえば、自分の取引期間が短いのであれば、短い期間の移動平均線がより重要になるでしょうし、逆に取引期間が長いのであれば、長い期が重要となります。自分の取引期間が決まっていない方は、短期・中期・長期の三本の移動平均線を用意し、市場のトレンドを確認します。

 移動平均線は、平均期間が短いもの速く動き、期間が長くなればなるほど動きがゆっくりとなります。たとえば上昇トレンドの時は、平均期間が5日とか8日といった平均期間の短い移動平均線から上昇し、その後、20日や25日といった平均期間が中くらいの移動平均線が上昇し、最後に90日や200日といった平均期間が長いものが上昇します。

 トレンドが上昇から下降に転ずると、まず平均期間の短い移動平均線が下がり、続いて平均期間が中くらいの移動平均線が下がり、最後に平均期間が長い移動平均線が下がります。

 平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を下から上に抜く状態は「ゴールデン・クロス」と呼ばれます。平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を上抜くということは、上昇スピードが増してきたことを意味しますので、上昇トレンドが本格化したと考えられます。

 逆に、平均期間の短い移動平均線が、期間の長い移動平均線を上から下に抜く状態は「デッド・クロス」と呼ばれます。この場合、下降トレンドが強まってきたと考えられます。

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