2016年4月25日月曜日

対ドルで軟調な推移に転じそうな韓国ウォン(KRW)

 韓国景気は冴えない状態が続いている。明日(4月26日)発表される第1四半期GDPは、前年比2.7%増と前期(同3.1%増)から鈍化する見込み。韓国中銀は19日に今年の成長率見通しを2.8%と、昨年10月時点の3.2%、今年1月時点の3.0%からさらに下方修正した。

 韓国景気の先行きを期待する声は少ない。韓国政府は、第1四半期に6兆ウォンの追加支出に踏み切ったが、景気全体を押し上げるには力不足。失業率が2月に4.1%と6年ぶりの高水準に悪化したことから個人消費に大きな期待は持ちにくい。

 輸出の減少基調も続いている。3月の韓国輸出は前年比8.1%減と15カ月連続の前年割れ。4月も同9.5%減と前年割れが続く見込みである。韓国輸出の6割弱を示すアジアの景気は中国を中心に減速中。一昨年から増加を続けた対米輸出も昨年秋口から前年割れとなっており、韓国の輸出が早期に増加に転ずるとは考えにくい。

 景気減速の強まりを背景に、韓国当局は景気刺激の必要性を指摘している。韓国中銀の李総裁は、韓国景気が前例にない難局に直面していると発言。同中銀の経済見通しでは、今年のインフレが1%台前半(平均で1.2%)で推移するとの見通しを示し、追加利下げの可能性を示唆した。また同国朴大統領は、財政が経済活動に積極的にかかわる必要があると述べ、追加支出に意欲的な姿勢を示した。

 一部からは韓国からの資本流出の恐れや家計の債務残高の拡大を指摘し、韓国中銀が大幅な金融緩和に踏み切れないとの見方もでている。しかし、韓国の短期対外債務は2008年第3四半期の1901億ドルをピークに減少基調で推移し、昨年末は1087億ドルまで縮小。昨年12月に韓国議会に提出された金融安定報告書によると、同国金融機関の流動性カバレッジ(=高流動資産÷資金流出量、短期の流動性流出への対応能力)は、昨年9月時点で103.8%と、2015年の目標である80%や、2019年の目標である100%を上回っている。以前のようなイメージとは異なり、韓国金融システムは改善されたとみていいだろう。

 韓国ウォン(KRW)は、3月から対ドルで上昇基調で推移し、先週は一時1128台と昨年11月4日以来のKRW高を記録した。しかし、米国の追加利上げが視野に入りつつある一方で、韓国中銀が利下げに踏み切れば、KRWは対ドルで軟調な推移に転じるとみられる。USD/KRWの上の節目は、4月初めの高値である1160近辺、2月29日の高値(1245.1近辺)から4月20日の安値(1128.4近辺)の38.2%戻し水準である1173近辺と61.8%戻し水準の1200ちょうど近辺が見込まれる。


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