2016年4月16日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月15日)

 4月15日のロンドン市場はドルが下落基調で推移した。ドル円は109円台前半から108円台後半に下落。原油先物価格の下落を背景に米債利回りは低下基調で推移。欧州株や日経平均先物もマイナス圏での推移となり、ドル円は下落基調で推移した。

 ユーロドルは1.12ドル台半ば近辺から1.13ドルちょうど手前に上昇。2月のユーロ圏貿易収支(季調値)は202億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下回ったが、米債利回りの低下を背景にユーロドルもドル売り優勢の展開が続いた。

 ポンドは底堅く推移。ポンドドルは取引前半こそ1.41ドル台半ばを挟んでの上下動だったが、中盤に1.41ドル台後半に上昇。後半は1.42ドルちょうど手前で下値の堅い動きとなった。2月の英建設支出は前年比0.3%増と市場予想を下回ったが、ポンド売りの反応は限定的だった。

 NY市場は取引中盤までドル売り優勢。後半にドルはやや買い戻されたが上値は重かった。4月のNY連銀製造業景気指数は9.56と市場予想を大きく上回り、昨年1月以来の高水準。ドル円は109円ちょうどに小反発。ユーロドルは1.12ドル台後半に小幅下落するなどドルがやや買い戻された。

 しかし、その後発表された3月の米鉱工業生産は前月比-0.6%と市場予想を上回る落ち込みとなり、同月同国の設備稼働率も74.8%と2010年8月以来の低水準に低下。4月のミシガン大消費者信頼感も89.7と市場予想を下回り、5-10年先のインフレ期待は2.5%と前月から低下となるなど、NY連銀製造業景気指数と異なり弱い結果が相次いだ。これらを受けてドル円は108円台後半に下落する一方、ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺に反発した。

 後半に入り、シカゴ連銀のエバンス総裁は今年の失業率が4.75%程度まで低下するが、今年の利上げは小幅なものにしか想定しないと発言。しかし米債利回りが下げ止まると、ドル売りは一服。ドル円は108円台後半で膠着感強く推移。ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺から1.12ドル台後半に下落した。

 主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議は共同声明を公表。内容は以下の通り。

・世界経済の成長は依然として緩やか、かつまだらであり、金融市場の変動などを背景に 見通しの下方修正リスクと不透明感が続いている。

・G20メンバーが景気拡大と安定を目指す行動を取ることを歓迎し、全ての政策手段を用いることを再確認する。

・為替の過剰な変動や不規則な動きは経済・金融の安定化にとって好ましくなく、今後も 為替市場について緊密な協議をつづけることをさいかくにんする。また競争的な通貨切り 下げや競争力強化を目的とした為替水準の設定は控えることを再確認する。

・課税逃れ対策では、銀行口座情報を交換する国際的な枠組みに対し「全ての関係国」に 参加を要請する。

 来週(4月18日から始まる週)、米国ではNY連銀ダドリー総裁の講演が予定されている(日本時間18日午後9時半)。同総裁は4月8日の講演で金融政策の正常化は慎重かつ緩やかに進めるのが適切だと発言し、早期の追加利上げには慎重な認識を示した。3月の米PPI、CPIがいずれも市場予想を下回るなど、インフレ圧力はやや後退気味。第1四半期の米成長率期待も後退したままで、ダドリー総裁の見解に大きな変化が生じたとは考えにくい。6月FOMCでの利上げ確率は10%台。米債利回りの上値は抑えられやすく、ドル買いの動きも期待しにくい。

 日本では3月の貿易収支(通関ベース)が発表される。市場予想では貿易黒字は前月から拡大する見込みだが、輸出は6カ月連続で前年割れとなる見込み。輸出が下振れることで、4月28日の金融政策決定会合での追加緩和観測が強まる展開もありそうだ。ただ日銀の追加緩和期待だけでドル円が大きく上昇すると考える市場参加者は少ないだろう。

 ECBは21日に定例理事会を開催する。3月理事会での追加緩和の効果を見極めるべく、金融政策は現状維持となるだろうが、理事会後の会見でドラギ総裁がインフレ期待の低下や景気の軟化を理由に追加緩和を強く示唆する可能性はある。

 4月17日にOPECは非加盟国も含めてカタールのドーハで増産凍結に関する会合を開く。経済制裁が解除されたイランは外貨獲得のため増産の意向を表明。ロシアはイランの主張に一定の理解を示しており、例外的な対応が認められるとの見方もある。サウジの経済政策を取り仕切るムハンマド副皇太子は、イランが生産量を維持しない限り、凍結はしないと牽制しており、増産凍結合意が見送られる可能性もある。また仮に増産凍結で合意されたとしても、需給引き締め効果は薄く、原油相場の上昇は長続きしないとの見方もある。いずれにせよ、ドーハ会合を受けて原油価格の上昇が一服ないしは下落に転ずる可能性が高く、原油安を通じ、円買いの動きが強まる場面もありそうだ。

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