2016年4月29日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年4月28日)

 4月28日のロンドン市場は、円、ユーロがともに小動きとなった。ドル円は108円台前半で方向感に欠ける動き。取引前半には108円を割り込む場面もみられたが、米債利回りが下げ渋ったほか、ドイツ株や日経平均先物は下げ止まり。円買いの動きが広がることはなく、取引中盤には持ち直した。ただ後半に入るとドル円の上値は重くなり、終盤には再び108円ちょうどに下げる場面もあった。

 ユーロドルは1.13ドル台半ばを挟んでのもみ合い。取引序盤に発表された4月のドイツ・ザクセン州CPIは前月比-0.2%とマイナスとなる一方、同時に発表された4月のドイツ失業者数は1.6万人減と市場予想に反し7カ月連続の減少。その後発表された4月のユーロ圏景況感は103.9と市場予想を上回ったが、米債利回りが下値の堅い動きを続けたこともあってユーロドルの上値は抑えられたまま。取引終盤に発表された4月のドイツCPIが市場予想通りだったとはいえ前月比-0.2%と3カ月ぶりの低下に転じたこともユーロの重石となった。

 NY市場は取引前半こそドル買い戻しの展開となったが、中盤以降は一転して軟調な推移となった。取引序盤に発表された米新規失業保険申請件数は25.7万件と前週より増加したが、市場予想を下回る底堅い結果。同時に発表された第1四半期の米GDPは前期比年率0.5%増と市場予想を下回りマイナス成長となった14年第1四半期以来の低い伸びとなったが、個人消費は同1.9%増と市場予想を上振れ。PCEコアデフレータは前期比年率+2.1%と市場予想を上回り、4年ぶりの高い伸びを記録した。米経済指標発表後、米債利回りは上昇し、ドル円は108円台後半に上昇する一方、ユーロドルは1.13ドル台前半に下落した。

 しかし取引中盤に入ると、米債利回りは上昇一服。米国株も上値が重くなるなか、4月のカンザスシティ連銀製造業活動指数は-4と前月から小幅改善したものの、14カ月連続のマイナス。ドル円は108円台半ばに下落する一方、ユーロドルは1.13ドル台前半で強含んだ。

 後半に入ると米国株がマイナス圏に落ち込み、終盤には下げ幅を広げる動き。米債利回りも低下基調となり、ドルは売り優勢の動きに。ドル円は108円ちょうど近辺まで下落し、終盤には108円割れ。引けにかけては108円ちょうどを小幅上回る水準に反発したが上値は抑えられた。一方、ユーロドルは上昇基調を続け、終盤は1.13ドル台半ば近辺でのもみ合いとなった。

 欧州委員会のモスコビシ委員は、ギリシャと国際債権団が年金や所得税など一連の当初改革案でほぼ完全合意に達したと発言。ユーロ圏財務相が来週か再来週にギリシャ問題を討議する可能性も示した。

 日銀が追加緩和を見送ったことをサプライズとみる向きもあるようだが、決定会合の開催中、ドル円は111円を超え、日経平均株価は1万7千円台を維持するなど金融市場は安定的で、4月初めに直面した緊急事態はひとまず回避されていた。今後、英国のEU離脱を問う国民投票や米大統領選といったビッグイベントが控えており、金融市場が再び混乱する可能性がゼロではない以上、日銀が追加緩和策を温存するのも不思議ではない。

 ただ市場での円買いの反応は予想以上に大きく、ドル円は再び年初来安値が視野に入る水準。本日から日本は大型連休入りすることもあり、投機的な動きが東京時間に強まる恐れもある。下値不安は強いだろう。

 ただ米GDP統計ではPCEコアデフレータがFRBの目標とする2%を上回り、米新規失業保険申請件数は低水準を維持。FF先物市場から算出される利上げ確率は6月時点で2割程度と低いままだが、6月の利上げは利上げ確率が示す以上に可能性が高まっているように思える。ドル円は下値不安が強いものの、米経済指標の結果を通じ、再び上昇基調を取り戻す展開が予想される。

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