2016年5月9日月曜日

なくなったわけではない中国をきっかけとしたリスク回避姿勢の強まり

 4月の中国・外貨準備高は、3兆2219億ドルと、2月の3兆2023億ドルを底に2カ月連続で増加した。ちなみに市場予想では、3兆2000億ドルと3月から減少し、2月並みの水準に戻るとみられていた。中国の外貨準備高が増加を続けたことで、中国の資本流出の動きが一服したとの見方も一部にあるようだ。ただ、外貨準備高の増加は、ドル安による部分も大きい。

 2月末から4月末までの対ドルでのパフォーマンスをみると、ユーロは5.3%、円は5.8%、それぞれ上昇している。中国の外貨準備高の通貨別構成比は公表されていないが、(IMFの政府外貨準備の通貨構成(COFER)などを参考に)、中国の外貨準備高が、65%ドル建て、30%ユーロ建て、5%円建て、でそれぞれ構成されていると仮定すると、中国の外貨準備高は、為替変動だけで2月末から4月末にかけて600億ドルほど増加する。4月の外貨準備高は、2月から200億ドル弱しか増えていないことから、中国当局は4月も元買い介入を続けていたと推察される。

 中国の資本流出も続いているようだ。4月の中国・貿易統計によると、香港から中国への輸入は前年比203.5%増と、1999年の現行統計開始以来最大の伸びを記録。輸入全体が同10.5%減と市場予想を上回る減少となっていることも考えると、香港からの輸入急増は極めて不自然である。香港から中国への輸入は、中国当局による資本規制を回避し、香港への資本を流出させる手段として使われているとの指摘も多い。香港からの輸入増は、中国の資本流出継続を示唆していると思われる。

 今週発表される予定の4月の中国・海外直接投資も、中国の資本フローを考える上で注目される。1-3月期の同指標は、元建てで前年比4.5%増、ドル建てで同1.5%増と、いずれも低い伸び。4月も伸び悩む結果となれば、中国への直接投資フローに対し強い期待を持つことが難しくなる。

 週明けの中国株市場は売りが先行。上海総合指数は2900の節目を約2カ月ぶりに割り込んでいる。4月の中国輸出は前年比1.8%減と市場予想に反し前年割れ。中国景気の減速が続き、元の先安観をサポートするだろう。第2四半期に入り中国に対する警戒感が、やや和らいだようにもみえるが、中国をきっかけにリスク回避姿勢が再び強まる恐れがなくなったわけではない。

 
 

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