2016年5月23日月曜日

利下げを機に売りが強まる恐れもあるインドネシア・ルピア(IDR)

 インドネシア中銀は19日、市場予想通りレファレンスレートなど主要3金利を全て据え置いた。同中銀は声明で、(1)インフレが4±1%で推移している、(2)経常赤字は改善している、(3)為替レートは比較的安定している、などマクロ経済の安定性は維持されていると指摘。この安定性が続くのであれば、生じてきた金融緩和余地が近いうちに用いられる可能性があるとの見方を示した。インドネシア中銀の声明発表後、インドネシア・ルピア(IDR)は対ドルで売り優勢。Bloombergによると、20日には対ドルで一時13680近辺と、2月9日以来のIDR安水準に達した。

 インドネシア中銀が追加緩和(利下げ)の可能性を示す前に公表された4月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、経済指標が第2四半期の成長加速を示し、インフレ率と雇用で前進が見られれば、6月に利上げする公算が大きいとの認識が示された。米国の利上げが再開されるとの見方が高まったなかでの、インドネシアの利下げ示唆だっただけに、IDRが売り優勢となったのはいたしかたない。週明け(23日)のIDRは13580近辺と、やや持ち直したが、その後、13600台に下落。同中銀の声明発表前の水準(13500近辺)まで戻せていない。

 インドネシア中銀は、「マクロ経済の安定性が維持されていれば」との条件を付けているが、インフレや経常赤字が短期間で悪化するとは考えにくい。IDRの下げが限定的であれば、同中銀が声明通りに利下げに動く可能性は十分にある。

 仮にインドネシア中銀が利下げに踏み切れば、IDR売りの動きが強まる恐れも出てくるだろう。特に利下げしたにもかかわらず、個人消費が伸び悩んだり、IDR安や原油先物価格の上昇でインフレが加速しだすと、悪循環的にIDR売りが続く展開も注意すべきだろう。

 USD/IDRの上の節目は、1月20日の高値(14000近辺)から3月7日の安値(12980近辺)の76.4%戻しとなる13760近辺と14000ちょうど近辺。ここを上抜けると14100近辺や14500近辺が次の節目となるだろうが、ここまでIDRが売られれば、インドネシア中銀は利上げに動かざるを得ないだろう。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿