2016年5月21日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月20日)



 5月20日のロンドン市場は円がじり安の動き。ドル円は110円台前半から110円台半ば手前に緩やかに上昇した。ロンドン市場に入り米債利回りは小幅上昇。前日に下げたドイツ株は反発し、日経平均先物は底堅く推移。ドル円の上昇を後押しした。

 ユーロドルは1.12ドル台前半で方向感に欠ける動き。東京市場後半に発表された4月のドイツPPIは前年比-3.1%と3カ月連続で3%台の落ち込み。ドイツのディスインフレ圧力の強まりを示唆した。3月のユーロ圏経常収支(季調値)は273億ユーロの黒字と4カ月ぶりの高水準を記録したが市場の反応は限定的だった。

 麻生財務相は仙台G7の初日会合後に会見。為替市場において過度の変動は経済に悪影響を与えるが、為替の競争的切り下げ回避にコミットしていると会議で発言したと表明。会合では為替の最近の動きについて議論なかったとし、21日の日米財務相会談では、為替が議論になれば意見を言う意向を示した。

 NY市場は取引前半こそ円売りの動きが続いたが、中盤には一服。後半に入ると円を買い戻す動きが強まった。取引前半のドル円は110円台半ば手前からいったんは110円台前半に小反落した後に110円台半ば近辺へと反発。4月の米中古住宅販売件数が545万戸と市場予想を小幅上振れとなると円売りの動きが強まった。一方、ユーロドルは1.12ドル台前半で強含んだが、米中古住宅販売件数を受けて1.12ドルちょうど近辺に下落した。

 取引中盤に入り原油先物価格が下落すると米債利回りも低下したが、ドル円は110円台半ば、ユーロドルは1.12ドルちょうどを小幅上回る水準で、それぞれ小動き。後半に入り、一部日系紙は日銀が将来の緩和出口に備え4500億円の引当金を積むと報ずるとドル円は110円台前半に下落する一方、ユーロドルは1.12ドル台前半に小幅上昇した。

 カナダドルは軟調な動きとなった。3月のカナダ小売売上高は前月比1.0%減と減少幅が市場予想を上回ったが、自動車を除くコア売上高は同0.3%減とほぼ市場予想通りの結果。同時に発表された4月の同国CPIは前年比+1.7%と市場予想通りだった。ドルカナダは指標に対する反応が限定的で1.31ちょうどで小動きのまま。ただ、取引中盤に入り原油先物価格が下落すると1.31台半ば近辺に上昇。後半は原油先物価格の上値が重かったこともあり1.31台前半で推移した。

 今週のドル円は、4月FOMC議事要旨をきっかけに110円を突破するなど底堅く推移したが、4月28日の高値(111.88近辺)から5月3日の安値(105.55近辺)の76.4%戻し水準(110.39近辺)をしっかりと超えられないまま。来週は、このまま110円台を維持し、下値固めから4月28日の高値突破を狙う動きとなるか、逆に5月10日以降の安値水準(108.2近辺)に向けて上値の重さが目立ち始めるかが問われる。

 来週(5月23日から始まる週)、米国ではFRBイエレン議長の講演が予定されている(日本時間:5月28日未明)。4月FOMC議事要旨と同じように(指標次第とはいえ)利上げ再開に前向きな姿勢を示すかが注目される。イエレン議長の口から世界経済・金融情勢に対し前向きな見方が示されれば、ドル買いの動きが強まるだろう。

 日本では4月の貿易収支が発表される。市場予想では輸出は前年比10%程度の減少と2カ月連続で減少率が拡大する見込み。ただ輸入が同19%程度の減少と2009年10月以来の大幅減が見込まれており、貿易黒字(季節調整値)は前月並みの水準を確保するだろう。貿易黒字が市場予想を上回るようだと、ドル円の上値が抑えられる恐れもある。

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