2016年6月23日木曜日

大勢判明には午後2時くらいまでかかるかもしれない明日の英国民投票



 英国では、日本時間の本日(6月23日)午後3時(現地時間・23日午前7時)から明日(24日)午前6時(現地時間・23日午後10時)の間にEU離脱の是非を問う国民投票が実施される。

 一部メディアは、英国民投票の大勢が判明するのは日本時間午前と報じているが、「大勢」が一般の選挙のように短時間で確定するとは考えにくい。今回の国民投票では、英国政府やメディアによる出口調査が実施される予定はなく、382地区の開票結果を見ながら、結果を推測するしかない。

 今回の国民投票は、「英国はEUメンバーに残るべきか、それともEUから離脱すべきか」の二者択一に答える形式で、英国全土でどちらの票が多いかを競う。一般の選挙のように、狭い地区で複数の候補者から特定の一名を選ぶものとは違うため、一般の選挙の感覚で「大勢」が判明すると見込むのは早計のように思える。

 国民投票前日の現時点でも、各種世論調査でのEU残留支持とEU離脱支持の割合は、ほぼ拮抗している。このため明日も賛否の割合がほぼ同じのまま開票作業が進む可能性も十分ある。また開票作業が進み、仮に(残留/離脱)いずれかの賛成票が50%を数%程度超えたとしても、EU残留/離脱の割合は地区によって大きく異なるため、開票結果が判明していない地区の状況次第で途中結果が覆ることも考えられる。

 このためかメディアは、日本時間の明日午後に大勢が判明しそうだと報じているが、「午後」が具体的に何時頃なのかを明確に示していない。ただ市場関係者の立場から考えれば、「午後」が何時頃なのか、おおよその目途を持ちたいところだ。

 英選挙管理委員会は、今回の国民投票の開票作業について簡単なガイダンス(以下、ガイダンス)を公表している(http://www.electoralcommission.org.uk/__data/assets/pdf_file/0013/206113/Media-briefing-EU-Referendum-count-processes-and-results.pdf)。このガイダンスによると、開票作業は、投票が締め切られる日本時間24日午前6時から始まる。開票は英全国382地区ごとに実施され、各地区で、まずは投票率が公表され、開票・集計作業が終わり次第、結果が発表される。各地区で発表された開票結果は、全国12地域ごとに集計し、それぞれ発表。さらに全地域の結果が確定した後に、首席集計官(Chief Counting Officer)が日本時間24日の午後に英中部マンチェスターで最終結果を発表する計画となっている。最終結果は、英選挙管理委員会のウェブサイト(http://www.electoralcommission.org.uk/find-information-by-subject/elections-and-referendums/upcoming-elections-and-referendums/eu-referendum/electorate-and-count-information)でも公表される。

 英選挙管理委員会のガイダンスでは、382地区ごとに投票率と開票結果のそれぞれが判明する見込み時刻を公表している。この見込みを使うことで、投票率もしくは開票結果が判明した地区と投票登録人口の割合が、時間経過とともにどのように変化するかを試算することができる。以下はその結果である。

●英国民投票の投票率が判明する時刻(見込み)




●英国民投票の開票結果が判明する時刻(見込み)




 市場関係者の一部は、英国民投票の結果は投票率次第との声が出ている。各種世論調査によると、若年層ではEU残留支持が多く、高齢になるに従い離脱支持の割合が高くなる傾向にある。また一般の選挙の場合、若年層の投票率は高齢層に比べ低い傾向にある。たとえば2015年の英総選挙の時、平均の投票率は66%だったが、投票率を年齢別にみると、18-24歳:43%→25-34歳:54%→35-44歳:64%→45-54歳:72%→55-64歳:77%→65歳以上:78%、となった。今回の国民投票でも、全体の投票率が低くなればEU離脱支持の割合が高くなり、投票率が高くなればなるほどEU残留支持の割合が高くなると考えられている。

 このため英国民投票終了後の市場は、開票結果の前に判明する投票率に対して反応する可能性がある。投票登録者の半分(50%)の投票率が判明するのは、日本時間24日午前8時30分から9時の間で、登録者の80%の投票率が判明するのは同日9時半から10時の間の見込みである。この時間帯は、日本の金融市場が始まり、為替市場で仲値が公示される時間帯だ。

 ただ投票率は、開票結果の指針となるだろうが、結果を確約するものではなく、投票率が極端なものにならなければ、市場は開票結果を待つ可能性もある。開票結果が判明するのは、投票率よりも遅れ、投票登録者数の40%が判明するのは、日本時間24日午前11時から11時半の間。60%が判明するのは、同日午前11時半から正午の間で、80%が判明するのは、同日12時半から午後1時の間の見込みである。ただ、開票結果でEU離脱の賛否が拮抗するようだと、登録者の90%超が判明する同日午後1時半から2時の間まで市場は神経質な動きを続ける可能性もある。


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