2016年6月1日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年5月31日)


 5月31日のロンドン市場は取引後半にユーロが上昇する一方、円は方向感に欠ける動きとなった。ユーロドルは取引中盤まで1.11ドル台前半で小動き。4月のドイツ小売売上高は前年比2.3%増と市場予想を上振れ。5月のドイツ失業者数は1.1万人減と市場予想を上回る減少となったが、いずれに対してもユーロの反応は限定的だった。取引中盤に発表された4月のユーロ圏失業率は10.2%と市場予想通り前月から変わらず。5月の同圏CPIは前年比-0.1%、コアCPIは同+0.8%と、こちらも市場予想通りで、やはりユーロの反応は限定的だった。

 取引後半に入り、米債利回りが短期債中心に低下すると、ユーロドルはドル売り優勢となり1.11ドル台半ば近辺に上昇。終盤に入るとユーロドルは1.11ドル台後半に強含んだ。

 ドル円は取引前半に111円台前半から111円割れに下落。ただ下値は堅く、中盤以降は111円ちょうどを小幅上回る水準で小動きを続けた。米短期債利回りは低下し、ドイツ株は小幅ながらマイナス圏で推移。ドル円の重石となったが、この日発表される米経済指標の結果を見極めたいとの思惑も強く、ドル円は様子見姿勢が強かった。

 NY市場は取引中盤に円買いの動きが強まり、後半も円は底堅く推移した。取引序盤に発表された4月の米個人支出は前月比1.0%増と市場予想を上回り、2009年8月以来の高い伸び。一方、同時に発表された同月同国のPCEコアデフレータは前年比+1.6%と市場予想通り前月と同じだった。指標発表後、米債利回りは小幅上昇し、ドルは買い優勢。ドル円は111円台前半に上昇する一方、ユーロドルは1.11ドル台半ば近辺に小幅下落した。

 ただ米債利回りの上昇が一服すると、ドル円は111円台前半で伸び悩み、ユーロドルは1.11ドル台後半に反発。その後発表された5月のシカゴ購買部協会指数は49.3と市場予想に反し50割れ。5月の米消費者信頼感は92.6と市場予想を下回り、6カ月ぶりの低水準に低下。5月のダラス連銀製造業景況指数は-20.8と市場予想を大きく下回り、3カ月ぶりの低水準に悪化した。

 一連の米経済指標が軒並み市場予想を下回ったことで、米債利回りは低下基調で推移。ドル円は下落基調に転じ、取引中盤には110円台半ば近辺まで下落した。

 取引中盤に差し掛かる頃、ICMは英国のEU離脱に関する世論調査の結果を発表。電話とオンラインの合同の結果で離脱賛成が52%(残留賛成48%)、電話のみで離脱賛成が45%(残留賛成42%)と、いずれも離脱賛成が多数の結果。これを受けてポンドドルが1.46ドル台半ばから1.45ドル台半ばに急落すると、ユーロドルも1.11ドル台後半から1.11ドル台前半に下落した。

 取引後半に入り、米債利回りが下げ止まると、ドル円は110円台後半に反発するが、ユーロドルは1.11ドル台前半で小動き。ポンドは売り優勢の地合いが続き、1.45ドルちょうどに下落。終盤に入り米国株が下げ幅を広げると、ドル円は110円台半ば、ポンドドルは1.44ドル台後半にそれぞれ下落。引けにかけて米国株が下げ幅を縮めると、ドル円は110円台後半に反発。ポンドドルは1.45ドルちょうど近辺に上昇したが、両者とも上値は抑えられた。一方、ユーロドルは1.11ドル台前半で様子見姿勢が続いた。

 カナダドルは下落基調で推移した。3月のカナダGDPは前年比1.1%増と市場予想を下回り、3カ月ぶりの低い伸び。第1四半期の同国GDPは前期比年率2.4%増と市場予想を下回り、前期は同0.5%増と下方修正された。これを受けてドルカナダは1.30台前半から1.30台後半に上昇。その後、原油先物価格が上昇したことで、ドルカナダは1.30台半ば近辺に下落したが、カナダドル買いの動きは続かず、取引中盤には1.31ちょうど近辺に上昇。その後、同水準で小動きを
続けたが、後半に入り原油先物価格が下落すると、ドルカナダは1.31台前半に上昇した。

 5月の米消費者信頼感が大きく低下するなど、31日に発表された5月の指標は弱さが目立ったが、4月の米個人支出は高い伸び。アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」は第2四半期の米成長率見通しは2.9%となり、6月の米利上げ再開期待は維持されているように思われる。本日は中国で製造業PMIが発表され、市場のリスク回避姿勢が強まる恐れもあるが、米債利回りが下げ止まったこともあり、本日東京市場でのドル円は底堅く推移すると思われる。一方、ユーロは様子見姿勢が続く見込み。アジア通貨は対ドルで小動きが予想される。

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