2016年6月17日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月16日)


 6月16日のロンドン市場はドルが買い戻しの展開となった。ドル円は103円台半ば近辺から取引中盤には104円台半ば手前に上昇。後半は104円台前半に反落したが、終盤には再び104円台半ば手前に小幅上昇した。ドル円は、日銀・黒田総裁による金融政策決定会合後の会見が始まると、104円台前半から103円台半ば近辺に下落したが、ロンドン市場に入り米債利回りが反転上昇。黒田総裁が急速な円高に対し物価上昇率に好ましくない影響を与えるのは事実と述べたこともドル円をサポートした。米債利回りは取引後半に入りやや伸び悩んだが下値は堅く、ドル円も底堅く推移した。

 ユーロドルは取引前半に1.12ドル台後半から1.12ドル台半ば近辺にじり安の動き。5月のユーロ圏CPI(確報値)は前年比-0.1%、コアCPIは同+0.8%と、いずれも市場予想通り速報値から変わらず。取引中盤に入っても米債利回りの上昇が続くと、ユーロドルは下落基調が強まり、終盤には1.11ドル台後半に下落した。

 ポンドも軟調だった。取引序盤のポンドドルは1.41ドル台半ばを挟んで神経質な動き。5月の英小売売上高が前年比6.0%増と市場予想を大きく上回り、昨年9月以来の高い伸びとなると、ポンドドルは1.41ドル台半ばから1.41ドル台後半に小幅上昇した。ただポンドの上値は重く、取引中盤のポンドドルは再び1.41ドル台半ば近辺で推移。取引後半に入ると、1.41ドルちょうど近辺に下落した。

 BOEは市場予想通り政策金利や資産購入目標など金融政策の現状維持を全会一致で決定。同時に発表された議事録によれば、メンバーらは、国民投票結果をめぐる不透明感が既に影響を及ぼしつつあり、離脱が選ばれればこれが悪化する公算だと指摘。EU離脱後には、成長軌道が大幅に下振れし、インフレは顕著に高まる恐れがあると指摘。英国の貿易環境をめぐる不透明が高まり、ポンドは一段と下落する公算が大きい。恐らく急激に下げるだろうと分析した。会合では投票後の金融安定を確保するための緊急計画についての説明もあり、計画には銀行の「監視強化」と流動性ファシリティ、スワップライン、金融行政委員会(FPC)が活用できる手段などが含まれていた。なお景気の現状に関しては5月の物価報告以降で変化はほぼなかったとし、コアインフレの弱さと生産性の伸びの遅さを指摘した。

 スイスフランは下落基調で推移。ドルスイスは0.95台後半から0.96台後半に上昇基調で推移した。スイス中銀は市場予想通り中銀預金金利を-0.75%、3カ月物LIBORの誘導目標を-1.25%~-0.25%にそれぞれ維持。同中銀は声明でスイス・フランは依然として大幅に過大評価されているとし、必要であれば外為市場に介入するとした。同中銀のジョルダン総裁は、英国のEU離脱が決定し、スイスフラン相場が急騰すれば、対応策を取ると表明。政策金利のマイナス幅を拡大することも排除しないとした。

 NY市場は取引前半にドルが対ユーロなどで上昇したが、対円では反落。中盤以降は対ユーロで売り戻された。第1四半期の米経常収支は1247億ドルの赤字とほぼ市場予想通り。前期の赤字は縮小方向に修正された。同時に発表された米新規失業保険申請件数は27.7万件と市場予想や前週を上回る一方、5月の米CPIは前年比+1.0%と市場予想を小幅下回ったが、コアCPIは同+2.2%と市場予想通り前月から小幅加速。6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は+4.7と市場予想を上回った。

 一連の米経済指標発表後、ユーロドルは下落基調が続き1.11ドル台前半と6月1日以来の安値に下落。ポンドドルは1.40ドル台前半と4月6日以来の安値に下落した。一方、ドル円は原油安を背景に低下した米債利回りの低下を受けて104円台半ば手前から103円台後半に下落した。

 取引中盤に入り原油安は一服。軟調に推移していた米国株は下げ幅を縮める動きとなり、米債利回りも上昇に転ずると、ユーロドルは1.12ドル台前半、ポンドドルは1.42ドルちょうど近辺に、それぞれ急上昇。ドル円も104円台半ば近辺に反発した。

 取引後半に入ると米国株はプラス圏に浮上したが、米債利回りは上昇一服。一時1.42ドル台半ばまで上昇したポンドドルは1.42ドル台前半に小幅反落。ユーロドルは1.12ドル台前半で伸び悩み。ドル円は104円台半ば手前で小動きとなった。、

 英国のEU離脱懸念や原油安を背景に米債利回りはNY市場前半に大きく低下。米10年債利回りは一時1.51%台と2月11日の安値を割り込み、2012年8月以来の低水準を記録した。その後、同利回りは1.57%台に反発したが、これは前日(15日)の安値圏。ドルは引き続き上値が抑えられやすい。 FOMC、日銀会合とイベントを通過した後の金曜日だが、EU離脱懸念は継続。本日東京市場でのドル円は再び104円割れを試す動きも出るだろう。一方、ユーロとポンドは引き続き軟調に推移する見込み。アジア通貨も対ドルで上値の重い動きが予想される。

0 件のコメント:

コメントを投稿