2016年6月18日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月17日)


 6月17日のロンドン市場はドルが欧州通貨に対し軟調に推移した。ユーロドルは取引前半に1.12ドル台前半から1.12ドル台半ば近辺に上昇。4月のユーロ圏経常収支(季調値)は340億ユーロの黒字と3カ月連続で黒字が拡大。ユーロをサポートした。取引中盤のユーロドルは1.12ドル台半ばを挟んでの推移。後半は1.12ドル台半ば近辺で強含んだ。

 ポンドは取引中盤まで上昇基調で推移し、ポンドドルは1.42ドル台半ばから1.43ドルちょうど近辺に上昇。前日のEU残留派・英議員の射殺事件を受けてEU残留に同情票が集まるとの見方が強く、ポンドは買い優勢の展開となった。しかし取引後半にポンドドルは一時1.42ドル台前半に下落。終盤には1.43ドルちょうど近辺に反発したが上値が抑えられた。なおポンドドルの1週間物ボラティリティーは一時49%台後半と過去最高を記録した。

 ドル円は104円台前半で小動き。ドイツ株はプラスで始まり、その後もプラス圏で推移。ただ米債利回りや日経平均先物は小動きとなり、ドル円は様子見姿勢が続いた。

 NY市場はロンドン市場に引き続きドルが欧州通貨に対し軟調に推移した。取引序盤に発表された5月の米住宅着工件数は116.4万戸と市場予想を小幅上回ったが、前月分は小幅下方修正。同月同国の建設許可件数は113.8万戸と市場予想を下回った。ただ市場の反応は薄く、ドル円は104円台前半、ユーロドルは1.12ドル台半ば近辺、ポンドドルは1.43ドルちょうど手前でそれぞれ推移した。

 取引中盤に近付き米債利回りが低下すると、ユーロドルは1.13ドルちょうど手前まで上昇したが、取引中盤に米債利回りが反転・上昇すると、ユーロドルは1.12ドル台半ば近辺に下落。一方、ドル円は104円台前半で膠着感を強め、ポンドドルは1.43ドルちょうど手前での推移を続けた。

 取引後半に近付き、米債利回りが伸び悩むと、ユーロドルは1.12ドル台後半、ポンドドルは1.43ドル台前半にそれぞれ上昇するが、ドル円は104円台前半で膠着感が強いまま。後半に入り、ドル円は104円台前半で様子見姿勢が強く、ユーロドルは1.12ドル台後半で小動きとなったが、ポンドドルは一時1.43ドル台後半に伸長。終盤は1.43ドル台半ば近辺で推移した。

 セントルイス連銀のブラード総裁は講演で、FRBの実際の利上げペースは、FOMCが過去に示した予想よりも大幅に緩慢となっていると指摘。こうした言行不一致が明らかに世界的な金融市場の歪みにつながっており、FRBの将来的な政策をめぐる不必要な混乱を招き、(FOMCに対する)信頼が損なわれる結果になっていると批判した。また先日のFFレート見通し(ドットプロット)で長期予測を提出しなかったのはブラード総裁だったと自ら公表。セントルイス連銀は長期の見通しを含まない新たな予測手法に切り替えると明らかにし、同総裁は、予測は単純に2年半先までとすると説明。総裁は今後2年半のインフレ率(トリム平均)を2%、失業率を4.7%、GDPの伸びを2%と見込み、この期間中の適切な政策金利は0.63%とした。また、ブラード総裁はドットプロットで2017年と18年の政策金利を0.63%で据え置いたことも明らかにした。

 カナダドルは底堅く推移した。5月のカナダCPIは前年比+1.5%と市場予想や前月を下回る伸び。ただドルカナダは指標発表後、1.29ドルちょうどを小幅上回る水準から1.28台後半に下落。その後、原油先物価格が上昇基調で推移すると、ドルカナダは1.28台前半まで下落した。取引中盤に入り米債利回りが反転・上昇するとドルカナダは1.29ちょうど近辺に反発。しかし原油先物価格が一段高となると、ドルカナダは1.28台後半に小幅下落した。

 アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」では第2四半期の米成長率見通しが2.8%となる一方、NY連銀の「ナウキャスト」の見通しは2.0%と下方修正。米景気は日欧英に比べれば堅調だが、利上げ期待を高めるほどの強さがないのも事実。来週(20日から始まる週)発表される5月の米耐久財受注が大きく加速しないと、米利上げ期待は弱いままとなる。

 来週23日にはEU離脱の是非を問う英国民投票が予定されている。EU残留を主張していた英議員の射殺事件で、英国内では(いわゆる)自粛ムードが強まっており、国民投票キャンペーンは一時停止。市場の英EU離脱懸念は収まったかのように思えるが、ポンドの1週間後ボラティリティは過去最高を更新する形で急上昇。週明けには英EU離脱懸念が市場を不安定化する恐れは十分にある。

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