2016年6月25日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月24日)




 6月24日のロンドン市場は英国民投票でのEU離脱派の勝利を受けた円買い、ポンド売りの動きが取引序盤に一服。中盤まで緩やかな巻き戻しが続いたが、取引後半には再び円買い、ポンド売りの動きがみられた。

 ドル円は取引序盤に102円台半ばから103円ちょうど近辺に上昇。欧州株は大幅安で始まったが、寄り付いた後は下げ幅を縮める動き。東京市場の取引中盤で大きく低下した米債利回りも取引後半から上昇基調で転じ、ロンドン市場に入っても上昇。ドル円は円を売り戻す動きとなった。

 ユーロドルは1.10ドル台半ば近辺から1.11ドル台後半に上昇。ポンドドルは1.36ドルちょうど近辺から1.38ドルちょうど近辺へと大きく上昇。ロンドン市場に入りユーロとポンドは買い戻しの動きが強まった。

 英国のキャメロン首相は、日本時間午後4時過ぎに辞意を表明。ただEUとの交渉に備えて、今後3カ月(10月まで)は続投するとした。BOEは、他の中銀と協調し、安定確保のためあらゆる必要な措置をとるとの声明を発表した。

 取引中盤に近付くとドル円は103円ちょうどを挟んでもみ合い。ユーロドルは1.11ドル台半ばを挟んで上下動。6月のドイツIFO企業景況感は108.7と市場予想を小幅上振れたが、ユーロドルは1.11ドル台前半に下落。米債利回りの上昇が続き、ユーロドルはドル買い優勢となった。

 一方、ポンドドルは1.38ドルちょうど近辺でもみ合った後に1.40ドルちょうど近辺に上昇。ただポンドを買い戻す動きは続かず、その後、1.39ドルちょうど近辺に下落した。

 取引後半に入り、米債利回りが低下に転ずると、ドル円は102円ちょうど、ユーロドルは1.10ドル台半ば近辺、ポンドドルは1.36ドル台後半へと、それぞれ下落。終盤にドル円は102円台前半に反発したが、ユーロドルは1.10ドル台半ばを挟んで方向感に欠ける動き。ポンドドルは1.37ドルちょうどに反発した後は膠着感を強めた。

 主要7カ国(G7)財務相と中央銀行総裁は、日本時間午後8時半から緊急の電話会議を開催し、その後、声明を発表。声明では、英国国民によって示された意思を尊重するとしたものの、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えうることを再認識するとしたうえで、市場の動向と金融の安定を緊密に協議し、適切に協力する」とした。麻生財務相は会議後に会見し、為替の安定、金融の安定、市場の不安の解消。これが声明を出した主たる目的だと述べた。

 NY市場は円が落ち着いた動きに収束する一方で、ユーロは方向感に欠ける動き。ポンドは荒い値動きを続けた。

 5月の米耐久財受注は前月比2.2%減と市場予想を大きく下回り、輸送用機器を除くコア受注は同0.3%減、コア資本財受注も同0.7%減といずれも市場予想に反しマイナスとなるなど、総じて弱い結果となった。ただ米債利回りはさほど低下せず、ドル円は102円台前半で小動き。ユーロドルは1.10ドル台後半で強含んだが、ドル売りの動きは続かず、上昇一服後は再び1.10ドル台半ば近辺に下落。ポンドドルは1.37ドル台半ばに上昇後、1.36ドル台前半に下落したが、ポンド売り一巡後は1.37ドル台半ばに反発するなど不安定な動きを続けた。

 FRBは英国民投票でEU離脱支持が過半を占めたことを受けて声明を発表。声明では、世界市場の圧力に対処するため、各国中央銀行との通貨スワップ協定を通じ、ドル資金を供給する準備があるとし、市場の混乱は米経済にも反作用があることから、各国と連携して金融情勢を注視するとした。

 取引中盤に近付き発表された6月のミシガン大消費者信頼感(確報値)は93.5と市場予想や速報値を下回る結果。ただ5~10年後のインフレ期待は2.6%と前月から加速した。同指標発表後、ドル円は102円台半ば手前で小動き。ユーロドルは1.10ドル台半ば近辺から1.11ドル台前半に上昇。ポンドドルは1.38ドル台前半に上昇したが、取引中盤に入ると1.36ドルちょうど近辺に急落した。

 取引後半に入ると、ドル円は102円台前半で動意に乏しくなったが、終盤には102円台半ば手前に小幅上昇したが、引けは102円台前半。ユーロドルは1.11ドル台後半に上昇したが、終盤には一転してユーロ売りの動きが強まり、ユーロドルは1.11ドルちょうど近辺に下落したが、引けは1.11ドル台前半に小幅上昇。ポンドドルは1.36ドルちょうど近辺から1.37ドル台半ばに上昇したが、終盤には1.36ドル台半ば近辺に下落後、引けには1.36ドル台後半に小幅反発した。

 英国民投票ではEU離脱支持が過半を占め、同国キャメロン首相は辞意を表明。為替市場では円高、ポンド安、ユーロ安が大きく進み、アジア株や欧州株は大きく下げ、米債利回りは大幅低下となるなど、いわゆるリスクオフが強まった。しかし、ロンドン市場に入ると、為替市場も落ち着きを取り戻し、先進各国当局は(予想通り)協調体制をアピール。金融市場の動揺は、ひとまず抑えられた。

 しかし英国がEU離脱手続きに入ることで、世界経済の先行き不透明感が増したのも事実。FRBは7月FOMCでの利上げを見送り、9月FOMCまで様子見姿勢を取らざるを得ない。日銀は追加緩和姿勢を強めざるを得ないが、マイナス金利付きQQEの限界論が指摘されていることもあって、円売りの動きが強まるとは考えにくい。

 また、金融市場は不安定化したものの、実体景気が急速に悪化したわけではなく、日本も含め先進各国が大規模な財政支出に踏み切るとは考えにくい。結局、各国中央銀行によるアクションで金融市場の不安定化に対応せざるを得ないが、これだけで世界経済の先行き不透明感を払しょくするのは難しい。
 翌週の為替市場は、英国のEU離脱手続きや英国景気への悪影響が明らかになることもあって、ポンド安の動きが続くだろう。ポンドドルは、1.32ドル台前半で下げが止まったが、ポンド相場がEU離脱による英国経済や社会の変化を全て織り込んだわけではなく、翌週も下落基調が続くと見られる。ポンドドルは、今後数カ月で1.20ドルちょうどや1.15ドルちょうど程度まで下げの余地があると思われる。

 ドル円は世界景気の先行き不透明感から円買いが強まるリスクも引き続き残るだろうが、100円割れは回避されると思われる。とはいえ、24日ロンドン市場での高値となった103円ちょうど近辺に近付くと、上値は重くなるだろう。

 ユーロは英国のEU離脱によるユーロ圏景気の悪影響が意識されやすく、ポンドと連れ安の展開となりそうだ。ただ一方でFRBの利上げ先送り観測もあり、ユーロドルは1.10ドルちょうどがサポートとなると思われる。しかし、ECBの追加緩和も意識されると、年初来安値の1.07ドルちょうど近辺まで下値が意識される可能性もある。

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