2016年6月3日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月2日)


 6月2日のロンドン市場はユーロが緩やかな下落基調で推移した。ユーロドルは1.12ドル台前半から1.11ドル台後半に下落。4月のユーロ圏PPIは前年比-4.4%と低下率が市場予想を上回り、2009年11月以来の大幅な落ち込み。ユーロの下押し圧力を強めた。取引終盤にECB理事会は市場予想通り金融政策の現状維持を決定。社債購入は今月8日から、限定的長期資金供給オペは同22日から、それぞれ始まることも発表された。

 ドル円は109円ちょうどを挟んで小動き。ドイツ株、日経平均先物はともに前日終値水準で動意に乏しく推移。米債利回りは下値の堅い動きを続けたが上値も限定的。ドル円は様子見姿勢が続いた。

 NY市場は取引前半に円高、ユーロ安の展開。中盤以降、円は緩やかに売り戻されたが、ユーロは上値が抑えられたままだった。

 ユーロドルは取引前半に1.11ドル台後半から1.11ドル台半ば近辺に下落。ECBドラギ総裁は理事会後の会見で政策金利は現状水準もしくはそれを下回る水準が当面続くとし、QEが終了後も非常に低い水準に留まると発言。QEは2017年3月まで少なくとも続くが、必要であれば延長する意向を示した。またユーロ圏景気については緩やかに回復している途中であるとし、必要があれば全ての政策ツールを使用すると述べた。また構造改革の遅れがユーロ圏景気を抑制しており、インフレは今後数カ月、低水準もしくはマイナスとなる見込みを示した。また、この日の会合で、ギリシャ国債に対する特例復活が見送られたが、ドラギ総裁は、ギリシャ支援協議がさらに進展するか見守り、次回の会合で議論する必要があるとの認識を示した。

 一方、ドル円は取引序盤に109円ちょうど近辺でもみ合い。5月の米ADP雇用統計では民間部門雇用者数が17.3万人増と市場予想通りで、前月分が上方修正。その後発表された米新規失業保険申請件数は26.7万件と市場予想を下回り、3週連続の低下となったが、ドル円の反応は限定的だった。ただ、指標発表後しばらくすると、この日開催されていたOPEC総会で生産枠の合意が見送られたとの報道から原油先物価格は下落。米債利回りも低下基調となり、ドル円は108円台半ば近辺に下落した。

 取引中盤に入ると、ユーロドルは1.11ドル台半ばで下げ止まり、その後は1.11ドル台半ばを小幅上回る水準で小動き。ドル円は108円台後半に反発した。米週間原油在庫統計で原油在庫は136.6万バレル減と減少幅は市場予想を下回ったが、ガソリン在庫は149.2万バレル減と市場予想を上回る減少。これを受けて原油先物価格は反発。米債利回りも下げ止まり、ドル円をサポートした。

 後半は下げて始まった米国株が小幅プラス圏に浮上したことでドル円は108円台後半で強含む動き。一方、ユーロドルは1.11ドル台半ばで上値の抑えられる動きとなった。

 ダラス連銀のカプラン総裁は取引後半の講演で6月FOMCの1週間後に英国でEU離脱の是非を問う国民投票があるためFRBは6月会合での利上げを控える必要がある可能性があると指摘。一方で、金利を低水準にとどめておくことには代償があるとし、近い将来の利上げ実施を支持する
と述べた。

 ADP雇用統計、新規失業保険申請件数ともに底堅い結果となり、米労働市場の改善継続が確認された格好。原油先物価格はOPEC総会を受けて下げたものの、その後、反発しており、ドル円の下値を堅くした。とはいえ、6月FOMCでの利上げ期待が大きく高まっているわけでもなく、ドル買いの動きは強まらないまま。本日東京市場でのドル円は109円台に回復することはあるとしても、その後は上値が抑えられやすいとみる。ユーロは、ユーロ圏のインフレの弱さを背景にECBの追加緩和観測が根強く、売り優勢の動きが予想される。アジア通貨は本日も対ドルで方向感に欠ける動きとなりそうだ。

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