2016年6月4日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月3日)


 6月2日のロンドン市場はドル買い優勢の展開となった。ドル円は108円台後半から109円ちょうど近辺に上昇。米債利回りは上値の重い動きとなったが、ドイツ株は小幅プラス圏で推移し、日経平均先物も下値の堅い動き。この日発表される米雇用統計への期待感もあり、ドル円は底堅く推移した。

 ユーロドルは1.11ドル台半ば近辺から1.11ドル台半ば手前水準に小幅下落。5月のユーロ圏マークイット総合PMI(確報値)は53.1と市場予想に反し速報値から上方修正。ただ一方で、4月のユーロ圏小売売上高は前年比1.4%増と市場予想を下回り、前月分も下方修正。ユーロの重石となった。

 ポンドドルは1.44ドル台前半で上値の重い動きとなった。5月の英総合PMIは53.0と市場予想や前月を上回ったが、ポンドドルもドル買い優勢が続いた。

 NY市場は米経済指標を受けてドルが急落した。4月の米貿易収支は374億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回り、前月分の赤字も縮小方向に修正。ただ同時に発表された5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が3.8万人増と減少を記録した2010年9月以降、最も低い伸びに急鈍化。前月分、前々月分はあわせて5.9万人下方修正された。失業率は4.7%と2007年11月以来の低水準に低下したが、労働参加率は62.6%と前月から低下。平均時給は前年比2.5%増と市場予想通り、前月と変わらず。週平均労働時間は34.4時間と市場予想や前月を下回った。

 5月の米雇用統計が弱い結果となり、ドルは売り先行。ドル円は指標発表直後に108円台後半から107円台後半に急落。いったんはもみ合ったが、取引中盤に差し掛かる頃には107円ちょうど近辺に下落した。一方、ユーロドルは1.11ドル台半ば近辺から1.12ドル台半ば近辺に急上昇。いったん上昇一服となった後に1.13ドル台前半に上昇した。

 その後発表された5月のISM非製造業景況指数が52.9と市場予想を大きく下回ると、ドル売りの動きは続き、取引中盤までにドル円は106円台後半と約1カ月ぶりの安値に下落。ユーロドルは1.13ドル台半ば近辺に一段高となった。

 取引後半に入りFRBブレイナード理事は講演。同理事は雇用環境は減速しており、米経済指標はまだら模様だと指摘。今月23日の英国のEU離脱に関する国民投票や、中国経済の減速懸念などにより、世界経済のもら差はすぐに解消できそうにないとし、米景気の回復が確信できる追加データを待つのが有益とした。

 取引後半は米国株が下げ幅を縮める動きを見せたが、米債利回りはこの日の安値圏に低下。ドル円は106円台半ば近辺で上値の重い動き。ユーロドルは1.13ドル台前半に小幅下げたが、終盤には1.13ドル台後半に上昇した。

 カナダドルは対ドルで急上昇した。4月のカナダ国際商品貿易は29.4億カナダドルの赤字と赤字額が市場予想を上振れ。しかし米雇用統計の弱かったことでドルカナダはドル売りが先行し、1.30台後半から1.30ちょうど近辺に急落。いったんは、1.30ちょうどを挟んでもみ合いとなったが、その後は再びドル売りの動きが強まり、ドルカナダは1.29台前半まで下落。取引中盤以降は1.29台半ばを挟んで上下動を続けた。

 5月の米雇用統計は弱い結果に終わったが、大手通信会社のストで雇用が3.5万人減少したこともやや響いている様子。また6月2日に公表されたベージュブックでは、ほとんどの地区で労働市場のタイト化が指摘されており、今回の結果だけをもとに米労働市場が悪化に転じたと判断するのは早計のように思われる。

 来週(6月6日の週)、米国では米新規失業保険申請件数や6月のミシガン大消費者信頼感が発表されるが、市場の注目は7日午前1時半(日本時間)に始まるFRBイエレン議長の講演内容だろう。6月FOMC前の最後の手掛かりともいえ、5月の米雇用統計に関する言及が注目されるだろう。また利上げ再開の3条件とされる(1)第2四半期以降の経済成長加速、(2)労働市場の改善、(3)インフレの2%への接近、に関する考えも確認したい。

 日本では第1四半期GDP(二次速報値)が発表されるが、為替市場での注目度は低いだろう。消費増税の先送りが表明されたものの、赤字国債の発行も視野に入れた大規模景気対策は見送られる公算が高く、対策実施も今秋以降と気の長い話。アベノミクス再開に対する期待感は後退しており、日本側からの材料での円売りの動きは期待しにくい。

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