2016年6月7日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年6月6日)


 6月6日のロンドン市場は取引後半にユーロが下落した。ユーロドルは取引序盤に1.13ドル台前半から1.13ドル台後半に上昇。 4月のドイツ製造業受注は前年比0.5%減と市場予想に反し前年割れ。しかしドイツ株は上昇して始まるなど欧州株は堅調な動き。米債利回りが小幅低下したことでユーロドルはユーロ買い優勢となった。ただ、その後のユーロドルは1.13ドル台半ば近辺で動意に欠け、後半には1.13ドル台前半に下落。ポンドが下落したことでユーロも連れ安となった。

 ポンドドルは取引前半に1.43ドル台後半から1.44ドル台半ば近辺に上昇。週末に発表されたYouGovによる英国のEU残留・離脱を問う国民投票の世論調査(6月3日調査終了)ではEU離脱賛成が45%とEU残留賛成(41%)を上回り、東京市場でポンドドルは1.44ドル台後半から1.43ドル台後半に急落したが、ロンドン市場に入りポンドを買い戻す動きが強まる展開。取引中盤は1.44ドル台半ば近辺でもみ合うなど、ポンドは下値を堅くするとみられた。しかし取引後半に発表されたICMによる世論調査(6月5日調査終了)でもEU離脱賛成が45%とEU残留賛成(41%)を上回る結果。ポンドドルは1.43ドル台後半に下落。終盤は1.44ドルちょうど近辺に反発した。

 ドル円は107円ちょうどを小幅上回る水準で小動き。取引序盤に低下した米債利回りは、その後じり高の動きを続けたが、ドル買いの動きは強まらず。この日予定されているFRBイエレン議長の講演内容を見極めたいとの思惑も強く、ドル円は様子見姿勢が続いた。

 NY市場はFRBイエレン議長の講演を受けてドルが売られる場面もあったが一時的。取引後半にはドルが買い戻された。取引前半はドル円が107円ちょうどを小幅上回る水準で推移する一方、ユーロドルは1.13ドル台半ば近辺に小幅上昇した。

 アトランタ連銀のロックハート総裁は米系TVとのインタビューで、少なくとも7月会合まで辛抱強い姿勢でいることの代償が大きいとは個人的に考えていないと発言。「警戒を怠らず、今後数週間の動向を見守ることは可能だと考えると述べ、6月FOMCでの利上げに否定的な見方を示した。ただ5月の米雇用統計については、完全雇用に近づくのに伴う雇用創出の自然な減速や、月次統計の正常なボラティリティを反映している可能性があると指摘。米経済は緩やかな成長の軌道を進んでいるようだとし、インフレに関する限り、米金融当局が後手に回っているとは思わないと述べた。また年内の利上げ回数については、今から年末までの間に3回よりも2回の行動という考えにより傾いていると述べた。

 5月の米労働市場情勢指数は-4.8とマイナス幅が市場予想を大きく上回る結果。しかし米債利回りはじり高の動きが続き、ドル円は107円台前半、ユーロドルは1.13ドル台後半にそれぞれ小幅上昇。取引中盤に入り米債利回りの上昇が一服すると、ドル円は107円台前半で推移。ユーロドルは1.13ドル台半ば近辺に反落した。

 セントルイス連銀のブラード総裁は、一部米紙とのインタビューで6月FOMCでの利上げの可能性は低下したと明言。5月の米雇用統計は間違いなくマイナスのサプライズだったと氏、雇用増ペースが月20万人となる基調は終わったかもしれないと述べた。ただ一方で、米労働市場の広範なデータは依然として強さを示しているとも指摘。良好な経済指標が出そろってから利上げに踏み切ることができるとも述べ、7月FOMCでの利上げに含みを持たせた。

 FRBイエレン議長は講演冒頭で条件が合致すれば緩やかな利上げが適切となるだろうと発言。5月の米雇用統計は失望であり懸念されたが、前向きな国内景気の勢いがマイナス要因を上回っており、単月のデータを過度に重視すべきではないとし、想定通り、労働市場が力強さを増し、インフレが2%目標に向けて前進する状況と今後入手する指標が整合すれば、FFレートを一段と緩やかに引き上げることが適切となる公算が大きいと述べた。

 イエレン議長の冒頭の発言を受けてドル円は107円台半ばに上昇する一方、ユーロドルは1.13ドル台前半に下落。しかしその後、すぐにドル売りの動きに転じ、ドル円は106円台後半に下落。ユーロドルは1.14ドルちょうど手前まで上昇した。しかしイエレン議長が、質疑応答の中で正常な経済では現在より高い金利水準が適切と述べると、ドルは一転して買い戻しに。ドル円は上昇基調で推移し、終盤には107円台半ば近辺に上昇。一方、ユーロドルは1.13ドル台後半で上値の抑えられる動きとなった。

 FRBイエレン議長の講演内容は、5月の米雇用統計は弱かったとしながらも、利上げ継続への意思を示したものといえ、7月FOMCでの利上げ観測をある程度サポートした。ただ米債利回りは5月の米雇用統計発表前の水準を大きく下回ったまま。本日東京市場でのドル円は107円台後半で底堅く推移する可能性があるが、仮にそうなったとしても108円ちょうどあたりから上値が抑えられやすくなるとみられる。一方、ユーロドルは1.13ドル台後半で方向感に欠ける動きとなる見込み。アジア通貨は対ドルで底堅く推移すると予想される。

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