2016年8月29日月曜日

来年早々には利下げも視野に入るコロンビア

 先週末(26日)時点だが、対ドルで最も高い上昇率を記録した新興国通貨はコロンビア・ペソ(COP)で、5.8%の上昇を記録した。2位はロシア・ルーブル(RUB)の1.8%、3位がフィリピン・ペソ(PHP)の1.6%だから、COPの上げがいかに大きいかが分かるだろう。

 コロンビアは輸出の過半が石油・石油関連製品ということもあって、COPは原油先物価格との連動性が高い。NY原油先物価格は8月初めの1バレル=40ドルちょうど近辺から上昇を続け、8月19日には48ドル台後半まで上昇。それに合わせるかのように、COPは対ドルで3120台から2850台まで上昇した。

 8月下旬に入ると、NY原油先物価格の上昇は一服したが、46~48ドルのレンジで比較的安定した推移。COPも対ドルで2900を挟んで小幅上下動を続けている。ちなみにFRBイエレン議長が先週末にジャクソンホールで講演した後もCOPの下げは限定的で、先週末の対ドルでの下落率は0.2%に留まった。

 原油先物価格の先行きについては見方が分かれている。国際エネルギー機関(IEA)は、今年後半に需給が徐々に引き締まるとの見通しを公表。9月下旬に開催が予定されているOPEC非公式協議で増産凍結で合意されるとの見方も根強い。しかし一方で、OPECの機能不全を指摘する声も強く、現時点での原油価格水準では原油の需給改善は期待しにくいとの見方も根強い。

 結局、COPの先行きは原油価格次第との見方が自然となるが、これまで利上げを続けてきたコロンビア中銀が利上げを休止する可能性がある点には注意を払う必要があるだろう。コロンビア中銀は日本時間9月1日未明頃に政策金利を発表する予定だが、Bloomberg予想によると、予想回答者30名中、10名が25bpの利上げ、20名が金利据え置きを見込んでいる。

 議事録によると、コロンビア中銀の7月会合では、利上げを指示したメンバーの過半が目標水準を超えたインフレの存在がインフレ期待と賃金の物価連動との乖離を補強していると指摘。これにより中銀の信認も落ちており来年にインフレが目標レンジ(2~4%)に達する可能性を低下させているとも指摘した。一方、金利据え置きを支持したメンバーは最近のインフレは供給制約によるものであり、中期的なインフレ期待には影響しないと指摘した。いずれの言い分ももっともだ。

 とはいえ、タカ派・ハト派のいずれにとっても、利上げが続いたことでコロンビア景気が悪化を続けている点は否定できないだろう。6月の指標を見ると、都市部失業率は10.2%と3カ月ぶりの10台への悪化。鉱工業生産は前年比+6.6%と市場予想を上回る伸びを記録したが、小売売上高は同0.7%減と市場予想に反し2カ月連続の前年割れ。30日発表予定の第2四半期GDPは前期比0.1%増と2期連続の(ほぼ)ゼロ成長の見込みである。

 コロンビア中銀としては、景気悪化に伴うインフレ圧力の低下と、過去の利上げ効果でインフレが収まることを期待しつつ、これ以上の利上げを回避したいとの意向が強いと思われる。今回の会合では利上げは見送られ、インフレが落ち着くとみられる来年早々には利下げが視野に入ると予想される。

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