2016年8月17日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年8月16日)


 8月16日のロンドン市場はドルが下落。取引後半からは円買いの動きも加わった。ユーロドルは取引前半に1.12ドル台前半から1.12ドル台後半に上昇。米債利回りは上値の重い動き。東京市場後半に始まったドル売りの動きを受け継ぐように、ユーロドルはドル売り優勢となった。しかし取引中盤に発表された6月のユーロ圏貿易収支(季調値)は234億ユーロの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。8月のドイツZEW企業景況感は+0.5と、プラスに転じたものの、こちらも市場予想を下回ると、ユーロドルは1.12ドル台後半で伸び悩み。ところが終盤に再びドル売りの動きが強まり、ユーロドルは1.13ドルちょうどEU離脱を問う英国民投票(6月24日)以来の高値へと一段高となった。

 一方、ドル円は取引中盤まで100円台前半で小動き。下げて始まったドイツ株は、その後下げ止まり。中盤には前日終値水準まで下げ幅を縮め、ドル円をサポートした。しかし後半に入り、ドイツ株が下げ幅を広げる動きとなると、ドル円は6月24日以来となる100円割れ。その後は100円ちょうどでもみ合ったが、ロンドン市場引け間際には99円台後半へと一段安となった。

 ポンドも対ドルで上昇。ポンドドルは取引序盤に1.29ドルちょうど近辺から1.29ドル台前半に上昇した。その後、発表された7月の英CPIは前年比+0.6%と市場予想を上回り、同時に発表された6月の英住宅価格指数は前年比+8.7%と前月から加速。両指標発表後にポンドドルは1.29ドル台後半に上昇し、その後は同水準での推移を続けた。

 NY市場は米経済指標やNY連銀ダドリー総裁の発言を受けてドルが下げ止まった。取引序盤はドル売り・円買いの動きが強まり、ドル円は99円台半ば近辺に下落する一方、ユーロドルは1.13ドル台前半に上昇した。

 その後、発表された7月の米住宅着工件数は121.1万戸と市場予想を上回る一方、同時に発表された7月の米CPIは前年比+0.8%、コアCPIは同+2.2%と、いずれも市場予想を下回る伸び。指標発表とほぼ同時にNY連銀ダドリー総裁は米国のテレビ番組に出演し、追加利上げのタイミングは近付いており、9月の利上げはあり得ると発言。金利先物市場は利上げを織り込み切れていないと述べ、追加利上げが近いことを示唆した。同総裁の発言が伝わると米債利回りは上昇し、ドル円は100円台前半に急反発する一方、ユーロドルは1.12ドル台後半に急落した。

 その後、原油先物価格が小幅下落すると、米債利回りは反落。ドル円は100円ちょうど近辺に下落し、ユーロドルは1.12ドル台後半で持ち直したが、その後発表された7月の米鉱工業生産は前月比+0.7%、同月同国の設備稼働率は75.9%と、いずれも市場予想を上振れ。米債利回りは再び上昇基調を取り戻し、ドル円は取引中盤前に100円台半ばに上昇。ユーロドルは1.12ドル台後半で上値が抑えられた。

 取引中盤に入るとドル円は100円台前半に小幅下落し、ユーロドルは1.12ドル台前半での推移。後半に入り、アトランタ連銀のロックハート総裁が講演で年内に少なくとも1回の利上げが適切になるかもしれないと考えると述べると、ドル円は100円台半ば手前に小幅上昇したが、ドル買いの動きは強まらず、再び100円台前半での推移。ユーロドルは1.12ドル台後半で反応薄。その後、ドル円は100円台前半、ユーロドルは1.12ドル台後半で小動きを続けた。

 NY連銀ダドリー総裁の発言は、追加利上げに前向きな姿勢を示す内容と言えるが、今年5月に利上げ期待が後退した際にも同総裁は米経済が6月か7月の利上げを正当化するほど十分に力強い可能性があると発言しており、現時点では利上げ期待を大きく高めたようにも思えない。現にFFレート先物市場から計算される利上げ確率は9月FOMC時点で22%と昨日とほぼ同じ水準だ。ダドリー総裁の発言は、過度に買われている感もある米債市場への牽制のようにも見える。

 ただ、これといった新たな材料もない中での円買いが長く続くわけでもなく、ドル円の反発はある程度、自然に感ずる。日経平均先物はドル円が100円割れとなっても16500台を維持するなど下値の堅い動き。欧米株は下落したものの、高値圏からの調整ともいえ、市場のリスク回避姿勢が特段に強まったようには思えない。

 東京市場で再び円買いの動きが強まる可能性は否定できないものの、日銀による買いもあって日本株が下値の堅い動きを続けると予想される中、日本や中国で経済指標の発表も予定されておらず、やや材料難。本日東京市場でのドル円は100円台前半で方向感に欠ける動きが予想される。

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