2016年11月18日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月17日)


 11月17日のロンドン市場はドルが軟調な展開となった。ドル円は取引前半に109円台前半から109円ちょうど近辺に下落。ロンドン市場に入り米債利回りは低下。ドイツ株も小幅マイナス圏での推移となり、ドル売り優勢となった。しかし中盤に入ると、米債利回り、ドイツ株ともに下げ止まり。以降は109円ちょうどを挟んで小幅上下動となった。

 ユーロドルは取引前半に1.07ドルちょうど手前から1.07ドル台前半に上昇。中盤は1.07ドル台前半で伸び悩んだ。9月のユーロ圏建設業生産高は前年比1.8%増となり、前月分も上方修正。10月のユーロ圏CPI(確報値)は前年比+0.5%と市場予想通り速報値から小幅上方修正されたが、ユーロ買いの反応は見られず、ユーロドルは1.07ドル台前半でもみ合いを続けた。

 ポンドは上昇。ポンドドルは取引中盤まで上昇基調で推移し、1.24ドル台前半から1.25ドルちょうど近辺に上昇した。10月の英小売売上高は前年比7.4%増と市場予想を上回り、2002年4月以来の高い伸び。ポンド買いの動きを後押しした。しかし後半に入るとポンドはやや売り戻され、ポンドドルは1.24ドル台後半で推移した。

 NY市場はドルが上昇基調で推移した。ECBは理事会議事要旨(10月19、20日開催分を公表)。コアインフレは引き続き上昇トレンドに欠けており、QEの技術的な変更はインフレ見通しとは切り離せないと指摘。保護主義の兆候が投資行動の重石となること警戒との指摘もあった。ただユーロの反応は限定的で、ユーロドルは1.07ドル台前半でやや上値が重くなる程度の反応だった。

 その後、FRBイエレン議長の議会証言の事前テキストが公開され、米経済はFRBの目標に向け大きく進展したと評価。労働市場のさらなる拡大が視野に入ったようで、インフレは労働市場の改善を背景に2%に向けて推移するだろうと指摘。利上げは比較的早期に実施されることが適切となる可能性があるとし、12月FOMCでの利上げを示唆した。これを受けて、米債利回りは上昇し、ドルはじり高の動き。ドル円は109円ちょうどから109円台前半に上昇。ユーロドルは1.07ドル台前半から1.07ドルちょうど近辺に下落した。

 その後発表された10月の米住宅着工件数は132.3万戸、同月同国の建設許可件数は122.9万戸と、いずれも市場予想を上振れ。同月同国CPIは前年比+1.6%と市場予想通りだったが、コアCPIは同+2.1%と市場予想に反し前月から小幅鈍化。11月のフィラデルフィア連銀景況指数は+7.6と市場予想を下回ったが、米新規失業保険申請件数は23.5万件と1973年11月以来の低水準を記録した。

 米経済指標発表後、米債利回りは一段高となり、ドル円は109円台半ば近辺で底堅く推移する一方、ユーロドルは1.07ドルちょうど近辺で上値の重い動き。取引中盤に入りFRBイエレン議長は議会証言を開始。質疑応答で米新政権の政策を考慮するだろうと述べ、議長職は任期まで務める意向であると発言。新政権の政策はインフレ的な結果を持つ可能性があり、FRBはそれを考慮する必要があるだろうと述べた。同議長の発言が伝わると、米債利回りは再び上昇基調での推移となり、ドルも上昇。ドル円は取引後半に110円ちょうど近辺と6月1日以来の高値を更新。終盤は110円ちょうど手前で高止まり。ユーロドルは1.06ドル台前半と年初来安値を更新した。

 FRBイエレン議長の発言は新政権の政策をすでに意識していることを示し、市場のインフレ期待の高まりを是認していることを示唆したと考えられる。米10年債利回りは2.28%台と高止まっているが、アトランタ連銀の経済モデル「GDPナウ」では第4四半期GDP成長率見通しが3.6%まで加速。米景気の先行き期待を背景に米金利上昇期待がさらに高まる可能性もある。日経平均先物は1万8千円台を回復。本日東京市場でもドル円は堅調な推移が続くと予想される。

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