2017年3月16日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年3月15日)

 3月15日のロンドン市場はドルの上値が重い展開となった。

 ドル円は取引前半に114円台後半から114円台半ば近辺に下落。中盤に同水準で下げ止まり、後半にはいったん114円台後半に持ち直したが、終盤には再び114円台半ば近辺に下落した。ドイツ株は序盤に上昇したが、その後、前日終値水準に反落。米長期債利回りは低下基調で推移し、ドル円の上値を重くした。

 ユーロドルは取引序盤に1.06ドル台前半で小幅上昇。中盤も同水準で小動きとなったが、後半はロンドン市場序盤の水準に小幅下落した。第4四半期のユーロ圏雇用は前年比1.1%増と前期から小幅鈍化し、2015年第3四半期以来の低い伸び。ただ市場の反応は限定的だった。

 ポンドは英経済指標を受けて下落した。ポンドドルは取引中盤まで1.22ドル台前半で小動き。中盤に入り発表された2月の英失業率は2.1%と昨年1月と同様に1975年1月以来の低水準に低下。しかし同時に発表された1月の英週平均賃金は前年比2.3%増と市場予想を下回る伸びだった。英経済指標発表後、ポンドドルは1.22ドルちょうど近辺に下落。いったんは下げ止まったかのように見えたが、後半には1.21ドル台後半に下落した。

 NY市場は米経済指標を受けて円売り優勢の動きとなったが、中盤に入るとドルの上値が再び重くなり、終盤にFOMCの結果が発表されるとドルは大きく売られた。

 取引序盤に発表された3月のNY連銀製造業景気指数は16.4と市場予想を上回ったが、前月から低下。同時に発表された2月の米CPIは前年比+2.7%と市場予想通り前月から加速。コアCPIも同+2.2%と市場予想通りだった。同月同国の米小売売上高は前月比0.1%増と市場予想通りで前月から鈍化したが、前月分は同0.6%増に上方修正された。

 米経済指標発表後、ドル円は114円台半ば近辺から114円台後半に小幅上昇。一方、ユーロドルは1.06ドル台前半から1.06ドルちょうど近辺に下落した。

 取引中盤に近づき発表された3月の米NAHB住宅市場指数は71と市場予想を大きく上回り、2005年6月以来の高水準に上昇。同指標発表後、ドル円は114円台後半で強含んだが、ユーロドルは1.06ドル台前半で底堅く推移した。

 取引中盤に入り、米債利回りが低下すると、ドル円は114円台半ば近辺に下落し、ユーロドルは1.06ドル台前半で小動きとなった。

 取引終盤にFRBはFOMC声明を発表。FFレートの誘導目標は25bp引き上げられ0.75~1.00%となった。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は金利据え置きを主張し、唯一反対票を投じた。声明では、企業投資が幾分強まった様子と上方修正。ただ、経済活動の先行きについては、金融政策スタンスの緩やかな調整により、経済活動は緩やかなペースで拡大する見通し、とする従来の文言が維持された。

 同時に発表されたFOMCメンバーによる金利見通し(いわゆるドットプロット)は以下の通りだった。

2017年

0.875%(年1回) 2名
1.125%(年2回) 1名
1.375%(年3回) 9名
1.625%(年4回) 4名
1.875%(年5回) 0名
2.125%(年6回) 1名

※中央値は1.375%。カッコは利上げ回数見通し

 FOMC声明発表後、ドル円は113円台後半に急落する一方、ユーロドルは1.06ドル台後半に急上昇するなどドル売り先行。ただ、ドル売り一巡後にドル円は114円ちょうど手前水準に反発。ユーロドルも1.06ドル台後半でもみ合いとなった。

 FOMC声明発表の30分後、FRBイエレン議長が会見を開始。冒頭で利上げは米経済の進展が続いていることを反映したものだと指摘。再投資の方針は維持されたが、いずれ変更することについて協議したとし、財政再せく変更の可能性は協議しなかったことを明らかにした。また3回の利上げは緩やかなペースであると確実に言えるとし、仮に利上げ回数が予測中央値から1度ずれても、利上げペースはなお緩やかなものであるとの認識を示した。

 イエレン議長の会見中にドル円は113円台前半に一段安。いったんは113円台半ば近辺に反発したが、引けにかけては再び113円台前半に下落。一方、ユーロドルは1.07ドル台前半に上昇した後に1.07ドルちょうど近辺に反落。しかし引けにかけてオランダ総選挙の投票が締め切られ、出口調査の速報で与党・自民党が最大議席を獲得し、ウィルダース党首率いる自由党の獲得議席は19議席(総議席150)にとどまる見込みとの結果が報じられると、ユーロドルは1.07ドル台前半へと上昇し、この日の高値を更新した。

 FOMCで利上げが全会一致ではなく、金利据え置きを主張し、反対票が1票投じられたほか、一部で期待されていたドットプロットでの利上げ回数見込の上方修正が見送られたことで米債利回りは急低下。
ドルは大きく売られた。

 ただ昨年12月から比べれば、FOMCならびにFRBイエレン議長の米経済に対する見方はより前向きになったと感じられる。今回のドル売りの反応は、一部で行き過ぎたともいえる利上げペースに関する期待が剥落したためでしかなく、ドルはいずれ買い戻されると思われる。

 ただ本日東京市場でのドル円は、日銀金融政策決定会合の結果が発表されるまで様子見姿勢が強まると予想される。

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