2017年4月24日月曜日

地政学リスクの高まりによる一段高も考えられる台湾ドル(TWD)

 台湾景気が回復基調で推移している。3月の台湾・製造業PMIは56.2と、昨年12月に記録した過去最高と同水準に回復。同月同国の輸出は前年比13.2%増と、2カ月連続の二けたの伸び。鉱工業生産も前年比6.1%増と8カ月連続の前年越えが見込まれている。

 今週28日に発表予定の第1四半期GDPは、市場予想によると前年比2.5%増と前期から鈍化する見込み。2月の台湾小売売上高が前年比8.4%減と8年ぶりの大幅減を記録し、3月のCPIが前年比+0.2%と2カ月連続でゼロ%近辺に鈍化してしまったように、台湾の内需拡大ペースは緩やかなまま。台湾の景気回復は外需主導によるものといえそうだ。

 ただ台湾の外需を取り巻く環境はそれほど悪くない。第1四半期の中国GDPは前年比6.9%増と市場予想を上回り、2期連続で加速。4月の中国製造業PMIも51.7と前月とほぼ同じ水準を維持するとみられており、中国景気の安定感は増している。台湾にとって中国に次ぐ輸出シェアを持つ米国や日本の景気も底堅く推移しており、台湾の輸出は当面、拡大基調を維持するだろう。

 台湾政府は3月、今後8年間に鉄道などのインフレ建設に約3.2兆円の投資を実施すると発表した。政府主導のインフレ投資で台湾の内需も底堅さを増すと期待され、台湾景気は内需・外需ともに好調に推移するとみられる。

 低インフレ化での景気拡大期待を背景に台湾株は3月半ばまで堅調に推移。台湾の代表的な株価指数である加権指数は、3月21日に9976.6と1997年7月以来の10000ちょうど目前まで上昇した。その後、北朝鮮など地政学リスクの高まりで、加権指数は先週20日に9620台まで下落したが、本日(24日)は9760台まで反発した。

 外国人投資家による台湾株式市場への資本フローは、年初から3月まで増加基調が続き、3月末には年初来累計55.8億ドルと昨年の51%の水準に達した。しかし4月に入ると地政学リスクの高まりなどを背景に資本フローは一進一退の動きが続いており、先週末時点の累計額は56.3億ドルにとどまっている。

 北朝鮮は先週末、同国内に在住する米国人の身柄を出国手続き中に拘束。トランプ米大統領は当初の予定を変更し、日本時間本日(24日)午前に安倍首相と習近平・中国国家主席と電話会談する予定となっている。あくまで推測でしかないが、米国による北朝鮮攻撃リスクが高まっているようにもみえる。

 仮に米国が北朝鮮を攻撃するようなこととなれば、地政学リスクの高まりで世界的に株式市場は売り圧力が強まり、台湾株も下落を余儀なくされるだろう。しかし台湾のファンダメンタルズは、低インフレ、景気拡大期待、健全財政を背景に非常に強固だ。一般に地政学リスクの高まりは、リスク回避姿勢の強まりを通じ、ファンダメンタルズの強固な通貨が選好される。今後、地政学リスクが高まる場合、台湾ドル(TWD)の一段高も期待される。

 USD/TWDは足元で30.3台と2014年9月以来の安値(TWD高)圏にある。次の節目は年初来安値の30.15近辺で、ここを割り込めば、30ちょうど、2014年以降の安値である29.77近辺が視野に入る。
 
 
 



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