2017年5月15日月曜日

追加利下げの可能性が示されると下落基調が強まると思われるチリ・ペソ(CLP)

 チリ中銀は19日、政策金利を発表する。Bloomberg調査によると、予想回答者16名のうち、7名が25bpの利下げを、9名が金利据え置きを見込んでいる。かろうじて金利据え置きを見込む声が多いものの、利下げか金利据え置きかで見方二分しているといえる。

 利下げを見込む者は、チリ景気の回復の遅れを重視したと思われる。18日に発表される第1四半期のチリGDPは、前年比0.2%増と2期連続の1%割れの見込み。仮に市場予想通りとなれば、2009年第3四半期にマイナス成長(前年比1.0%減)を記録して以来、最低の伸びとなる。4月のチリ企業景況感は44.11と、昨年後半より高い水準にあるものの2カ月連続の低下。チリ景気は依然として弱く、需給ギャップは負のままで、追加利下げは肯定されることになる。

 一方、金利据え置きを見込む者は、チリのインフレ鈍化が止まり、4月の金融政策決定会合後にチリ・ペソ(CLP)安が続いていることを意識していると思われる。4月のチリCPIは前年比+2.7%と3カ月連続で同じ伸び。利下げが続いたこともあり、チリの実質金利は低下傾向にある。

 USD/CLPは3月半ばに670台と年初の水準まで上昇したが、その後は一転して買い優勢の動きが続き、4月17日には645台まで下落。会合議事録によると、CLP高の動きは4月の会合でも議論されており、利下げ決定の一つの要因となった。しかし、その後、USD/CLPは上昇(CLPは下落)基調で推移。5月9日には681台と年初来高値を更新。その後、下落したものの、先週末時点でも671台と高値圏を維持している。

 4月の会合でも議論されたことだが、各種サーベイによると、市場は2.50%までの利下げは織り込んでいる様子。仮に今回(5月19日)の会合で25bpの利下げが決まったとしても、ギリギリではあるが市場の想定の範囲内となる。市場予想が示すように、今回の会合では、25bpの利下げ、もしくは金利据え置き、はいずれもありうることとなる。

 ただ仮に25bpの利下げが決まった場合、声明文では利下げ局面の終了を示唆するメッセージが追加されるだろう。インフレ鈍化が止まるなか、さらなる利下げの可能性を残すことは、インフレ期待を刺激する恐れが強まる。

 しかしチリ政府からの圧力もあり、チリ中銀が景気悪化に対する懸念を示し、さらなる利下げに前向きな姿勢を示すとなると、CLP安の動きはさらに続くとみるべきだろう。チリの政策金利は2%台と、他中南米各国に比べ非常に低く、追加利下げによる景気刺激余地は限定的。チリ当局がさらなる景気刺激を望むとすれば、CLP安への誘導が必要となる。

 USD/CLPは昨年1月に732.67の高値を付けたあとに下落基調で推移。今年2月には635.77の安値に達した。次の節目は2月の安値の半値戻し水準であり、5月9日の高値でもある684.1近辺。その次は61.8%戻し水準の695.6近辺となる。ここも上抜けると、710近辺や、昨年1月の高値水準である730近辺が視野に入る。


 

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