2017年5月20日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年5月19日)


 5月19日のロンドン市場はユーロが上昇。ユーロドルは1.11ドル台前半から1.11ドル台後半に上昇した。取引前半に発表された3月のユーロ圏経常収支(季調値)は341億ユーロの黒字と、黒字額は過去最高を記録した前月から減少したが高水準。米債利回りが伸び悩むなか、ECBの緩和縮小期待もあってユーロは買いの動きが続いた。

 ドル円は取引前半に111円台前半から111円台半ば近辺に上昇。中盤には一時111円台後半に上昇したが、後半は111円台前半に反落した。ドイツ株はプラス圏で推移したが、米債利回りが取引後半に伸び悩んだことでドル円の上値は重くなった。

 NY市場はユーロが上昇基調で推移。一方、円は方向感に欠ける展開となった。

 NY市場に入り米債利回りは低下基調となり、ドルは売り優勢の展開。ドル円は111円ちょうど近辺に下落する一方、ユーロドルは1.12ドルちょうど手前まで底堅く推移した。しかし取引中盤に近づき、原油先物価格が上昇したことで米債利回りも反発。ドル円は111円台半ば近辺に反発。ユーロドルは、5月のユーロ圏消費者信頼感が-3.3と2007年9月以来の高水準を記録したが、1.12ドルちょうど手前で伸び悩んだ。

 取引中盤に入り米債利回りが伸び悩むと、ドル円は111円台半ば手前、ユーロドルは1.12ドルちょうど手前で、それぞれもみ合い。後半は米国株が伸び悩んだこともあり、ドル円は111円台前半で上値の重い動き。ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺に小幅上昇した。

 引けにかけて一部米紙が米大統領選でトランプ陣営とロシアが協調していた可能性を巡る捜査で、現ホワイトハウス当局者1人が参考人として特定されたと報道。これを受けて米債利回りは前日終値水準まで低下。ドル円は一時111円ちょうど近辺まで下落した後に111円台前半で終了。ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺での推移を続けた。

 カナダドルは上昇基調で推移した。4月のカナダCPIは前年比+1.6%、コアCPIは同+1.3%と、ともに市場予想に反し前月と変わらず。同時に発表された3月のカナダ小売売上高は前月比0.7%増と市場予想を上回ったが、コア売上高は同0.2%減と市場予想に反し減少となった。これを受けてドルカナダは1.35台後半から1.36ちょうど近辺に上昇。ただ、その後、原油先物価格が上昇すると、ドルカナダはカナダドル買い優勢の展開。取引中盤には1.35台前半に下落。後半も下落基調が続き、引けは1.35ちょうど近辺で終わった。

 米議会上院の情報特別委員会はトランプ大統領が今月上旬に解任したFBIコミー前長官が近く同委員会に出席すると発表。司法省は17日に政権から独立した特別検察官にモラー元FBI長官を任命し、トランプ政権とロシアの不適切な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」の捜査に当たらせている。コミー氏の委員会での証言や今後の調査で、トランプ氏による司法妨害が違法行為として立証されれば、大統領の弾劾も視野に入る。

 ただ、ニクソン大統領のウォーター・ゲート事件や、クリントン大統領のルインスキー氏の不貞問題を例にすれば仮にトランプ大統領が弾劾裁判にかけられ、実際に弾劾となったとしても、それまでに1年以上の時間がかかる見込み。また上院では弾劾決定に3分の2の賛成票が必要で、弾劾決定のハードルは高い。そして、仮にトランプ大統領が弾劾されたとしても、その場合、ペンス副大統領が大統領に昇格するだけ。一部市場関係者からは、ペンス副大統領の昇格を望む声すら聞こえる。トランプ大統領弾劾が市場のリスクオフを促すという図式にはやや無理があるようにも思える。

 とはいえ、トランプ大統領に財政刺激策については、あまり大きな期待が持てない状況になりつつある。一部メディアは、米行政管理予算局(OMB)の高官の話として、トランプ大統領は予算教書で国内インフラへの投資を促進するために今後10年間で2000億ドルの支出を提案すると報道。トランプ大統領が議会演説で1兆ドル規模のインフラ投資法案を明らかにしたことを考えると、かなりスケールダウンすることになる。

 来週はFOMC議事録やOPEC総会、米GDP改定値、週末にはG7首脳会談、そしてトランプ米大統領はサウジを訪問するなど材料は盛りだくさん。ただ、いずれもドル高を大きく促す内容になるとは期待しにくい。来週のドル円の想定レンジは109.6~113.0で上値が抑えられやすいと予想される。

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