2017年6月17日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年6月16日)


 6月16日のロンドン市場は円売りとユーロ買いの動きが優勢となった。

 ドル円は111円台前半でじり高の動き。米債利回りは方向感に欠ける動きが続いたが、ドイツ株は前日比プラスで始まり、その後もプラス圏を維持。ドル円は下値の堅い動きとなった。

 ユーロドルは取引前半に1.11ドル台半ば近辺から1.11ドル台後半に上昇。前日(15日)のユーロ圏財務相会合はギリシャへの85億ユーロの追加融資を実施することで合意。ギリシャ債償還懸念の後退がユーロをサポートした。

 取引中盤に入り発表された5月のユーロ圏CPI(改定値)は前年比+1.4%と市場予想通り。同指標発表後、ユーロ買いの動きは一服し、ユーロドルは1.11ドル台後半で小動き。終盤には1.11ドル台後半で上値の重い動きとなった。

 NY市場は取引前半にドルが下落。中盤以降もドルは上値が抑えられる展開となった。

 取引序盤に発表された5月の米住宅着工件数は109.2万戸と市場予想を大きく下回り、昨年9月以来の低水準。同時に発表された同月同国の建設許可件数は116.8万戸とこちらも市場予想を大きく下回り、昨年4月以来の低水準に落ち込んだ。

 両指標発表後、111円台半ば手前まで上げていたドル円は111円台前半に下落。いったんは下げ止まりの動きも見せたが、その後、111円割れへと一段安となった。一方、ユーロドルは1.11ドル台後半で底傘を増す動きとなった。

 取引中盤に近づき発表された5月の米労働情勢指数は+2.3と市場予想を下振れ。同時に発表された6月のミシガン大消費者信頼感(速報値)も94.5と市場予想を下回り、米大統領選の昨年11月以来の低水準に低下。ドル円は111円ちょうど手前でもみ合いとなったが、ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺に一段高となった。

 取引中盤に入ると、ドル円は110円台後半と、この日の安値を更新する形で下落。その後、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は6月FOMCでの利上げ反対について声明を発表。同総裁は物価指標がさらに出るまで利上げを待つべきだったとし、コアインフレの低下が一時的なものであるかはわからないと指摘した。

 取引後半に入り、ダラス連銀のカプラン総裁はイベントでの質疑応答でインフレは現時点で非常に抑制されていると指摘。労働市場は完全雇用状態であるが、追加利上げに対しては非常に慎重にあるべきで個人的にはインフレの改善を確認する必要があるとの見方を示した。またバランスシートの縮小は年末より前に開始すべきとの考えも示した。

 二人の地区連銀総裁の発言が伝わったが、ドル円は110円台後半で小動き。ユーロドルは1.12ちょうど手前に小幅下落した後に1.12ちょうどに小幅上昇したが、終盤は同水準で動意に乏しくなった。

 米国株式市場ではハイテク株に軟調ぶりが目立つようになり、米10年債利回りは2.15%台と昨年11月10日以来の低水準のまま。アトランタ連銀の「GDPナウ」では第2四半期の成長率見通しが2.9%に、NY連銀の「ナウキャスト」では1.9%にそれぞれ下方修正されるなど、米景気の先行きについては、期待が盛り上がるというよりも、懸念が強まりつつあるように思われる。

 どちらかというと中立派に属するといわれているダラス連銀のカプラン総裁ですらインフレの伸び鈍化に対し慎重な姿勢を示しており、今年3回目の利上げのハードルは思ったよりも高い様子。年内にバランスシートの縮小開始に着手するのがFOMCの総意なのかもしれないが、金融政策の正常化プロセスが市場の見込み以上に緩慢なものになる可能性は十分にある。

 16日東京市場でドル円は底堅さを増し、5月の米CPIや小売売上高発表後の下げを完全に埋めた形になったが、米住宅着工を受けて下落。米景気の先行き期待や、追加利上げムードが後退している状況で、ドル円が力強く上昇すると期待するのは無理があるように思われる。

 来週発表される米経済指標のうち注目されるのは中古住宅販売件数くらい。住宅着工件数が市場予想を下回ったことで、中古住宅販売も市場予想を下回る恐れが高まっているようにも思われる。来週のドル円は、底堅く推移する米短期債利回りがドル円の下値をサポートするだろうが、上値追いの雰囲気が強まるとは期待しにくい。結果的にドル円は108~112のレンジ内で方向感に欠ける動きが続くと予想される。

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