2017年6月28日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年6月27日)



 6月27日のロンドン市場はECBドラギ総裁の発言を受けてユーロが上昇。円は売り戻しの展開となった。

 取引前半のユーロドルは1.11ドル台後半で上値の重い動き。しかしECBドラギ総裁はECBフォーラムでの冒頭の挨拶でインフレを抑制する要素の大半は一時的なものであると指摘。デフレ圧力はリフレの力に置き換わったとも述べ、インフレに対する見方をやや変えたことを示唆した。

 同総裁は、その後、インフレの勢いが持続的かつ自律的なものになるにはなお相当程度の金融緩和が必要であり、インフレ率がECBの目標水準に戻ることを確実にするには、ECBの金融政策を粘り強く続ける必要があるとも述べたが、ユーロは同総裁の冒頭の発言を受けて買いが先行。ユーロドルは1.12ドル台半ば近辺まで急上昇。その後も1.12ドル台半ば近辺でもみ合いを続けた。

 ドル円は取引前半に111円台後半から111円台半ば近辺に下落。しかしECBドラギ総裁の発言を受けて米債利回りが上昇。ドイツ株はマイナス圏での推移を続けたが、ドル円はじり高の動きに転じ、取引後半は111円台後半で底堅く推移した。

 ポンドは底堅い動き。ポンドドルは取引中盤までじり高の動きとなり1.27ドル台前半から1.27ドル台半ば近辺に上昇。後半は1.27ドル台半ば近辺で方向感に欠ける動きとなった。6月の英CBI小売景況感は+12と市場予想を大きく上振れ。BOE金融安定報告書では、ブレグジットに備える措置として、銀行に対するカウンターシクリカル資本バッファーをゼロから0.5%に引き上げ、さらに11月には1.0%に引き上げると発表された。

 NY市場はユーロやポンドが上昇基調で推移。一方、円は取引中盤まで下落基調で推移したが、後半には買い戻しの動きが見られた。

 NY市場に入ってもドイツ債利回りは底堅いままで、米債利回りも上昇基調で推移。ユーロドルは1.13ドルちょうど近辺に上昇し、ポンドドルも1.27ドル台後半で底堅く推移。一方、ドル円はIMFが今年の米成長率見通しを2.3%から2.1%に下方修正し、米政府の見通しは楽観的すぎると指摘したこともあって、112円ちょうど手前でやや伸び悩む動きとなった。

 取引中盤に近づき発表された6月の米消費者信頼感は118.9と市場予想に反し前月から上昇。同時に発表された6月のリッチモンド連銀製造指数も+7と市場予想や前月を上回った。両指標発表後、ドル円は112円ちょうどを上抜け。一方、ユーロドルは1.12ドル台後半に小反落。ポンドドルは1.27ドル台後半で下値の堅い動きを見せた。

 取引中盤に入り、ドイツ債利回りは上昇基調を強めると、ユーロドルは1.13ドルちょうどを上抜け、1.13ドル台前半に上昇。ドル円も112円台半ば手前に上昇し、ポンドドルは1.28ドルちょうど手前に小幅上昇した。

 取引後半に近づき、FRBフィッシャー副議長は講演原稿で足元での高い資産価格は将来の不安定リスクにつながると指摘。株式市場でのPERは歴史的に最高水準に近いとも指摘するなど、米国株高に対し慎重な見方を示した。同副総裁の指摘が伝わると、米国株は下落基調に転じ、ドル円は112第前半に下落。ユーロドルも1.13ドル台前半で上値が抑えられたが、ポンドドルは1.28ドルちょうど手前で下値の堅い動きを維持した。

 取引後半に入りFRBイエレン議長はロンドンでの講演を開始。低失業率がインフレを押し上げると当局者の多くは確信していると発言。金利を非常にゆっくりと引き上げるのが目標達成で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしているとも述べ、トランプ政権との関係についてはコメントを避けたが、同政権はFRBの独立性を尊重しているとも述べた。また同議長は資産価格について、一部の指標において高くみえるが、確信はないと述べた。

 米上院の共和党指導部がイエレン議長の講演中にヘルスケア法案の採決を7月4日の米独立記念日に伴う休会後まで延期する意向を示すと、いったんは下げ止まった米国株は再び軟調となり、ドル円は112円ちょうど近辺まで下落したが、引けにかけては112円台前半に反発。ユーロドルはじり高の動きを続け、終盤には1.13ドル台半ばで推移。ポンドドルは1.28ドル台前半に上昇した。

 IMFが指摘したようにトランプ政権による米景気加速ストーリーは現実味の薄い話に変化。米上院でヘルスケア法案の採決延期が決まったことで市場の米景気期待は大きく後退した。

 しかし米債利回りはECBのテーパリング期待で上昇。市場の期待通りECBがテーパリングに前向きになるとは考えにくいが、欧米が金融政策の正常化に前向きな姿勢を示す(示しつつある)中、日銀だけが金融緩和継続となれば、円売り優勢となるのも自然である。

 欧米株は下落したが、市場のリスク回避姿勢が強まっているわけでもなく、本日東京市場でのドル円は112円台前半で底堅い動きを続けると予想される。

0 件のコメント:

コメントを投稿