2017年6月29日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年6月28日)


 6月28日のロンドン市場は円がやや神経質な動きをする一方、ユーロは方向感に欠ける動きとなった。

 ドル円は取引前半に112円台前半から112円割れへと下落。欧州株が軟調な動きとなり、ドル円は円買いが先行した。しかし、中盤に入り、欧州株が下げ止まりから緩やかに下げ幅を縮める動きとなると、ドル円は112円台前半に反発。後半は米長期債利回りがやや低下したことで、112円台前半で上値が重くなった。

 ユーロドルは1.13ドル台後半で方向感に欠ける動き。5月のユーロ圏M3は前年比5.0%増と市場予想通り。欧州株は下げたものの、ECBドラギ総裁の前日の発言を背景にECBによるテーパリング開始観測がユーロをサポートした。

 NY市場はBOEカーニー総裁の発言がポンドが急騰。一方、ユーロはECBドラギ総裁の前日の発言に関する報道で下落する場面もあったが、その後、持ち直し。円は動意に欠ける展開となった。

 ユーロドルは1.13ドル台後半でじり高の動きを見せたが、その後、1.13ドルちょうど割れに急落。一部メディアが、前日のECBドラギ総裁の発言を市場は過って判断していると、一部関係者の話として報道。同総裁の意図はユーロ圏経済の力強さへの認識と、金融面での支援がなお必要だとの警告との間でバランスを取ることだったと、複数の関係者の話として報道され、政策担当者はドラギ総裁後のユーロ高の動きについて、市場の反応は過敏であると指摘したことも報じられたことが材料視された。

 一方、ドル円は112円ちょうど近辺でやや上値の重い動き。ECBドラギ総裁に関する報道を受けて欧州債利回りは低下。米債利回りも低下し、ドル円の上値を重くした。

 取引前半に入りしばらくすぎたところでBOEカーニー総裁はECBフォーラムでのパネル討論会でMPCが認識する問題が解消に向かい、それに伴って金融政策の決定が従来式のものに近づくようになれば、金融政策による景気刺激をいくらか解除することが必要になる公算は大きいと発言。同発言が伝わると、1.28ドル台半ば近辺にあったポンドドルは1.29ドル台後半まで急上昇。1.13ドル台前半に持ち直したユーロドルは1.13ドル台後半へと連れ高となった。

 中盤に近づき発表された5月の米中古住宅販売成約指数は前年比+0.5%と市場予想通り。ドル円は112円ちょうどを小幅上回る水準、ユーロドルは1.13ドル台後半で、それぞれ小動き。中盤に入り米債利回りは低下したが、ドル円は112円ちょうどを小幅上回る水準を維持。ポンドドルは1.29ドル台前半に反落。ユーロドルは1.13ドル台半ば近辺に連れ安となったが、その後、1.13ドル台後半に持ち直した。

 取引後半は米国債、米国株ともに動意に乏しくなったが、ドル円は112円台前半に小幅上昇。ユーロドルは1.13ドル台後半、ポンドドルは1.29ドル台前半で動意に乏しくなった。

 ECBドラギ総裁の発言でユーロ買いが続いたが、さすがにまずいと思ったのかECB関係者がメディアを使って市場の反応を牽制。ただユーロは、いったん売られた後に持ち直しており、市場のECBテーパリング期待が後退したわけではないように思われる。

 このままユーロ高が続けば、ユーロ圏のインフレ圧力も低下せざるを得ず、ユーロ圏景気を下支えしてきた外需も縮小に向かう。ECBは技術的な理由でテーパリングを始めるかもしれないが、ドラギ総裁はユーロ高を暗に指摘しながら、金融緩和の長期化の必要性を主張し続けることになるだろう。

 ドル円は米債利回りの上昇を受けて112円台に上昇したが、米景気の先行き期待が大きく強まったわけではなく、米債利回りの上昇も一服。本日東京市場でのドル円は上値の抑えられる展開が予想される。

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