2017年6月3日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年6月2日)


 6月2日のロンドン市場は円、ユーロともに動意に欠ける展開となった。

 ドル円は111円台半ば近辺で推移。米債利回りは短期債中心に低下基調で推移。ドルの重石となったが、ドイツ株は堅調に推移。市場のリスク選好姿勢がドル円の下値を支えた。

 ユーロドルは1.12ドル台前半で小動きを続けたが、終盤に1.12ドルちょうど近辺に小幅下落。4月のユーロ圏PPIは前年比+4.3%と市場予想を下振れ。ユーロの上値を抑えた。

 NY市場は米雇用統計発表後にドルが大きく下落した。

 取引序盤に発表された5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が13.8人増と市場予想を大きく下回り、3月分、4月分も下方修正。失業率は4.3%と市場予想に反し前月から低下し、2001年5月以来の低水準を記録したが、労働参加率は62.7%と市場予想に反し前月から0.2%pt低下。平均時給は前年比2.5%増と市場予想を下回った。

 米雇用統計が弱い結果に終わったことで、指標発表後、ドルは売りが先行。ドル円は110円台後半に急落する一方、ユーロドルは1.12ドル台後半に急伸した。取引中盤に近づくと、いったん反発した米債利回りが低下基調に転じたことで、ドル円は110円台半ば近辺に小幅下落。ユーロドルは1.12ドル台後半で下値を堅くした。

 取引中盤に入り、米国株は上げ幅を広げる動き。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、米インフレは今年末には2%近辺に達し、雇用創出力は依然として強いと指摘。今年は計3回の利上げを予想していると述べ、5月の非農業部門雇用者数の伸び(13.8万人増)は良い数字と発言した。米債利回りはハーカー総裁の発言を受けて持ち直し。ただドル円は110円台半ば近辺、ユーロドルは1.12ドル台後半で動意薄。後半に入り、米国株が伸び悩み、米債利回りの上昇も一服したが、ドル円は110円台半ば近辺、ユーロドルは1.12ドル台後半での推移を続けた。

 米雇用統計では、失業率が低下したこともあり、米労働市場のスラック縮小を印象付けたように思われる。しかし労働参加率が再び低下し、平均時給の伸びも鈍化。これまで堅調に推移してきた米労働市場の軟化を示唆した可能性があり、FRB当局者の多くが指摘するようにインフレが加速する、との期待を後退させる内容だったといえる。さすがに6月FOMCでの追加利上げは既定路線だろうが、7月以降は米労働市場の状況を確認せざるを得ず、追加利上げは見送られるとの見方はもっともらしくみえる。

 米景気は堅調地合いを維持していると思われるが、米10年債利回りは節目とされる2.20%を大きく下振れ。昨年11月の米大統領選前の水準(1.8%近辺)からは依然として距離があるものの、米景気に対する期待もさほど強くないと判断せざるを得ない。

 ドル円は200日移動平均水準(110.3近辺)に接近しており、来週は同水準がサポートとして機能するかが注目される。ただ来週はFOMC前週ということでFRB当局者による発言予定はなく、注目度の高い米経済指標はISM非製造業景況指数と新規失業保険申請件数くらい。米債利回り次第とはいえ、ドル円は下値の堅い動きになるのではないかと思われる。

 なお来週は8日に英総選挙が予定されている。英世論調査は、昨年6月の国民投票の例を見ればわかるように、予測精度が他国に比べ低いように思われる。保守党が苦戦し、いわゆるハングパーラメント(第1党が過半数を確保できない状態)となる可能性も否定できず、ポンドが大きく売られる恐れも意識しておくべきと思われる。

 8日にはECB理事会も予定されている。フォワードガイダンスの変更に対する期待感は根強いようだが、ユーロ圏のインフレが予想以上に鈍化する中、ユーロ高の影響が今後加わることを考えれば、ドイツはともかくとして、ECB(ユーロ圏全体)が金融緩和の解除に前向きになるとは考えにくい。

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