2017年7月3日月曜日

中国・資本流出の一服はアジア通貨や円安の動きをサポート

 6月29日に発表された1-3月期の中国・国際収支統計は、中国の資本流出が一服したことを示す結果となった。

 経常収支は184億ドルの黒字と、前年同期の452億ドルの黒字から59.4%の大幅減。貿易収支が823億ドルの黒字と、3年ぶりの1000億ドル割れとなる一方で、サービス収支は607億ドルの赤字と、赤字額が前年同期から11.7%増加した。

 一方、準備資産を除いた金融収支(中国の資本流出入)は368億ドルの黒字(資本流入)と3年ぶりに黒字に転換。直接投資が126億ドルの黒字と2期連続で黒字を維持。証券投資は79億ドルの赤字と3期連続の赤字となったが、その他投資は322億ドルの黒字となった。

 中国の資本流出が一服した1-3月期の人民元レート(対ドル)は、年初の6.95から元高方向に推移し、1月中旬には一時6.83台と昨年 11月以来の元高を記録。2月は6.85~6.89、3月は6.86~6.89と、やや元安方向に推移していたが、昨年10-12月期での元安基調に比べれば、非常に安定的な推移を続けたといえる。

 人民元の安定感が増したのは中国の資本流出が一服したからだろう。現に、人民元買い介入の原資となる準備資産は26億ドルの減少にとどまった。

 4月以降も中国の資本流出は抑制されたままである。中国・国家外貨管理局が公表した「銀行口座経由の対外取引高(银行代客涉外收付款数据)」によると、中国の市中銀行を経由した中国民間部門の資本流出額は、3月に174億ドル、4月に153億ドル、5月に218億ドルと、3カ月連続で流出超。ただ流出額は、平均して200億ドル未満に収まっており、昨年平均(月間300億ドル)より小さい。人民元レートが5月下旬から元高基調が強まり、6月末は6.76まで元高が進んだことも考えると、中国の資本流出は収まったままと考えられる。

 中国の資本流出が収まり、人民元が対ドルで底堅く推移する背景の一つに、中国景気の安定がある。6月の中国製造業PMIは51.7、同月同国の非製造業PMIは54.9と、いずれも3カ月ぶりの高水準を記録。今秋の中国共産党大会が終わるまで、中国当局は景気安定を優先するとの見方が強まっている。

 中国景気の安定期待は、アジア通貨のサポートにつながっている。今年4-6月期のアジア通貨の対ドルパフォーマンスを見ると、MYRが3.1%、SGDが1.5%、THBが1.2%の上昇をそれぞれ記録。KRWが2.2%安とアジア通貨の中で唯一大幅下落となったが、ファンダメンタルズが脆弱なPHPですら0.5%安にとどまっている。

 中国景気の安定はドル円のサポートにもなっている。ドル円は4月半ばに108円ちょうど近辺まで下落したが、その後は上昇基調で推移し、5月上旬には114円台まで上昇。5月中旬に再び下落基調に転じ、6月のFOMC直後は109円割れとなったが、その後はじり高の動きが続き、本日は112円台半ばまで上昇している。今年4-6月期のドルのG10通貨に対するパフォーマンスは、円を除いてすべて下落。円に対してのみ0.9%高となっている。ドル安の動きに注目が集まるなか、円安の動きが続いていることにも注意を払うべきだろう。









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