2017年7月10日月曜日

当面じり安の動きとなりそうなインドネシア・ルピア(IDR)


 インドネシアの資本フローに変化が生じている。外国人投資家によるインドネシア株式市場での資本フローは、今年1月、2月こそ小動きだった3月からは流入超で推移。5月下旬には年初来の資本流入額が2165億ドルに達した。しかし6月に入ると、インドネシアへの資本フローは一転して流出超で推移。先週末(7月7日)の年初来資本流入額は1167億ドルまで縮小した。

 インドネシアの資本フローが流出超に転じた背景の一つに先進国債利回りの上昇が考えられる。たとえば米2年債利回りは、3月半ばに1.40%手前まで上昇後、4月半ばまで下落基調で推移。5月には一時1.36%台まで反発したが、下旬には1.30%ちょう近辺で上値が抑えられた。しかし6月に入り、米FRBの追加利上げ観測が浮上すると、同利回りは上昇基調で推移。7月には一時1.43%台と3月の高値を上回った。

 一方、インドネシア2年債利回りは今年に入ってから低下基調で推移。年初に7.40%ちょうど近辺だった同利回りは、6月下旬には6.40%近辺まで低下した。インドネシアへの資本流入は、高水準にある同国の金利目当てにしたものも多く、先進国金利が上昇気味である一方、インドネシアの金利が低下すれば、同国への資本流入が流出に転じてしまうのも無理はない。

 インドネシアのファンダメンタルズも徐々にではあるが改善が一服しつつある。6月のインドネシアCPIは前月比+0.69%、コアCPIは同+0.26%と、いずれも3カ月連続で加速。5月の同国M2は前年比11.08%増と、2015年9月以来の高い伸びを記録した。レバラン休暇明けの7月もインフレが加速するようだと、同国のインフレ懸念が強まると予想される。

 一方でインドネシア景気は改善ペースが鈍い。第1四半期の同国GDPは前年比5.01%増と3期連続で5%ちょうど近辺の伸び。第2四半期の景気は第1四半期より改善した模様だが、それでもGDP成長率は5.2%程度で、今年通期でみても5.0~5.4%程度の伸びに留まるとみられている。

 インドネシア・ルピア(IDR)は、年初から安定的な動きを続けており、6月まで対ドルで
概ね13250~13400で方向感に欠ける動きを続けてきた。しかし7月に入ると、IDRは売り優勢となり、対ドルで13350~13400のレンジに上方シフト。週明けの本日(7月10日)は13400近辺とレンジの上限付近で推移している。

 インドネシア中銀は世界景気の拡大を背景に同国景気も持ち直すとの見方を示しているが、今年の成長率見通しは5.0~5.4%と慎重な姿勢を維持している。インフレ圧力が高まりつつあるとはいえ、前年比でみた伸び率は4%台前半と同中銀のインフレ目標レンジ(3~5%)の範囲に収まっていることもあり、同中銀がすぐさま利上げに動くとは考えにくい。

 このためIDRは当面、じり安の動きが続くとみるのが自然と思われる。USD/IDRの次の上の節目は13500ちょうど。米国を中心に先進国金利の上昇ピッチが上がるようだと、USD/IDRは13750も視野に入る。






 





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