2017年7月13日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年7月12日)



 7月12日のロンドン市場は円とユーロが動意に欠ける一方、ポンドが英経済指標を受けて反発した。

 ドル円は113円台半ば近辺で小動き。米債利回りは取引中盤に小幅下落したが、ドイツ株はプラス圏で底堅く推移。この日予定されているFRBイエレン議長の議会証言を見極めたいとの思惑も強く、ドル円は様子見姿勢が強かった。

 ユーロドルは1.14ドル台半ばを挟んで小幅上下動。5月のユーロ圏鉱工業生産は前年比+4.0%と市場予想を上回ったが市場の反応は限定的。ユーロドルもドル円と同様に様子見姿勢が強かった。

 ポンドドルは取引序盤に1.28ドル台前半でこう着。その後発表された6月の英失業率は2.3%と前月と変わらずだったが、3-5月のILO失業率は4.5%と約40年ぶりの低水準。雇用者数は17.5万人増と市場予想を上振れたが、5月の英週平均賃金は前年比1.8%増と市場予想通りで前月から鈍化した。

 指標発表後、ポンドドルは1.28ドル台半ば近辺に上昇。取引中盤は同水準で方向感に欠ける動きを続けたが、後半に入り1.28ドル台後半へと強含んだ。

 NY市場は米FRBイエレン議長の発言を受けてドルが対円中心に下落。ただ中盤以降は下値の堅い動きを続けた。

 取引序盤から始まったFRBイエレン議長の議会証言で、同議長は冒頭、FRBがインフレ動向を注視していると発言。経済に対するインフレの反応は主な不確定要素であると指摘する一方、雇用増は賃金上昇やインフレ圧力の上昇に寄与するはずと述べ、今後数年は緩やかな利上げが必要とされるとの見解を示した。またFRBのバランスシートの縮小は年内に開始されるとの見通しを示した。

 同議長の発言が伝わると、ドル円は113円割れへと急落する一方、ユーロドルは1.14ドル台後半で小幅上昇。しかしイエレン議長の発言を受けて低下した米債利回りが、取引中盤に近づき反発すると、ドル円は113円台前半に反発。ユーロドルは1.14ドル割れへと下落した。

 取引中盤に入り原油先物価格の下落を受け、米債利回りが再び低下すると、ドル円は113円ちょうど近辺に下落し、ユーロドルは1.14ドル台前半に小反発。ただ米国株が堅調に推移したこともあり、ドル円はすぐに113円台前半に持ち直した。

 取引後半に入りFRBは地区連銀報告(ベージュブック)を公表。米経済は全12地区で拡大したと指摘。雇用情勢はさらに逼迫し、幅広い産業で必要な技能を備えた人材の不足が報告された。賃金は大半の地区で緩やかに上昇を続け、賃金圧力の上昇は非熟練職種でもみられた。

 またカンザスシティ連銀のジョージ総裁は、FRBが保有する資産を縮小することに近い将来着手することを支持すると発言。低すぎる金利は金融市場を不均衡にするとも指摘し、金融政策の正常化に前
向きな姿勢を示した。

 ただベージュブックやジョージ総裁の発言に対する市場の反応は限定的。ドル円は113円台前半、ユーロドルは1.14ドル台前半で、それぞれ小動きを続けた。

 カナダドルはカナダ中銀の決定を受けて上昇した。
取引序盤のドルカナダは1.29台前半で小動き。取引中盤に近づき、カナダ中銀は市場予想通り政策金利を25bp引き上げ0.75%にすると発表。同中銀は声明で現在のカナダ経済は金融刺激策を後退させる状況になっていると指摘。インフレ鈍化は一時的で、景気拡大ペースは潜在成長率を上回り続けるとの見方を示した。これを受けてドルカナダは1.28台前半に急落。その後は同水準でもみ合いを続けたが、取引中盤に入りカナダ中銀のポロツ総裁が賃金インフレが立ち上がっていると指摘。カナダ経済が金融刺激策を必要としないのは明らかであるとも述べた。ポロツ総裁の発言が伝わると、ドルカナダは下落基調で推移し、後半には1.27ちょうど近辺と昨年6月上旬以来の低水準に下落。ただ終盤は原油先物価格が軟調に推移したこともあり、ドルカナダは1.27台半ば近辺へとじり高となった。

 FRBイエレン議長の発言は、6月FOMC会見とほぼ同じ内容で、緩やかな利上げ継続やバランスシートの年内開始など、金融政策の正常化に対する強い意欲は変わっていない。

 ただ足元でのインフレ鈍化で同議長のインフレ見通しは若干慎重になった様子。9月FOMCでの追加利上げ期待は後退し、ドルの上値を重くしている。

 とはいえ欧米株は堅調に推移するなど、市場のリスク回避姿勢は弱いまま。本日東京市場のドル円は113円台前半で下値の堅い動きが続くと予想される。

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