2017年7月21日金曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年7月20日)


 7月20日のロンドン市場はドル買い優勢の展開となった。

 ドル円は取引前半に112円ちょうどから112円台半ば手前に上昇。中盤は同水準で下値の堅い動きとなった。米債利回りは動意に欠けたが、ドイツ株はプラス圏で底堅く推移。日銀・黒田総裁が会見で現在の金融緩和を続ける意向を改めて示し、追加緩和の可能性も示したこともドル円をサポートした。

 ただ取引後半に入り、米長期債利回りが低下すると、ドル円は112円台前半で上値の重い動き。ただ下値は堅かった。

 ユーロドルは取引前半に1.15ドル台前半から1.15ドルちょうどに下落。5月のユーロ圏経常収支(季調値)は301億ユーロの黒字と黒字額が前月から拡大。ただユーロ買いの反応は見られなかった。取引中盤以降のユーロドルは1.15ドルちょうどで膠着感強く推移。終盤にECBは市場予想通り政策金利など一連の金融政策の現状維持を発表。声明でQEはインフレが持続的な動きとなるまで続けられ、必要であれば今年12月末以降も続けられると指摘。政策金利はQE終了してしばらくするまで現水準で維持されるとの見通しを示した。ECBの結果が発表されるとユーロドルは1.14ドル台後半に下落した。

 ポンドドルは下落基調が続き1.30ドル台前半から1.29ドル台半ば近辺まで下落。6月の英小売売上高は前年比2.9%増、コア売上高は同3.0%増と市場予想を上回る伸び。しかしフォックス英貿易担当相が英国はEUとのFTAがなくても生き残りが可能であると発言。いわゆるハードブレグジット懸念が高まりポンドを下押しした。

 NY市場はドラギ総裁の会見を受けてユーロが大きく上昇。取引中盤には円高の動きも見られたが、後半には売り戻しの動きとなった。

 取引序盤に発表された米新規失業保険申請件数は23.3万件と市場予想を下回り、5月第2週以来の低水準に低下。一方、同時に発表された7月のフィラデルフィア連銀景況指数は19.5と市場予想を下回り、7カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。ただドル円は112円台前半で反応薄だった。

 米経済指標が発表されるのと同時にECBドラギ総裁は会見を開始。同総裁は得られる経済指標からは景気が強含んでいることが確認されると発言。成長へのリスクはほぼ均衡しているとの見方も示した。そのうえで基調的なインフレ圧力は依然として抑制されており、景気拡大がまだ物価に波及しておらず、極めて大規模な金融緩和は必要であると発言。しかし景気の一層の上振れに向け勢いは増しており、今後数カ月にわたり現水準程度のインフレ上昇を見込むと述べた。会見序盤にユーロドルは1.15ドル台前半に上昇した。

 その後、ドラギ総裁は政策委員会でガイダンスを維持し、QE変更時期を設定しないことを全会一致で決めたと発言。ただ政策委員会は何らかの決断を秋に下すとも述べ、インフレ率が次第に目標に到達することに自信があると発言。これを受けてユーロドルは1.15ドル台半ば近辺に上昇した。

 取引中盤に近づき発表された6月の米先行指数は前月比+0.6%と市場予想を上振れ。同時に発表された7月のユーロ圏消費者信頼感は-1.7と市場予想や前月を下回った。その後、ユーロドルは大きく上昇し、1.16ドル台半ば近辺と2015年8月以来の高値を記録。ドル円は112円台前半から111円台後半に下落した。

 取引中盤に入り、一部メディアはモラー特別検査官が、捜査対象を拡大し、トランプ米大統領自身ならびに関係者のビジネスに関わる様々な取引について調べていると報道。この報道が伝わると、米債利回りがさらに低下し、ドル円は111円台半ば近辺に下落。一方、ユーロドルは1.16ドル台前半に下落した。

 ただ取引後半に入ると米債利回りは反発。ドル円は112円ちょうど近辺まで上昇したが、引けにかけて111円台後半に失速。ユーロドルは1.16ドル台前半で下値の堅い動きを続けた。
 
 ECBドラギ総裁はユーロ高に対し強い懸念を示さず、秋には何らかの判断を下すと明言。テーパリング開始期待がユーロ買いの動きを後押しした。

 一方、米国では、ロシアゲートに関する捜査対象がトランプ大統領のビジネスでの取引に広げられると報じられており、ドルの上値が重くなっている。米国株は高値圏を維持したものの、本日東京市場でのドル円は上値の重い展開が予想される。

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