2017年7月8日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年7月7日)



 7月7日のロンドン市場はポンドが下落。一方で円とユーロは動意に欠ける展開となった。

 取引序盤のポンドドルは1.29ドル台半ば近辺で小動き。その後発表された5月の英鉱工業生産は前年比-0.2%と市場予想を下振れ。同時に発表された同月同国の建設支出は同0.3%減とこちらも市場予想を下回る弱い結果となった。指標発表後、ポンドドルは1.29ドル台前半に下落。中盤は同水準で小動きだったが、後半に入り米長期債利回りがやや強含むと、ポンドドルは1.29ドル割れへと一段安。終盤は1.29ドルちょうどを挟んでの小動きとなった。

 ドル円は113円台後半での推移。ドイツ株はマイナス圏での推移となったが、米債利回りは下値の堅い動き。米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑も強く、ドル円は様子見姿勢が続いた。

 ユーロドルは1.14ドル台前半で推移。ただ後半は米長期債利回りの上昇を背景に上値がやや重くなった。

 NY市場は米雇用統計発表後にドルが上昇。ただ中盤以降のドルは上値が抑えられた。

 取引序盤に発表された6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が22.2万人増と市場予想を上回り、前月分も13.8万人増から15.2万人増へと上方修正。一方、失業率は4.4%と市場予想や前月を上振れ。平均時給は前年比2.5%増と市場予想を下回り、前月分も同2.4%増へと下方修正された。

 米雇用統計発表後、ドル円は113円台半ばに下落する一方、ユーロドルは1.14ドル台半ば手前に上昇するなどドル売りの反応。しかし指標発表後に低下した米債利回りが反発すると、ドル円は114円ちょうど手前に反発。ユーロドルは1.13ドル台後半に下落した。

 取引中盤に入り米長期債利回りが強含み、米国株が上げ幅を広げると、ドル円は114円ちょうどを上抜け。一方、ユーロドルは1.14ドルちょうど近辺に反発した。

 取引後半は米債利回り、米国株ともに小動きとなり、ドル円は114円ちょうどを挟んで小動き。ただ引けにかけては上値が重くなり、114円ちょうど割れ。ユーロドルは1.14ドルちょうど近辺で小動きを続けた。

 カナダドルはカナダ雇用統計を受けて上昇した。
6月のカナダ雇用統計では雇用者数が4.53万人増と市場予想を上回り、失業率は6.5%と市場予想や前月を下振れ。指標発表後、ドルカナダは1.29台後半から1.29ちょうどに下落した。取引中盤に近づき発表された6月のカナダIvey購買部協会指数は61.6と市場予想や前月を上回ったが、原油先物価格が下落したこともあって、ドルカナダは1.29ちょうど近辺のまま。取引中盤に入り、原油先物価格が下げ止まると、ドルカナダは1.28台後半に下落。後半は同水準で小動きを続けた。

 7日からドイツで始まったG20首脳会議では貿易に関して米国の抵抗が強いようだが、仮に声明文で自由貿易主義に関し変更があったとしても、トランプ政権がドル高政策を維持するとの見方から為替市場での影響は限定的とみられる。

 米雇用統計の結果は賃金の伸び悩みが鮮明になってきたが、雇用増の流れに変わりはなく、FRBの金融政策正常化の意欲を削ぐ結果ではないと思われる。バランスシート縮小開始宣言の時期については、引き続きFOMC内で議論されるだろうが、早ければ9月にも縮小開始が宣言され、10月から淡々と再投資を縮小していく状況も十分想定される。

 昨日は日銀の指値オペが円安の動きを後押ししたが、今後も同様の展開はありえるだろう。FRBが金融政策の正常化に向かい、ECBもテーパリング開始を意識。BOEでは利上げの可能性が出てきたということで、日銀でも出口戦略の地ならしを始めるといった声(思惑)もあるようだが、昨日の指値オペは、そうした見方を一蹴したメッセージのようにも思える。2%インフレ目標を掲げながらも、実際のインフレは1%未満という状況で、日銀が出口戦略を議論するとは考えにくい。日銀によるイールドカーブコントロールが円安を促し、インフレ期待が高まる、という流れは、日銀が期待できる数少ない経路(path)であることを改めて意識したほうがよいと思われる。

 来週のドル円も日米金利差を意識した展開となるだろう。14日に発表される6月の米CPIは米インフレ鈍化を印象づける可能性があるものの、日米での金融政策の違いはドル円をサポートするとみられる。債券相場次第とはいえ、ドル円は114円台で根固めをし、3月半ば以来となる115円台を狙う動きも期待できる。

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