2017年12月11日月曜日

方向感に欠ける動きが予想されるメキシコ・ペソ(MXN)

 メキシコ景気の先行き不透明感が再び強まっている。第3四半期の同国GDPは前期比0.3%減と5期ぶりのマイナス成長。減少率は2013年第2四半期以来の大きさとなった。10月の同国景気先行指数は前月比-0.02と昨年12月以来のマイナス。11月のIMEF指数は、製造業が52.6、非製造業が52.5と、いずれも前月(10月)を小幅上回ったが、7-9月平均(製造業と非製造業ともに52.8)を下回っている。

 メキシコの対外収支も悪化傾向にある。過去12カ月累計のメキシコ貿易赤字は、10月に110.6億ドルと今年3月以来の高水準に増加。輸出が拡大基調で推移しているものの、MXN高を背景に輸入の増勢が強まっている。

 メキシコのインフレ圧力は高いままだ。11月CPIは前月比+1.03%と今年1月以来の1%台に加速。コアCPIも同+0.34%と今年4月以来の高さに加速しており、インフレ期待が再び高まっている恐れがある。

 メキシコ中銀は、日本時間15日午前4時に政策金利を発表する予定。米FRBは25bpの追加利上げを決めると見込まれており、メキシコ中銀も追随する形で25bpの利上げを実施するとみられている。仮に予想通り25bpの追加利上げとなれば、メキシコの政策金利は7.25%と、ブラジル(7.00%)を抜き、ベトナム(9.00%)、ロシア(8.25%)、トルコ(8.00%)に次ぐ高さとなる。

 市場では来年7月のメキシコ大統領選の先行き不透明感の強まりを指摘する声もある。元メキシコシティ市長で新興左派勢力Morena党首のアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(略称AMLO)氏は、世論調査で30%程度の支持を集め、他候補者をリードしている。与党PRIは前財務公債相のホセ・アントニオ・ミード氏を候補者として指名したが、支持率は20%程度とAMLO氏を下回っている。野党のPANとPRDは、候補者選出ができておらず、20%程度の支持率を得ている前大統領夫人のマルガリータ・サバラ氏は、PANを離党して独立候補として出馬する意向を示した。

 現時点では大統領選は、AMLO氏とミード氏の対決との見方が一般的だが、近年のメキシコ大統領選は、支持率が投票日に近づくにつれて大きく変動する傾向にある。AMLO氏が現政権の批判を受ける形で支持率を伸ばす可能性もあれば、サバラ氏が支持率を高め、三つ巴の展開となる可能性もある。

 メキシコ・ペソ(MXN)は10月に下落基調で推移してきたが、11月には下げ止まりから買い戻しへ。そして12月には再び下落するなど、今年前半に比べ軟調な展開となっているが、それでも対ドルで19ちょうど近辺と、年初来安値(22ちょうど近辺)から14%弱上昇している。メキシコの高金利がMXNをサポートしているといえるが、景気や対外収支が悪化し、インフレ改善が見込めない中で、MXNの上値を追うのは難しいと思われる。USD/MXNの下の節目は、18.5近辺と18ちょうど近辺。上の節目は19.2近辺と19.7近辺とみられ、来年第1四半期程度まで18.0~19.7のレンジ内で方向感に欠ける動きを続けると予想される。



 


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