2017年1月14日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月13日)



 1月13日のロンドン市場はドルが対欧州通貨でじり安の動きとなった。

 ユーロドルは1.06ドル台前半から1.06ドル台半ば近辺に上昇。ポンドドルは1.21ドル台前半から1.22ドル台前半に上昇した。ドイツや英国で主だった経済指標の発表がないなか、米債利回りは上値の重い動き。ドル売り優勢の地合いが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月13日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動きとなった。

 KRWは対ドルで0.9%の上昇。
韓国中銀は市場予想通り政策金利を1.25%に据え置き。同中銀は声明で内需の回復は限定的であるだろうとの見方を表明。今年の成長率は2%台半ばとの見通しも示し、金融政策は緩和的な状態が維持されているとした。

 CNYは対ドルで小幅下落。
12月の中国貿易収支は408.2億ドルの黒字と黒字額が市場予想を大きく下振れ。輸出が前年比6.1%減と市場予想を上回る減少となったことが響いた。

 SGDは対ドルでほぼ変わらず。
11月のシンガポール小売売上高は前年比1.1%増と市場予想を下回り、コア売上高は同2.1%減と市場予想に反し前年割れとなった。

 INRは対ドルで小幅下落。
12月のインド貿易収支は103.7億ドルの赤字と赤字額が市場予想とほぼ同じだった。

 BRLは対ドルで1.0%の下落。
11月のブラジル経済活動指数は前年比-2.02%と市場予想並みの結果。同月同国のCNI設備稼働率は76.6%と市場予想を小幅上回った。

 PENは対ドルで変わらず。
ペルー中銀は市場予想通り政策金利を4.25%で据え置き。同中銀は声明でインフレは今年半ばに目標レンジに収束するだろうとの見方を表明。成長率は今後数四半期は潜在成長率並みの伸びを示すとの見方も示し、政策金利据え置きの意向を示唆した。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。
12月のハンガリーCPIは前年比+1.8%と市場予想を上回り、2013年7月以来の高い伸びに加速した。

 CZKは対ドルで0.3%の上昇。
11月のチェコ経常収支は45.7億コルナの黒字と黒字額が市場予想を大きく下回った。

 PLNは対ドルで変わらず。
12月のポーランドM3は前年比9.6%増と市場予想通り前月並みの伸びを維持。11月のポーランド経常収支は4.27億ユーロの赤字と赤字額が市場予想を上回った。

よい週末をお過ごしください

2017年1月13日金曜日

注意すべきと思われる国境税導入によるドル高の可能性

 トランプ次期米大統領が日本時間12日未明に会見を開いてから、ドルは軟調な推移を続けている。ドル円は会見直前に117円ちょうど手前水準まで強含んだが、会見終了後に114円台前半へと2円以上も下落。その後、いったんは115円台半ば近辺に反発したが、12日夕方には114円割れと昨年12月8日以来の安値を記録。本日(13日)は仲値にかけて115円ちょうど近辺まで上昇したが、ロンドン市場に入ると114円台後半に下落した。

 ドルが軟調に転じた背景にはトランプ政権に対する期待の後退がある。トランプ氏は12日の会見で財政支出の拡大について具体的な言及を避ける一方、ロシア関連の報道や製薬業界に対する批判や米国の貿易赤字について多くの時間を費やした。質疑応答では一部メディアに対し辛辣な言葉を投げつけるなど、トランプ氏の会見は米大統領選活動中を彷彿させるものと言えた。

 しかしトランプ氏の会見内容は、すべてがドル売りにつながるものではない。一部ですでに指摘されていることだが、トランプ氏は米国を離れる企業に高い国境税(border tax)をかける、と発言(警告)している。ちなみに同氏は、ツイッターでトヨタのメキシコ工場建設を批判する際にも「国境税」という言葉を使っている。

 国境税とは、輸出入製品が国境をまたぐ際に法人に対し税額の調整する制度である。具体的には、輸出によって計上される売上高は課税所得とみなさず、輸入品の購入代金は経費として認めない仕組みである。仮に米国の法人税率が現在の35%から20%に引き下げられた場合、輸出額の20%が減税となる一方、輸入額の20%は増税となる。国境税の考え方は、トランプ氏が米大統領選挙期間中に主張していた輸入関税の大幅引き上げと本質的には同じである。

 国境税は、一見すると保護主義的な印象を与えるが、自由主義を主張する米共和党下院の選挙アジェンダ(Better Way)に含まれており、米政界の中では保護主義的な政策として扱われていない。なぜなら日本など消費税を導入している大半の国では、輸出品を製造する際に購入した原材料などに対する消費税が還付され、輸入品には消費税が課せられている。このため消費税を導入していない米国は貿易競争において不利であるとされており、国境税は不利を是正する手段と位置付けられている。

 WTOがトランプ氏や米共和党が主張する国境税に対し、どのような見解を示すかは現時点では不透明だが、トランプ氏も米共和党も国境税の導入には前向きと考えられ、早い段階で米国に導入される可能性がある。仮に米国で導入されれば、米国で輸出が促進される一方で輸入が抑制され、米国の貿易赤字が縮小する。

 ハーバード大学のマーチン・フェルドシュタイン教授は、1月9日のウォールストリートジャーナル紙で、貿易収支は一国の投資と貯蓄のバランス(貯蓄・投資バランス)で決まるが、国境税は直ちに投資や貯蓄には影響を与えないため貿易収支は変わらないと考えられると主張。代わりに国境税の効果を相殺するために、ドルが上昇する方向に変化するとし、20%の法人税、20%の国境税が創設されるとすれば、ドルは25%上昇するとの見方を示した。

 フェルドシュタイン教授の主張では、国境税が直ちに投資や貯蓄に影響を与えないとの前提を置いているため、実際にドルが25%も上昇するとは考えにくいが、仮に同教授の主張に反し貿易収支が改善方向に向かったとしても、米景気の先行き期待からドル買いの動きが強まると考えられる。

 一部メディアなどは、米国で国境税が導入されれば、中国や欧州も保護貿易主義を強めた政策を導入し、保護貿易的なムードが世界中に広がる可能性があると指摘する。1929年の世界大恐慌時、米国のフーバー大統領(当時)は、国内産業の保護を優先すべく、スムート・ホーリー法(Smoot-Hawley Tariff Act)を創設。2万品以上の輸入品に対する関税が平均40%引き上げられ、世界恐慌を深刻化させたと批判されている。

 しかし、実際のところは、米国で国境税が導入されたとしても、他国がすぐに保護貿易的な政策を採用するとは思えない。上述したように、米国が国境税を導入する理由の一つは、消費税を導入する国との間の貿易競争条件を是正するためで、消費税を導入する国が、米国の国境税導入を強く否定するのは理屈の上では難しい。また米国での国境税の導入によりドル高が進めば、自国通貨安を通じて自国景気が刺激される可能性が高まる。他国は、ドル高が続くうちは、米国で国境税が導入されたとしても、静観すると予想される。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月12日)



 1月12日のロンドン市場は取引前半を中心にドル売り優勢の展開となった。

 ドル円は取引前半に114円台半ば近辺から113円台後半と昨年12月8日以来のドル安・円高水準に下落。ロンドン市場に入っても米債利回りは低下基調で推移。ドイツ株はマイナス圏で推移したことで、ドル売り・円買いの動きが続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月12日)

 新興国通貨は対ドルで全面高。米債利回りの低下で新興国通貨は買いが先行した。

 KRWは対ドルで1.0%の上昇。11月の韓国M2は前月比0.5%増と前月から加速した。

 INRは対ドルで0.4%の上昇。12月のインドCPIは前年比+3.41%と市場予想を下回り、2014年11月以来の低い伸び。11月のインド鉱工業生産は同+5.7%と市場予想を大きく上回り、2015年10月以来の高い伸びに加速した。

 CNYは対ドルで0.6%の上昇。12月の中国資金調達総額は1兆6300億元、同月同国の新規元建て融資は1兆400億元と、いずれも市場予想を上回った。

 BRLは対ドルで0.4%の上昇。ブラジル中銀は政策金利を75bp引き下げ13.00%にすると発表。市場予想では50bpの利下げを見込む声が多かった。11月のブラジルIBGEサービス部門売上高は前年比4.6%減と減少率が前月から縮小した。

 ZARは対ドルで2.2%の上昇。12月の南アフリカ・バークレイズ製造業PMIは46.7と前月から低下。11月の南アフリカ製造業生産は前年比+1.9%と市場予想を上回った。

 ILSは対ドルで0.3%の上昇。12月のイスラエル貿易収支は16.1億ドルの赤字と、赤字額が2014年8月以来の高水準に拡大した。

 TRYは対ドルで3.0%の上昇。1月6日までの週のトルコ非居住者による国債投資は5500万ドルの売り越しと2週連続で売り越しとなった。

 RUBは対ドルで0.6%の上昇。1月6日のロシア金・外貨準備高は3777億ドルと前週から増加。12月のロシア軽自動車売上高は前年比1.0%減だった。

1カ月以上前にニュージーランドの沿岸で行方不明となっていた46歳の男性と6歳の少女が、小型の壊れたヨットでタスマニア海を2000キロ横断し、オーストラリアの漁港に漂着したそうです。無事でよかったですね!

2017年1月12日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月11日)



 1月11日のロンドン市場は取引中盤からドルがじり高の動きとなった。取引前半のドル円は116円ちょうどを挟んで小動き。ユーロドルは1.05ドル台半ば近辺でもみ合いを続けた。米債利回りは上値が抑えられ、ドル円、ユーロドルともに様子見姿勢が続いた。しかし取引中盤に入り、米債利回りが上昇基調に転ずるとドル円は116円台前半に上昇する一方、ユーロドルは1.05ドル台前半に下落した。

 ポンドも取引中盤に対ドルで下落したが、後半は下げ渋る動きを見せた。取引前半のポンドドルは1.21ドル台半ばを小幅上回る水準で小動き。中盤に入り発表された11月の英貿易収支は41.7億ポンドの赤字と赤字額が市場予想を上回ったが、前月分の赤字は下方修正。同時に発表された同月同国の鉱工業生産は前年比+2.0%と市場予想を上回る一方、同月同国の建設業支出は前年比1.5%増と市場予想を下回った。指標発表後、ポンドドルは1.21ドルちょうど近辺に下落。しかしポンド売りの動きは続かず、取引後半のポンドドルはじり高基調。終盤は1.21ドル台半ば手前で推移した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月11日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける展開となった。

 KRWは対ドルで小幅下落。12月の韓国失業率は3.4%と市場予想に反し3カ月連続で改善し、2015年10月以来の低水準に低下した。

 MYRは対ドルで小幅上昇。11月のマレーシア鉱工業生産は前年比+6.2%と市場予想を上回り、2015年7月以来の高い伸びに加速した。

 BRLは対ドルで0.2%の下落。1月7日のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.75%と市場予想を下振れ。12月のブラジルIPCAは前年比+6.29%とほぼ市場予想通りで、前月から小幅鈍化した。

 MXNは対ドルで0.5%の下落。USD/MXNは一時22.0台と過去最高値(MXNは過去最安値)を更新した。11月のメキシコ鉱工業生産は前年比+1.3%と市場予想を小幅上回った。

 CLPは対ドルで0.2%の下落。12月のチリ自動車販売は前年比6.1%増と5カ月連続の前年越えだった。

 TRYは対ドルで2.4%の下落。USD/TRYは一時3.94台と過去最高値(TRYは過去最安値)を更新した。11月のトルコ経常収支は22.7億ドルの赤字と赤字額が市場予想を下回った。

 CZKは対ドルで0.2%の上昇。11月のチェコ小売売上高は前年比8.6%増と市場予想を大きく上回った。

 HUFは対ドルで0.7%の上昇。ハンガリー中銀は会合議事録(12月20日結果発表分)を公表。政策金利の据え置きは全会一致での決定で、政策金利は当面の間、据え置かれるとの見方が示された。一方で対象を絞った非伝統的な金融政策手段を追加的に講ずる用意はできているとの見解も示された。

 PLNは対ドルで0.2%の上昇。ポーランド中銀は市場予想通り政策金利を1.50%で据え置き。同中銀は声明で商品市況の上昇と景気の拡大はインフレを押し上げていると指摘。現在の政策金利水準は景気とインフレの均衡を保つのを助けているとの見解を示した。

 ZARは対ドルで0.3%の下落。12月の南アフリカSACCI企業景況感は93.8と前月とほぼ同じだった。

 RUBは対ドルで0.8%の上昇。1月9日のロシアCPIは前週比+0.3%と前週から大きく加速した。

昨日(1月11日)の午前11時11分、J2横浜FCが、今季50歳を迎える三浦知良選手との今季の契約更新を発表したそうです。私はその時、たぶん、コーヒー飲みながらレポート書いていました。

2017年1月11日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月10日)



 1月10日のロンドン市場はドルがじり高の動き。ドル円は取引前半に115円台後半から116円ちょうど近辺に上昇。中盤にいったん115円台後半に下押しされたが、その後は116円ちょうど近辺での推移となった。米債利回りはロンドン市場に入り上昇。上げて始まったドイツ株は、前半に前日終値水準に下げたが、後半に反発。12月の米中小企業楽観指数が105.8と12年ぶりの高水準に急上昇したこともあって、ドル円は下値の堅い動きとなった。

 ユーロドルは取引前半に1.06ドルちょうど近辺から1.06ドル台前半に上昇したが、中盤以降は緩やかながら下落基調となり、終盤は1.05ドル台後半で推移。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表がなく、米債利回りの上昇を背景にユーロドルはドル買い優勢となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月10日)

 新興国通貨は対ドルで方向感に欠ける動き。アジア通貨が対ドルで底堅く推移する一方、EMEA通貨や中南米通貨は軟調だった。

 PHPは対ドルで0.2%の上昇。11月のフィリピン貿易収支は25.7億ドルの赤字と、赤字額が市場予想を上回り、10カ月ぶりの高水準に拡大。輸入が前年比19.7%増と急増したことが響いた。

 CNYは対ドルで0.2%の上昇。12月の中国CPIは前年比+2.1%と市場予想を下回り、前月から鈍化した。

 INRは対ドルで変わらず。12月のインド自動車販売は前年比8.1%減と2014年4月以来の大幅減となった。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。1月のブラジルIGP-M(一次速報値)は前月比+0.86%と市場予想を小幅上振れ。11月のブラジル小売売上高は前年比3.5%減と市場予想ほど減少しなかった。

 MXNは対ドルで1.7%の下落。USD/MXNは一時21.7台と過去最高値(MXNは過去最安値)を更新した。メキシコ中銀は先週のMXN買い介入規模が20億ドルだったことを公表。12月のメキシコ名目賃金は前年比3.9%増と前月から鈍化した。

 PENは対ドルで小幅下落。11月のペルー貿易収支は2.4億ドルの黒字と、黒字額がほぼ市場予想通りだった。

 CZKは対ドルで0.2%の下落。12月のチェコCPIは前年比+2.0%と市場予想を上回り、4年ぶりに2%台に加速した。

 TRYは対ドルで2.2%の下落。USD/TRYは一時3.79台と過去最高値(TRYは過去最安値)を更新した。トルコ中銀は外貨通貨建て預金準備率を50bp引き下げ、必要であれば追加措置を実施するとの声明を発表した。

今日は110番の日ですね。明日は塩の日だそうです。

2017年1月10日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2017年1月9日)



 1月9日のロンドン市場は円が買われる一方で、ポンドは下落が続いた。ドル円は117円台前半から116円台後半へと下落基調で推移。ドイツ株は売り優勢となり、米債利回りは低下基調で推移。ドル円を下押しした。

 ポンドは東京時間に引き続き売り優勢となった。取引前半のポンドドルは1.21ドル台後半で小動き。しかし英メイ首相は一部英系テレビとのインタビューで欧州の単一市場アクセスの断念を意味することになっても、移民流入管理と立法の権限回復がEU離脱における優先事項であると発言。同発言が伝わると、いわゆるハードブレグジットに対する警戒感が強まり、ポンドドルは1.21ドル台前半に下落した。終盤にポンドドルは1.21ドル台後半に反発したが、上値は抑えられた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2017年1月9日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨はが底堅く推移する一方、中南米通貨やRUBは軟調だった。

 TWDは対ドルで0.4%の下落。12月の台湾貿易収支は48.6億ドルの黒字と、黒字額が市場予想を上振れ。輸出が前年比14.0%増と市場予想を上回ったことが黒字拡大につながった。

 BRLは対ドルで0.7%の上昇。ブラジル中銀の週次エコノミストサーベイでは今年末のUSD/BRL見通しが3.45に下方修正。1月8日時点のブラジル貿易収支は2.22億ドルの黒字だった。

 MXNは対ドルで0.7%の下落。12月のメキシコCPIは前年比+3.36%と市場予想を下回った。

 CLPは対ドルで0.6%の下落。12月のチリ貿易収支は12.3億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回った。

 TRYは対ドルで1.8%の下落。USD/TRYは3.74と過去最高値(TRYは過去最安値)を更新した。11月のトルコ鉱工業生産は前年比+2.7%と市場予想を下回った。

 CZKは対ドルで0.4%の上昇。12月のチェコ失業率は5.2%と市場予想通りで、前月から上昇した。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。11月のハンガリー貿易収支は9.08億ユーロの黒字と、黒字額が市場予想を上回った。

 ZARは対ドルで0.7%の上昇。12月の南アフリカNaamsa自動車販売台数は前年比15.3%減と、減少率が市場予想を上回り、5カ月ぶりの大きさに拡大した。

 ILSは対ドルで0.2%の下落。イスラエル中銀は会合議事録(12月26日結果発表分)を公表。政策金利を0.10%で据え置く決定は全会一致であることが判明した。

スイスとの国境に近いフランスの町オヨナで、父親の車を盗まれた男性が、時速130キロで逃走する車の屋根にしがみついたまま携帯電話で警察に通報し、見事自動車泥棒が逮捕されるという出来事があったそうです。皆様は危ないですから真似をしないでください。

2017年1月9日月曜日

対ドルでの下値の 目途は70ちょうどと思われるインドルピー(INR)

 インド景気の減速懸念が強まりそうだ。インド統計局が6日に発表した2016年度(16年4月~17年3月)の実質GDP成長率予想は前年度比7.1%増と、市場予想(6.8%増)を上回ったものの3年ぶりの低さ。しかも、この予想は、16年11月に実施された高額2紙幣廃止の影響が含まれていないものであり、予想は今後、下方修正されるのが確実視されている。

 一方、インドのインフレ圧力は、景気減速感が強まっていることもあり、抑制されたままとなっている。12日発表予定の12月のインドCPIは、前年比+3.50%と5カ月連続で鈍化し、2014年11月以来の低い伸びが予想されている。

 景気減速とインフレ圧力の抑制を背景に、インド中銀が利下げを再開するとの思惑も強まりそうだ。同中銀は昨年12月の会合で市場予想に反し、レポレートを6.25%、リバースレポレートを5.75%でそれぞれ据え置き。声明では金利据え置きの理由として、原油価格の上昇、章句良品価格の上昇、公務員給与の大幅引き上げを指摘したが、高額紙幣廃止に伴う景気減速は避けられないとの見方も示している。12月のCPIと同時に発表される11月の鉱工業生産が市場予想(前年比-2.2%)を下振れるようだと、2月8日の次回会合での利下げ再開も視野に入るだろう。

 インド景気の減速感は、外国人投資家によるインド株式市場の資本フローにも影響を及ぼしている。同フローは、昨年10月から売り越し超が常態化しており、足元でも昨年12月19日から今年1月5日まで14営業日連続の売り越し超を記録している。

 インドの債券市場は外国人投資家に対する投資枠が規制されていることもあり、インドルピー(INR)は、外国人投資家によるインド株式市場への資本フローの影響を受けやすく、軟調地合いが続いている。USD/INRは、米大統領選後の11月24日に68.86と、過去最高値(INRは過去最安値)を更新した後に、いったんは67.3台まで低下したが、今年は67.7~68.4のレンジ内で高止まったままだ。先週(1月2~6日)のアジア通貨の対ドルパフォーマンスをみると、アジア通貨が軒並み上昇しているのに対し、INRだけが横ばいとなった。

 高額紙幣廃止のインド景気への悪影響は、今年3月くらいまで続くとの見方が多く、インド景気の減速感が早期に解消されることは期待しにくい。またインドでは、今年2~3月に北部ウッタルプラデシュ州など5州で地方議会選が予定されているが、モディ首相率いる与党インド人民党(BJP)が、景気減速を背景に苦戦する恐れもある。インド中銀による利下げ観測もあってINRの軟調地合いは、地方議会選が終わる3月まで続くとみるべきだろう。

 ただインドの外貨準備は昨年12月末時点で3365.8億ドルと、昨年9月から減少基調を続けているものの、2015年末水準(3292億ドル)を上回っている。INR売りの動きが強まったとしても、インド当局はINR買い介入に踏み切る余裕があるといえ、INRの対ドルでの下値の目途は過去最安値水準をやや下回る70ちょうど近辺と考えられる。